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「おじさん、どうしてそんな変な格好をしているの?」


一人の小僧が日帝に話しかけた


その子は痩せ細っており、口は笑っているはずなのに目はどことなく虚ろだった


「…お前が大人になった時に、この服を着なくてもいい世界になるよう…俺は戦うからな…」


「う、うん…?」


日帝がそう言うと、男の子の小さな体を優しく抱きしめた


一瞬目から涙が溢れそうだったが、唇を噛み締めて引っ込めた


「おじさん、怪我しないで帰ってきてね!」


「あぁ、もちろんさ」


男の子が笑顔で手を振ると、日帝も微笑みながら小さく手を振り返した


男の子は小走りをし、その姿が見えなくなるまで見届けていた










日帝目線


「それにしても今日は暑いな…いや、こんなことで暑がっていたら負けか」


彼は呟いた


今の季節は8月 もちろん気温は高い


太陽がギラギラと輝いており、日光がガンガン当たる


頭を掻きながら賑わっている街の方を見渡した


(そういえば、最近向こうからの攻撃がないな…東京や大阪は酷い被害を受けているはずなのに、広島には空襲がやけに少ない…一体何をしているんだ?)


彼は広島への攻撃が急に減ったことに対して違和感を抱いていた


もちろん攻撃してくれという意味ではないが、あまりにも不自然だったため、何かを準備しているんじゃないかと疑っていた


「ん?あれは一体…」


空を見ると米軍の爆撃機から謎の物体が下へと落ちていった


「うわっ…なんだ…!?」


その瞬間、目が潰れてしまいそうな真っ白い光が彼を襲った


その直後…











鼓膜が破れそうなくらい大きな爆発音がした


それと同時に猛烈な爆風が彼を襲った


「グァァアアアッ!!!!」


近くの木や床に叩きつけられ、意識は一瞬遠のきそうになった


瞬時に立ち上がると、街を覆うようにキノコのような形をした真っ黒な雲が上がっていた


そう、広島には「原子爆弾」という名の悪魔が投下されたのだ


日帝は急いで街の方に向かった…


「う、嘘だろ…?なんだ、これは…」


しかし、彼がそこで見たものは「絶望」そのものだった














全身大火傷で腕から何かを垂れ下げている人達がまるでゾンビのような呻き声をあげていたのだ


「あ、あ゛づぃ…」


「み、み゛ずぅ…」


日帝は人々に近づいて垂れ下がっているものをよく見てみると、それは垂れてきた本人の皮膚だった


しかし、辺りを見るとさらに絶望的な光景が広がっていた


ガラスの破片が全身に刺さりまくっている男性…


死んだ我が子に母乳を与え続けている母親…


屋根の下敷きになった母親を助けようと腕を引っ張っている少年…


どれもこれも目を背けたくなるものばかりだった

忘れないあの日の出来事

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