TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する





「良いんですか!?」

「あぁ、ええよ。もらってけもらってけ」

「ありがとうございます!!」

こんなにアルが喜んでいるのには理由がある。

このジジイから廃倉庫を貰った。しかもデカい。

昔っから秘密基地に憧れていたから、楽しくて仕方ないだろう。

「レッド行こう!みんなも連れて!!」

「分かった分かった。だから落ち着け」

この時、こんなジジイを信じるな、なんて言えれば良かった。

廃倉庫なんて、もらわなきゃ良かった______________。








「みんな連れてきたぞ」

「ありがとう!」

廃倉庫だって、楽しみだなぁ。

どんなものを入れようかなぁ。どんなことをしようかなぁ。

「私あっちの方見てくるね」

そう言ってアルは走って行った。

その時だった。アルとは真反対の方から音がした。

レインボーフレンズ(アル除く)はみんな集合している。

誰だ?アルを待つか?いや、アルに危害が及ばないうちに確認しよう。

そうしよう。

「行くぞ、お前ら」

「うん、何があっても、大丈夫」

「そうか」

みんなの目が、いつもと違うのに気づくのに時間は要らなかった。

覚悟を決めたのか、そんな目が、心の中の何かを少し安心させた。



着いた。

ここに入った瞬間、首が切れるかもしれない。

胴体と四肢がお別れになるかもしれない。

でも、アルのためだから、大丈夫。何も怖い事はない。

俺は、ドアを開けた。



「ヒヒッ。気づかれちまったか」

「やれ!お前ら!ヒヒヒヒヒッ」

そいつが言うのと同時に、影から沢山の化け物が飛び出してきた。

沢山と言っても四人。全員強そうな見た目だ。

「レッドはあいつを追いかけて!!走って!奥へ!!全速力で!!」

「…任せたぞ」

俺はあいつを追いかけた。
















「激しい物音がする」

独り言が、部屋に響いた。

喧嘩かと思ったけれど、違う。

刃物の音や、知らない声の笑い声。そんな音が激しい音と一緒に耳に舞い込んできた。

「早く行かないと、みんなを助けないと!!」

全速力で音の方へ走った。






「アル!!」

「みんな無事!?レッドは!?」

「ボク達は平気!レッドは奥の方だよ!走って!!」

「みんなありがとう!!」

「気をつけてね!!」














「ハァ…ハァ…」

「おいどうした?そんなものか?ケヒヒッ」

「レッド!!」

「アル!!」

そこには、主犯格らしい水色のドレスを着て、横たわっている赤毛の子と

ボロボロのレッドがふらふらで立っていた。

「ケヒヒヒヒッお初にお目にかかり光栄ですヒヒッ」

「ワタクシはボクシー・ブー、よろしくお願いしますケヒッ」

「よろしくも何も、ここでお前とはお別れだろうよ」

「胴体と首がバイバイしたくなかったら帰ることだな」

「ヒヒヒヒヒッ出来もしないことを言って、自己満足ですか?」

「お前の方こそ、私を倒せないだろ?冗談はほどほどにしとけよ」

「ほぉ…ならばやってみてください、ケヒッ」

そう奴が煽った瞬間の出来事だった。

目にも止まらぬ早さでアルは奴の腕を切り落とした。

「い”っでぇ…クソが…中々やりますねケケケッ」

「次は〜左足かな」

「その次は右脚、最後に左腕かな」

「頑張ってね」

すぐアルに言わなかった自分が、なんだか馬鹿らしく思えた。

アルの楽しみがどうこうって、違うよな。

楽しみを壊さないために戦ってんだもんな。

あのボクシーブーってやつはアルにかすり傷残せずタヒんで行った。

これがただの会社員だなんて、想像がつかなかった。

「疲れたぁ」

そう言って、少しフラッとした時だった。









                        ザクッ。




アルの胸に、血まみれのナイフが突き刺さった。























   第二話      優しさの裏の企み
































loading

この作品はいかがでしたか?

4

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚