果爲は、弥恋に押し倒されていた。
弥恋「あれぇ?抵抗しなくていいのかな?」
果爲「……いや、それ以前にびっくりして…」
果爲は状況整理に脳のCPUをすべて回していた。自分が押し倒されていること、しかも幼馴染の女の子にだ。訳が分からない。
果爲「………な、なにがしたいの?」
弥恋「別に?ただ、経験の薄いかなにはうってつけかなってw」
果爲「本当は?」
弥恋「……さっき助けてくれたじゃん?私なんも出来なくて、蹲ってたら終わってて…怖かったんだ。でもその怖いは、私が襲われる怖さじゃなくて、大事な人が居なくなる怖さだったんだと思う…」
いつも茶化して元気な弥恋の、純粋に友達を思う気持ちが、果爲にとってはなにより嬉しかった。
果爲「大丈夫だよ。私が弥恋も、弥恋の大事なものも全部守るよ。」
弥恋「ありがと…かな」
弥恋は目を潤ませながら、笑を零した。
果爲(そっか…弥恋も思い詰めてたんだ…私何かのために…)
果爲は人助けをすればみんなが救われると思っていた。しかし、弥恋にとっては、果爲が命を賭して皆を守ったことは嬉しくも、果爲に危険が及んだことに対する不安でいっぱいだったのだ。それを理解した果爲は、
果爲「次はもっと遠距離攻撃増やして見よっかなぁ?…痛いのいやだし」
弥恋はその言葉の優しさに気づき、胸の深くに抑えていた不安を捨て去った。
弥恋「ははw…泣いてるとこ見せるなんて…恥ずかしいや」
果爲「いやむしろ今日ので泣かなかったの凄いと思うけどww」
弥恋「確かにねw、ありがと。あと…」
果爲「ん?」
ちゅ…
果爲「ちょっ…/////」
弥恋「ふふ、もっかいしとく?」
果爲「え?、あ……じゃ…もっかい///」
弥恋「おっけぃw」
果爲「……///」
弥恋から受けたお礼のキスは、果爲にとって恥ずかしかったが、いつものように茶化せる元気を取り戻したことを確認できたので、むしろほっとした。
だがしかし一方で、見事に初めての体験を終えてしまった果爲は悶々としつつ夜を迎えた。
弥恋「あ”ぁ”…あっだまるぅ…」
果爲「変な声出すなおっさんかよ」
「ふふ…お姉ちゃん達はいつもこんな感じなの?」
3人がお風呂に入る中、
そう言い放ったのは、果爲の妹の凪爲だった。
弥恋「にしてもデカくなったなぁ凪爲ちゃんは…今いくつだっけ?」
凪爲「今年15歳で、高校生になりました、でもお姉ちゃんと居られるの今年だけ…」
弥恋「あらまぁお可愛いことw」
凪爲「あてかお姉ちゃん今日この辺で噂になってたよ。パンチで犯人捕まえたって。しかも吹っ飛んでたらしいし…また能力使ったでしょ?」
凪爲も能力のことを知っている数少ない1人である。ちなみに家族は全員知っていて、他人で知っているのは弥恋だけである。
果爲「いや…あの状況じゃ…」
弥恋「使うしか無かったよねぇw」
凪爲「もう…もしバレたらどうするの?」
果爲「逃げる 」
弥恋「思い切って倒しちゃえば?w」
果爲・凪爲「……」
弥恋「す、すいません…」
果爲「分かればいいの…って言ってる側から触るなぁ!」
弥恋「やらかっ…」
凪爲「お姉ちゃんって……大きいよね…」
果爲「ちょ…凪爲っ…とめてよぉ」
弥恋「いいじゃん減るもんじゃあるまいしw」
果爲「えぇ…ふぁ…ん…///」
弥恋「……ご馳走様でした」
果爲「なにがだよぉ!」
凪爲「お姉ちゃんかわいw…」
そうして3人の楽しい時間は流れた。
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