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ふゅう@低浮上
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兎ゞ亜 @はじめたばかり
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「……はい?」
青いニット帽に、赤いマフラー、黒いズボン。
おまけに青い羽織。
どう見ても季節外れで場違いな服装の男が立っている。
「……誰?」
「あ、おれ〜?」
男は自分を指差したあと、へらっと笑った。
「おれは、“ただの”旅人ですよ〜」
胡散臭い。
即座にそう判断した。
まず服装がおかしい。
こんな砂漠で、マフラーなんて巻くやつがいるか?
しかも暑そうな顔を一切せずに。
「いや絶対違うだろ」
「なにが?」
「全部」
反射的に即答する。
男はあははっと笑った。
その乾いた軽さが、逆に恐怖心を掻き立てる。
「……ここどこだよ」
「駅」
「それは見ればわかる」
「じゃあ説明終わりだね〜」
のらりくらりと躱される会話に苛立つ。
どう見ても知っていそうなこの口振りが、余計に癪に障るのだ。
⋯さっきまで、確か普通に家へ帰っていたはずだ。
コンビニに寄って、スマホを見ながら歩いて。
⋯そこから先の記憶が曖昧になっている。
気づけば、この訳の分からない駅に居た。
異質なまでに青い空の下の、砂漠のど真ん中。
『次の世界まで 徒歩三日』
そんな意味不明な看板まである。
⋯夢にしては感覚が鮮明過ぎる。
だけど、現実と認めるには難しい。
「……誘拐?」
「この砂漠でやるなら大変そうだねぇ」
「他人事かよ」
男は、ベンチに腰掛けながら缶コーヒーを開けた。
カコンッ
乾いた音が響く。
「飲む〜?」
「⋯なんでそんな落ち着いてんの」
「ん〜、まぁ、慣れてるんでね」
さらっと返されたその言葉に、眉を顰める。
慣れてる?
何に?
こんな場所に来ることに?
「……ここのこと、知ってんすか」
「まあ、それなりにはね」
男は缶コーヒーを口に運ぶ。
その横顔は、妙に場慣れしていた。
まるで、
こんな“世界”を、何度も見てきたみたいに。
NEXT=♡1000