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窮鼠猫を噛む。そのことわざを覚えたのはいつだろうか。
僕は今までどの猫にも噛み付いたことが無い。それを僕自身、ちゃんと自覚しているのだが、どうしても猫に噛み付くことができないままでいる。
そもそも猫に噛み付くということを、読者諸君は何のことか分かっていないだろう。「猫」。それは弱い動物を捕食し、自分より地位の高い者に可愛らしい素振りをわざと見せるような、所謂僕とは真反対に位置する、僕からすれば少し怖い存在のことだ。
そして「噛み付く」。それは端的に言うと「関わる」ということ。
僕は鼠の位置にあるが、正直に言ってそんな猫などという低俗な立場と関わりたくはないのだ。何より僕がそんなヤツらと関われば、今まで僕を慕ってきた何人もの人達が離れていくからだ。そんなの、僕がする訳が無い。関わると思う奴がどこに居るのだ、と言った感じだ。
そんな僕は今年から晴れて高校生となった。初めて見る顔も、前から知っている顔も、皆僕を慕い、褒めてくれる。それがお世辞だろうが何だろうが、僕にとっては快感に近い幸せであった。
ただ、あの子に会うまでは。
kaede🍁
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あめ
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コメント
1件
「窮鼠猫を噛む」をこんな風に使うのは初めて見ました。語り手が自分のことを鼠、他人を猫と位置づけて、しかも猫を「低俗」と切り捨てる――この距離感と自意識の高さが既に物語の空気を作ってますね。慕われることに快感を覚えつつ、関わることを拒む、その矛盾が気になる。そして最後の「あの子」。ここからどう変わるのか、とても気になります。設定と比喩の使い方が巧みで、続きが楽しみです。