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#ご本人様には関係ありません
ふゅう@低浮上
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#rd運営
兎ゞ亜 @はじめたばかり
367
なる🖤🧣
651
「で、結局ここなんなんすか」
ベンチに座る男を睨む。
青い羽織の男――旅人は、空になった缶コーヒーを軽く振る。
「世界と世界の間」
「余計わかんねぇよ」
「まあそのうち慣れるって」
旅人は立ち上がると、ぐっと背伸びをした。
「どうせ、君もすぐには帰れないからね」
マフラーの裾が風に揺れる。
「⋯とりあえず、近くの街まで行こっか」
「街あんの⋯?」
「あるよ〜。そこに書いてある通り、徒歩三日だけど」
「遠…ってか、ここに書いてあんの『次の世界まで』だけど、街なんすか?」
「ん〜、まあ変わらんよ」
どう考えても世界と街はだいぶ違うが。
げんなりしているこちらを見て、旅人は笑う。
その時だった。
――ザリッ
砂を擦るような音がした。
「……?」
誰もいない。
⋯いや、
「⋯なんか居る」
砂丘の向こうに、黒い“何か”が居た。
人の形をしているようにも見える。
けれど、輪郭が曖昧だった。
まるで影が立ち上がったみたいに、ゆらゆら揺れている。
「……なんすか、あれ」
旅人の笑みが、少しだけ消えた。
「エンティティだね」
軽い口調のまま、声の温度が低くなる。
「逃げよっか、」
直後。
――ドゴォォンッ
黒い影が、地面を抉る勢いで突っ込んできた。
「っ!?」
速い。
人間じゃない。
反射的に後ろへ下がる。
砂煙が舞い上がる。
視界が揺れる。
影が、目の前まで迫った。
――死ぬ、
そう思った瞬間。
ヒュンッ
風が鳴った。
次の瞬間、黒い影は真っ二つになっていた。
「…っは、」
砂の上に、黒い粒子が散っていく。
その中心に、旅人が立っていた。
いつ抜いたのかも分からない、細い刃を片手に。
「危ない危ない」
彼は小さく息を吐いて笑う。
まるで今のが大したことじゃないみたいに。
言葉を失う。
さっきまでの軽薄そうな男とは、別人みたいだった。
「……あんたは、」
旅人は刃を軽く払うと、またさっきの調子に戻る。
「だから言ったじゃん」
へらっと笑う。
「ただの旅人だって」
風が吹く。
しばらく沈黙が落ちる。
先に口を開いたのは、旅人だった。
「⋯失われた記憶の街って、知ってる?」
首を横に振る。
「この世界の何処かにある街。そこへ行くと、失った記憶が戻るんだって」
旅人は空を見上げる。
異様に青い空を。
「……おれ、そこ探してるんだよね」
その声が、少し静かだった。
⋯この男は、確かに知っている。
この世界のことも。
さっきの化け物のことも。
そして、
俺がここへ来た理由も。
「……俺、元の世界に帰れるんすか」
旅人は少しだけ考えてから笑った。
「さあ?」
軽い。
「でも、探せば分かるかもね」
けれど、嘘を吐いているようには見えなかった。
……帰る方法も分からない。
ここが何処かも分からない。
なら、
今はこの胡散臭い旅人についていくしかない。
「……ぐちつぼです」
旅人がこちらを見て、きょとんとした顔をする。
「名前」
「⋯あぁ、自己紹介?」
風が吹く。
「おれはらっだぁ。宜しく、ぐちつぼ」
「⋯宜しく」
世界の境界のような駅が、静かに軋んでいた。
らっだぁは踵を返す。
青い羽織が揺れた。
「じゃ、行こっか」
NEXT=♡1000
※4話は1~3話がすべて♡1000になったら更新しますm(_ _)m
コメント
8件
これまた面白い新連載を…楽しみです……
なんかエンティティとかすんごいBackroomsに思えて来ちゃうw 神だこれは!😇✨💕続き楽しみに待ってます✨
えぐっ、え?最高っすね?