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3ヶ月近く更新できずすみませんでした
日帝サイドの話です
わからない人はまず14話「国である限り」を読んできてください。
「気分はどうだ? 」
日帝がアメリカ、カナダへと語り掛ける。
大きな傷を負ったアメリカは肩で呼吸をしている。
カナダは相当焦った様子で答えた。
「最悪さ!!…」
「ねぇ、兄さん?傷はどれくらい痛む?」
アメリカに向き直って、カナダは慎重にアメリカの傷の1部を確認した。
「ッ……」
思わず息を飲んだ。
ざっくりと切られ、血がとめどなく溢れている傷口は戦闘用の刃物なんかできったようには見えない程真っ直ぐで、細いのに深い。それはまるで医療用のメスのよう。
間違いなく、日帝の恐ろしい技量と完璧に手入れの行き届いた日本刀によるものだ。
「……出血が多い」
アメリカも、流石の大国であるが故、痛みはヒトより強いのだ。
身体の耐久力も比ではない。
とは言え、大量の出血をしながら戦っても日帝に抗えるだけの力は……
「カナダ!」
突然アメリカが大きな声で叫んだ。
自分の少し後ろで石の動いた音がする。
居る
うしろに
日帝だ
まずい
反応出来ない
自分の斧は重い為すぐには動かせない
カナダが振り返る頃には日帝はもう刀を振り下ろしかけていた。
あ
斬られる
どうしようも無い現実に、アメリカの前で立ち尽くし背を向けたままぎゅっと目を瞑った。
ただ刀を振るわれる一瞬が、長く長く感じる。
高い樋鳴りが耳へ入ったその瞬間。
ぎゅっと目を瞑った。
刃物と刃物のぶつかる音。
……?
「父さん!」
「無事ですか?…カナダ、アメリカ。」
カナダの瞳に映ったのは紛れもない父親の姿。
ただその背中は泥や血が付いている上、酷く着崩れて見えた。
刀の先がジリッと音を立て、日帝が跳んで離れる。
「これだからイタ王は詰めが甘いと言ったというのに…」
呆れたように日帝が呟いた。
イギリスの方に視線を向けたまま、懐から無線機を取り出して話す。
「おいイタ王!こちら日帝。イギリスが私の元へ加勢しに来たのだが、これはどういう事だ?あれほどとどめを刺す様に言った筈だろう!?」
『えっ!?そんなぁ!』
イタ王の声が聞こえる。
「後二人は確実に消したんだろうな?」
『もちろんなんね♡』
「当たり前だ!この阿呆」
『ぅえ〜。』
「それで、お前は何をしてるんだ」
『道に迷った…』
「巫山戯るな!そもそも道なんて有る訳が無いだろう……そのうつけ者加減は何年経ったら治るんだ!!」
日帝の方は額に血管を浮かべるほど怒っているが、イタ王には反省が見えない。
そんな間にイギリスはカナダにアメリカの傷を縫う様指示していた。
まだ実戦経験が浅いカナダにとって、イギリスの指示程頼もしい事は無い。
そうこうしている内に無線機を怒鳴りつけていた日帝が大きな溜め息をついてイギリスへ向き直った。
「それで英国。お前は私の相手をする余裕はあるのか?」
「あら、昔はあんなに可愛かったのに随分強気になったものですね。」
「質問に応えろ」
日帝は不快感を露わにした。
イギリスは何処と無く微笑んだ顔で日帝を見ている。
「ええ。たかが 極東の小国 如きに私が敗北する訳が無いでしょう? 」
イギリスの発言が終わると同時に日帝がイギリスに斬りかかった。
〜本日の犠牲者〜
犠牲者 なし
〜残り 生存者〜
アメリカ
カナダ
ロシア?
国連
国盟
日帝
イタ王
ナチス
パラオ
⚠ イギリス
コメント
4件
イギリスかっけぇぇぇ!!!!!久しぶりの更新嬉しいぃ!!
もう通知見た瞬間に叫んでしまいましたよ、、、読んだらまたうわぁぁぁぁってなってしまいました!イギギ生きててよかったぁ、、!素晴らしい作品をありがとうございます!そしておかえりなさい!です!
おかえりなさい!相変わらずの文章力…!尊敬しかないです…!!!