テラーノベル
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204
ぽん
76
狼🐺
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「20〇✕年5月20日に行われた『未成年誘拐事件』から半年が経った今でも、捜索が続けられています。警察は有力な情報提供を呼びかけています——」
テレビから流れるニュースを、らんは薄暗い部屋の中で聞いていた。
窓はなく、唯一の光源は天井の小さな電球だけ。外の景色も時間も分からない。その部屋で過ごした日々は、すでに半年を超えていた。
「またそのニュース?」
すちは食事の乗ったトレイを床に置くと、困ったように笑いかけた
「そんな顔しないで、?俺はらんらんを守ってるんだよ?」
その言葉を、俺は何度聞いただろう。
最初は恐怖しかなかった。逃げようともした。だが、そのたびにすちは悲しそうな顔をして言ってくる。
「外は危険なんだ。」
「らんらんを傷つける人間ばっか。」
「俺だけがらんらんのことをいちばん分かってる。」
「俺だけ見てて?」
おかしい。
そう分かっているのに、半年もの間、他人と会話をしていない俺の心は少しずつ削られていた。
その夜。
「らんらんおやすみ。」
「うん、」
すちが部屋を出ていく時、部屋に鍵を置いていった。
テーブルの上に置かれたまま。罠かもしれない。弄んでいるかもしれない。でも
もしほんとに忘れていたら?俺にとってこれは人生最大のチャンスだった。
震える手で鍵穴に差し込む。
「あいた……!」
「すちが注意不足でよかった笑」
ゆっくりと扉が開いた。
閉じ込められてた部屋から出るのは初めてでこの家全体を初めて見た。
「……どこの部屋も鍵ばっかり」
隣の部屋だけ唯一鍵が空いており、好奇心で入ることにした。
中には、大量の写真が貼られていた。
「なに、これ……俺、?」
壁全体に貼られた俺の写真。すちとまだ出会ってない時の写真まであって気味が悪い。
数分立ち尽くしていると物音がして急いで自分の部屋に戻った
「まんまと引っかかってくれてありがとね。らんらん。」
扉の外からすちの声が聞こえたような気がしたが、無視して深い眠りについた
コメント
1件
新作読んだよ…! 「いち」ってタイトル、監禁モノなのに1話って意味も込められてるのかなって思った。 すちの「まんまと引っかかってくれてありがとね」のラスト、心臓止まるかと思った…。最初は心配そうな献身キャラかと思いきや、写真部屋も含めて完全に計算済みの執着って感じがヤバくて良い。 針金で脱出したと思った読者も含めて“まんまと引っかかった”感、すごい仕掛けだね。続き気になる〜🥀