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短冊に願いを

1 - 短冊に願いを

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2025年07月07日

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太陽の光が眩しい。…今は、何時だ?

「…10時って、二時間しか寝てないじゃん。最近の朝眩し…はぁ」

くぁ、と欠伸をしベットから降りる。もう一度寝たって良いのだが、なんだか眠気がやってこない。最近はジムとか外仕事が多くて疲労は溜まってる筈なんだけど。睡眠ガチャSS…いや、二時間しか寝れてないし、結局はRくらいか。

「朝御飯…は良いか、夜つい数時間前食べたばっかだし、昼早めに食お」

眠りもしない、何かを食べるでもない、となるとやる事は必然と無くなり、なんとなくパソコンへと向かう。作業も特段急いでやる必要は無いが、暇だし連絡くらいは返したって良いだろう。

…こんな朝早くに連絡が来ても困るか?いや、普通の人は起きてるか、平日だし。

「えっと?うわ、思ったより溜め込んでる」

最初のうちは適当に歌でも口ずさみながら連絡を返していたが、そのうちそれも止み、空調の音とキーボードの音だけが空虚な部屋に響く。

「んー…っ、終わっ、たぁ!」

数十分の作業ではあるが、その間ずっと座りっぱなしだったので体がバキバキとなる。

「さて、まだ11時ちょいか」

案外時間があるな、どうしよう。そんな事を思いながらなんとなくスマホをいじる。どうせスマホを見ていたら14時とかになっているだろう、そしたら飯食って、その時間になれば眠くなるでしょ。で、起きたら配信して…配信何しよ、マリカワ、かな。そろそろやり過ぎ…いや楽しいし仕方ないだろ。あんなんやるしか無い。

「…ん、あれ、通知?」

こんな朝…昼早くに?誰から…星川、?ってうわ、通話来た

「はい…?夢追ですけど、かけ間違い?」

「パパ〜!!ミスってないからwwおはよパパ、実は今日星川ショッピングに行きたくて〜!」

「…パパじゃない。ショッピング?良いんじゃ無い、このクソ暑い中その出られんの凄いねえ、尊敬。それじゃ夢追忙しいからまた…」

「ちょちょ!待って!!」

朝から騒がしい。寝起きだったら全然ぶつ切りしてたかも。起きてた事に感謝して欲しいな…

「何?荷物持ちはしませんよ」

「ちぇ、パパのケチ!どうせパパの事なんだから忙しくなんてないんでしょ?」

「いや酷いな?!夢追だって忙しい日くらいあるだろ」

この女は俺にどんなイメージを持っているんだ…?失礼だな。

「まぁそう言う事なんで、今から一時間後◯◯駅集合でー!」

「いや、行かな…うわ、切りやがったアイツ」

はぁ、とため息をつく。僕の完璧休日計画はどうやら達成されないらしい。今日は平日だし、そもそも配信してるから休日ではないけど。

「……行くかあ」




「いや〜!助かりました!丁度可愛い服買いたくてー」

「…はは、お気に召したようで…なりより…」

荷物が重い、額から汗が流れる。拭いたくても両手が服の袋で塞がっていて拭えない。

「で、パパどうする?もうお昼時ですけど」

「パパじゃないし、もう予定が終わったら夢追は帰って寝たいんですけど…」

「あ、今日お祭りやってるみたいなんでそこの屋台で食べましょ!」

「話聞いてた?」

なんだ?コイツ。お祭りの屋台で昼飯?このクソ暑い中…?自殺行為だろ。今からでもなんとか止めれば…そう思って星川を見ると、既に歩き出しており、ノリノリで行く気満々だ。

…この服持ちながらはキツそうだな。そんな事を思いながら星川の背中を追いかけた




「とーちゃーくっ!パパ何食べる?!」

「パパじゃない………チョコバナナ」

「ぶはっ、チョコバナナwwパパそんな可愛いものたべれんの?!」

「おまっ、バカにしてるだろ!!チョコバナナ美味いんだって!!」

一悶着してから、各々食べたい物を買っていく。

星川はりんご飴とイカ焼き。俺はチョコバナナとたこ焼き。

「んーっ、うま」

「え〜良いなぁ!星川もたこ焼き食べたーい!」

「貴方にはイカ焼きがあるでしょ」

たこ焼きはやらんぞ。と守るようにたこ焼きを自分の方に隠すと、拗ねたように口を尖らせる。

「うわ、酷!サイテー!沢山あるんだから良いでしょ一個くらい!」

「その言い方をする星川の方が最低だと思いますけど…」

はい、とたこ焼きのパックを星川に近付けると

「あ」

と口を開く。

「………え?」

「だーかーらー!あ!」

冷や汗が垂れる。

どうする、俺。これ所謂あーん、と言うやつでは?!流石にやったら捕まるか?え、どう、どうすれば…

迷った末、捕まったらそれまで、と言う事で今まで関わってきたライバー達に感謝をしながら、竹串らしきそれでひとつたこ焼きを取る。

「…は、はい」

恐る恐る星川の口に近付ければ

「ん、ん〜っ…美味しい!」

ふんぁ、と笑いながら嬉しそうに笑った。

「パパがあーんしてくれるなんて〜、もしかして星川に親心…」

「湧いてないわ」

ツッコミをしても隣のニヤニヤとした顔は変わらない。なんとか話を変えようと辺りを見回すと色とりどりの紙が見える。

「あ、短冊…そーいや七夕だっけか、今日」

「へ?あー、そうですね。何か願い書きます?」

「良いんじゃない?…じゃあ健康でも願っとこうかな」

今年は三が日に早速インフルになったし、祈っといて損はないだろう。

「星川は?何にすんの?」

「言ったら叶わなくなっちゃうからヒミツ!」

「じゃあ俺の健康叶わんやんけ!」

そう言うと星川はケラケラと笑い、俺から見えない位置に行って何かを書いていた。

…言ったら叶わない…ねえ、そんなんを信じるタイプではないけど、まぁ強いて変えるなら…

数十秒うんうん唸って考えた末出てきた考え、星川に見られたら終わり、終わり、だけど。短冊に備えつきのサインペンで願いを書く

「…よし、出来た。っと、星川は?」

「星川も出来た〜!んふふ、何書いたと思う?」

「…さあ、何?金持ちになれますようにとか?」

「パパじゃないんだからそんな事書かねーよww」

…相変わらず大分扱いが酷い、が。

星川の願いが何かは知らない、けどまぁきっと叶う事を信じて。彦星と織姫に、願いを馳せて

「ほら、書いたんだから帰るぞ、そろそろ手限界」

「えー、パパ弱〜!最近ジム行って__」


【星川の願い事が叶いますように。】

【パパとライブがまた出来ますよーにっ♪】

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