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🐙side
『ロウさん…..』
確かに記憶喪失しがちな体質である俺にも非があるがこれは不可抗力に近い
(そんなので怒られても俺には何もできないし….)
そもそも今の俺は前の俺を知らないんだから俺の知らないところで解釈不一致を起こされても困るというものだ
(あ、結局短冊についてはわからなかったな)
すっかり日が沈み、室内は月光に照らされる
夕飯はどうすべきだろうか、ロウさんは部屋に戻っちゃったし…….コンビニにでも買いに行こう
ゆっくりと玄関のドアを開けてロウさんに渡された鍵と財布、スマホを持って足を踏み出す
春は近いがまだ夜は涼しい、夜風が体を包み込むように流れていく
(肌寒い、さすがに薄着すぎたかな)
ふと家の方へ振り返るとロウさんの部屋の窓からは暗闇が漏れ出ていた
もう寝てしまったのだろうか、夕飯すら食べずに
気を取り直して近くのコンビニへと歩みを進める
と言っても場所は覚えていないのでスマホで調べる
一番近いコンビニでもある程度の距離がありそうだ
(立地悪くなぁい….?)
退院したてで鈍った体にちょうどいいか、としょうがなくナビをオンにし、歩き始める
結局15分ほど歩かされたがコンビニに着いた
(遠かったな…)
蛍光灯の光が目に刺さる
コンビニに入り食べるものを考えながら目を通す
[あ!るべしょーじゃん!退院したんだね!おめでとう!]
ふと誰かに声を掛けられ振り返る
そこにはピンク髪の青年、俺の友人だろうか、入院してたことを知っているらしい
記憶にない……
『あの、どなたでしょうか?』
恐る恐る問いかける
🍱🦖[エ!?るべしょー!?僕だよ、ぼく!赤城ウェン!]
『は、はぁ…..』
いまいちピンとこないがこの様子からして友人なのは間違いないようだ
🍱🦖[う~ん….そういえば、入院ってもしかして…….?]
『覚えてないのですが、任務で負傷して記憶を失ったみたいで…』
🍱🦖[そ、そんな!?]
『ごめんなさい….』
🍱🦖[あやまらないで!不可抗力でしょ!]
ウェンさんはとてもやさしく慰めてくれた
『ありがとうございます….それで、ウェンさんは俺とどんな関係なのでしょうか…』
『ロウさんとおなじでヒーローですか?』
🍱🦖[ウェンさん!?]
『えっ』
急に驚かれてこちらもビクっとする
🍱🦖[ウェンって呼んでよ!]
『ウェンさん….?』
🍱🦖[ウェン!]
『うぇ、ウェン….?』
[うん!やっぱそれがしっくりくる!]
急に大声を発して何かと思えば呼び方の問題らしい
友人?からのさん付けは違和感だったのだろうか
🍱🦖[あぁ!本題だね!ごめんごめん….あとさ、ここコンビニだし、後で外で話そ?]
『あ、はい。わかりました』
そういえばここはコンビニうるさくしたら迷惑だ
ひとまず彼について気になる心は置いておいて適当な弁当を手に取りレジに並ぶ
買い物を済ませ外に出る
🍱🦖[ごめーん!遅くなった!]
『いえいえ、大丈夫です』
🍱🦖[敬語なのも気になるところだけど….いったん自己紹介するね!]
🍱🦖[僕は赤城ウェン!東でヒーローをしてるんだけど今は西に出張中!よろしく!]
やはり彼も同じようにヒーローだった
『よろしくお願いします』
『俺は….』
🍱🦖[大丈夫!るべしょーの事は今のるべしょーより知ってる自信あるから!]
🍱🦖[ほかにも気になることはあるけど…今聞くのは野暮だよね?るべしょーにもわからないことばっかだろうし]
彼は自分の疑問や不安を抑え込んでまで俺の事を心配して気遣ってくれるらしい
なんて優しくいい人なんだと感心する
『ありがとうございます、本当に』
ふとスマホを開き時間を確認するなんやかんや1時間ほどたっていた
それに、ロウさんから驚くほど大量のメッセージが来ていた
無断で出て行ったのは不味かったか、そろそろ家に帰らなくては
🍱🦖[そろそろ帰る?ごめんね!長々と引き止めちゃって、何かあったら連絡して!]
🍱🦖[るべしょーのスマホには僕の連絡先もあるはずだから!]
『何から何まで….ありがとうございます、ではまた、』
軽く挨拶を交わし別れる
ロウさんからのメッセージを確認する、
「おい」
「どこにいる」
「勝手に外に出るな」
「どこ行ったんだよ」
まるで束縛が激しい彼氏のようだ
(こわぁ…..)
どんな返信をしようか迷ってる間にも家へ帰るために歩みを進める
『着いちゃった..』
結局、何も返信しないまま家へ帰ってきてしまった
だって怖いもん、しょうがないよね
恐る恐る鍵をひねりドアを開ける
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