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ゆずき
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プロローグこれはある中学校教師のお話です。今日はそんな数学教師…いや、数学教師兼王様の話をします。―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第1章 世界が眠っている間に
やぁ!俺は戸井健司!訳あって中学校教師兼王様をしているんだ!もともとは王様ってことを隠してたんだけど俺の超頭のいいベイビーたち(生徒たち)がきづいてくれたんだ!やっぱ俺ってモテモテやな♡おっと誰か来たようだ。
「戸井せんせーい!」
声の主は、同じ数学教師の森めぐだ。
ショートヘアーがよく似合う優しい先生……なのだが、なぜか俺には厳しい。
「次の授業の準備をお願いしまーす!」
「りょーかいでーす!」
見てわかる通り俺はごく一般的な教師だ。恥ずかしい話だが家に帰ってからは毎晩晩酌もしている。
「さぁ、授業に行くとするか…。」
キーンコーンカーンコーン
「はい、じゃあ挨拶!」
「姿勢を正して、黙想。」
あいつ目開けてるな…。あ、あいつは教科書でてないな。
「やめ、お願いします!」
「「「お願いしまーす!」」」
「せんせーい!今日は何をするんですか!」
「今日は一次関数だ」
「王様でも数学やるんですかー?」
「王様だから数学をやるんだ」
教室が一瞬静まり返る。
「意味わかんないです!」
やっぱりか。
「いやー意味わかんないようじゃ無理かぁ。意味はね、分からないと。」
「出た、菊池風磨構文!」
「先生影響されすぎー!」
いやーやっぱ楽しいな授業するの。
あ、あいつノートは出してるが書いてないな。
……昨日ゲーム三時間だな。
「おい、田中」
「は、はい!?」
「昨日ゲーム三時間しただろ」
「なんでわかるんですか!?」
「生徒のことはなんでもわかるに決まっているだろう。」
「先生すげー!」
ハッハッハ!……ん?
「なんだろあれ……」
窓の外をちらっと見る。空が妙に静かだ。
……嫌な感じがする。
「先生?どうしたんですか?」
「いや、なんでもない。さあ、授業を続け――」
ドンッ!!
遠くで爆発音。
教室がざわつく。
「な、なんの音!?」
俺は窓の外を見た。
煙が上がっている。
「……なるほど」
チョークを机に置く。
「今日は……特別授業だ」
第2章 特別授業開始
「先生!今の音なんですか!?」
教室がざわつく。
俺は窓の外を見る。
校庭の向こうに煙が上がっている。
……爆発だな。
「全員落ち着け」
教室が静かになる。
「今から避難する」
「先生は!?」
「先生は仕事だ。」
俺が廊下に出た瞬間。
スピーカーが鳴る。
『戸井健司』
聞き覚えのない声。
『久しぶりだな』
……?
『今日はお前の学校を爆破する』
教室が静まり返る。
少し間を置いて教室がざわつきはじめた。
「先生!今のなんですか!?」
「怖い!」
俺は黒板を軽く叩いた。
コンッ。
「落ち着け」
教室が静まる。
「今から避難する」
「机はそのままでいい。廊下は走るな。森先生の指示を聞け」
「えっ先生はどうするんですか?」
俺は窓の外を見る。
煙が上がっている。
「先生は少し残る」
「危ないですよ!」
「安心しろ」
黒ジャージの袖をまくる。
「こういう時のために先生をやってる」
「みんな!早くこっちに来て!」
生徒たちが教室を出ていく。
廊下がざわつく。
教室が静かになる。
「さて……」
遠くの煙を見る。
「どこの誰か知らないが」
チョークを手に取る。
「俺の学校で暴れるのは感心しないな。」
廊下に出ると、すでに二人の先生がいた。
「お、戸井先生」
声をかけてきたのは社会担当の今村先生だ。
その隣には英語担当の佐伯先生。
長身の冷静な先生で、こういう状況でも落ち着いている。
「状況は?」
今村先生が聞く。
「校庭の向こうで爆発」
俺は短く答える。
佐伯先生が腕を組む。
「生徒は?」
「森先生たちが避難させてる」
「なら安心だな」
その時――
ドンッ!!
また遠くで音がした。
三人とも顔を見合わせる。
「……どうする?」
佐伯先生がニヤッと笑う。
俺はチョークを指で転がす。
「決まってる。
――職員会議だ」
「戦うって言え!」
――廊下は静かだった。
さっきまで騒がしかった学校が、嘘みたいに静まり返っている。
佐伯先生が周りを見渡す。
「爆発は校庭の向こうだったよな」
今村先生がしゃがみ込み、床を見る。
「破片が落ちてますね」
俺もしゃがんでそれを見る。
黒い金属の破片。
「……爆弾だな」
佐伯先生がため息をつく。
「学校に爆弾とか、冗談きついぞ」
その時――
カツン。
廊下の奥から足音が聞こえた。
暗い廊下の向こうから、男が歩いてくる。
制服でも、教師でもない。
黒いコートを着た男。
男は止まり、ニヤッと笑った。
「いやー、静かだねぇ。生徒はもう逃げた?」
今村先生が前に出る。
「誰だテメェ」
男は肩をすくめた。
「名乗った方がいい?
――じゃあ特別に教えてあげる」
男は笑う。
「神崎悠真」
「今日、この学校を壊しに来た人だ」
今村先生が拳を鳴らす。
「はは、わかりやすいな」
俺はチョークを取り出す。
「学校を壊すって?」
「それは先生として聞き捨てならないな」
神崎が笑う。
「三人か」
「ちょうどいい」
コートの中から小さな装置を取り出す。
ピッ。
遠くでまた爆発音。
ドンッ!!
「くそっ!」
神崎はニヤニヤしている。
「さあ先生………授業の時間だ」
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――――
廊下に緊張が走る。
誰も動かない。
その瞬間――
戦いは一瞬だった。
ドンッ!!
佐伯先生が壁に叩きつけられる。
今村先生も床に倒れる。
「……くっ」
神崎はため息をつく。
「思ったより弱いね」
俺はチョークを握る。
廊下には俺一人。
神崎が笑う。
「最後は先生一人か」
俺は肩を回す。
「いや、十分だ。教師一人いれば授業はできる。」
神崎
「面白い
――じゃあ特別授業だ……先生。」
第3章 授業開始
神崎がゆっくり歩いてくる。
廊下に靴音が響く。
カツン。
カツン。
「先生」
神崎が笑う。
「授業ってのは何を教えてくれるんだ?」
俺はチョークを構える。
「簡単だ。悪いことをしたら怒られるってことだ。」
その瞬間――
俺は床を蹴った。
神崎が避ける。
バンッ!!
俺の拳が壁に当たる。
神崎が笑う。
「へぇ。先生にしてはやるじゃん」
神崎が足を振る。
ドンッ!!
俺は腕で受ける。
床を滑る。
「……爆弾だけじゃないってわけか」
神崎が笑う。
「そりゃそうだ」
「今日は特別な日だからね」
「なんでこの学校を狙う」
神崎が少し黙る。
「……本当に知りたい?」
「答えろ」
神崎がゆっくり言う。
「昨日、コンビニに行った」
「……は?」
「おでんを買いに行ったんだ」
「最後の一個だった」
「…………」
神崎が指をさす。
「お前が買った」
沈黙。
「いや待て」
「俺はあの大根を三時間楽しみにしてた」
「知らん」
「だから決めた」
神崎がリモコンを掲げる。
「お前の学校爆破する」
「理不尽すぎるだろ」
神崎が装置を押す。
ピッ。
ドンッ!!
校庭でまた爆発。
「くそっ……!」
神崎が笑う。
「止めたきゃ俺を倒すしかないぞ、先生…できる?」
俺はチョークを構える。
「当然だ、授業中だからな。」
神崎が笑う。
「じゃあ特別授業だ」
俺はポケットからチョークを取り出す。
カチッ。
「……チョーク?」
俺は黒板を見る。
「先生の武器は色々ある」
チョークを指で弾く。
ヒュッ!!
チョークが神崎の頬をかすめる。
パキッ。
「!?痛っ!」
俺はもう一本取り出す。
「まずは板書だ」
ヒュッ!ヒュッ!
チョークが連続で飛ぶ。
「ちょ、待て待て!」
神崎が避ける。
俺は黒板に書く。
ガガガガッ!!
【特別授業】
「なに書いてんだ!」
俺は振り向く。
「今日の授業は」
チョークを構える。
「社会科見学だ」
「何の!?」
「爆弾魔の捕まえ方」
神崎が突っ込んでくる。
ドンッ!!
俺は黒板消しをつかむ。
「はい」
バンッ!!
黒板消しを叩きつける。
ブワァッ!!
白い粉が廊下に広がる。
「うわっ!?なんだこれ!」
「チョークの粉だ」
「知ってる!」
「くっっっそぅ……!」
粉の中から神崎が突っ込む。
ドンッ!!
俺は出席簿で受ける。
バシッ!!
「え?」
俺はそのまま振り下ろす。
ゴンッ!!
「いっってぇ!!」
「出席確認だ」
「それもう殴ってるだろ!」
神崎が蹴りを放つ。
ドンッ!!
俺は教卓を持ち上げる。
ガンッ!!
机に蹴りが当たる。
「机使うな!!」
「教師の基本装備だ」
俺は机を押す。
ガンッ!!
「うおっ!?」
「はぁはぁ……」
神崎が息を切らす。
「くそ……先生のくせに……」
俺はチョークを構える。
「神崎」
「……?」
俺は黒板を指さす。
そこには書かれている。
【居残り】
「は?」
「お前」
チョークを投げる。
ヒュッ!!
「居残りな」
「ッッふざけんな!!」
俺はチョークの箱を取り出す。
「おい待て」
箱を開ける。
チョークが大量。
「嫌な予感しかしない」
「補習の時間だ」
ヒュヒュヒュヒュヒュ!!
チョーク連射。
「ぎゃあああ!!」
神崎は廊下に倒れる。
「……くそ……おでん……」
ガクッ。
静寂。
俺はチョークを置く。
「授業終了っと」
第4章 授業終了
「戸井先生!」
「大丈夫ですか!」
二人が起き上がる。
「犯人は?」
俺は指さす。
神崎が倒れている。
「……倒したんですか」
「居残りだ」
「どういうこと?」
その時。
警察のサイレンが聞こえる。
パトカーが学校に入ってくる。
「犯人は!?」
「そこです」
神崎がつぶやく。
「……おでん……」
「動機それ!?」
警察が神崎を連れていく。
「動機がおでんとは……」
今村先生が俺を見る。
「戸井先生」
「本当にチョークで倒したんですか?」
俺は肩をすくめる。
「教師の基本装備だ」
佐伯先生が笑う。
「教育ってすごいですね」
その時。
パトカーの中で神崎が叫ぶ。
「くそぉぉぉ!!」
「俺のおでんんん!!」
「静かにしろ!」
俺はため息をつく。
「……授業より疲れるな」
次の日、教室に入ると生徒たちが集まって来た。
「先生すごい!」
「爆弾魔を倒したんですよね!」
「世界中でニュースになってます!」
外国の王まで現れる。
「戸井王!」
「あなたは偉大な王だ!」
民衆が叫ぶ。
「戸井王!戸井王!」
俺は腕を組む。
「まあ」
「当然だな」
その瞬間――
景色がぼやける。
世界が歪む。
景色がゆっくり消える。
「……?」
目を開ける。
見慣れた天井。
普通の部屋。
布団の中。
俺はゆっくり起き上がる。
「……夢か」
少し考える。
「……爆弾魔くらい倒してみたかったな。」
小さくため息をつく。
時計を見る。
「やば学校行かないと」
ジャージを羽織る。
玄関を出る。
いつもの朝。
俺はチョークをポケットに入れる。
「まあいい」
空を見上げる。
少し笑う。
「現実でも」
「”特別授業”だ。」
エピローグ
教室のドアを開ける。
「おはようございます!」
生徒たちの声が教室に広がる。
俺は黒板の前に立つ。
チョークを取り出す。
黒板に書く。
「特別授業」
生徒たちがざわつく。
「先生、今日は何するんですか?」
俺は少しだけ笑う。
「簡単だ」
チョークを黒板に軽く当てる。
カツン。
「人生で役に立つ授業だ」
生徒の一人が聞く。
「どんな授業ですか?」
俺は答える。
「もしもの時に――」
窓の外を見る。
青い空。
「ちゃんと立ち向かえる人になる授業だ」
教室が静かになる。
俺は振り返る。
「さて」
チョークを構える。
「授業を始めよう」
THEEND