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和食料理の店に着き名前を告げると、奥にある個室に案内された。

このようなお店には常務の同行で度々来ることがあるが、仕事でもあるから食事を楽しんだり味わったりしたことは無い。


きっと、今日も楽しめそうにない。


部屋に入ると社長と多分社長夫人、新二さんと森川彩香がすでに席に着いていた。


社長以外は驚いた表情がありありとわかる。社長は知っていたんだろうか?

まぁ、付き合っている事は分かっているだろうけど、単に大きな会社の社長としてポーカーフェイスを通しているんだろうか?


ただ、森川彩香の表情があの日のAyaと重なる。



嫉妬と憎悪




「遅れてすみません」


わざと遅れておいて良く言うと心の中でツッコむ。


夫人が優しい表情で「あら、賢一その方は?」との質問に、賢一は小悪魔のような微笑みをたたえながらはっきりと答えた。





「俺の恋人の豊田雪さんです」

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