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3人は、来なかった。いいや、机がなかった。まるで、最初からそこに誰もいなかったかのように。存在自体、なかったかのように。
来なかったのではない。消えた。そう、確信した。
その証拠に、先生が、
「あれ?愛美さんと悠哉君と玲志君は?」
と聞いたところ、クラスメイトは全員、誰?そんな人はいません。などと言っていた…………あれ?おかしい……存在自体が消えたなら、どうして先生は3人のことを知っている?答えは、先生が知っている。
下校時。先生に聞きに行く。もちろん、3人で。
「先生。聞きたいことがあります。」
「何ですか?」
「どうして、先生は………3人のことを、知っているのですか?」
「どうしてって…担任だからですよ。」
「先生、あの3人は、消えてしまいました。」
「ええ…まるで、最初からいなかったかのように。」
「原因は………きっと…」
「先生は、昨日、夜まで学校にいましたか?」
「ええ…いました…8時くらいまでは。」
「先生、怒られるようなことを、私達はしました。」
「それが原因?」
「はい。夜の学校に侵入しました。」
「そして、俺達3人はすぐに外に出たんです。でも、あの3人は、そのまま………」
「なるほど…分かりました。この学校の中にいた人は覚えているのですね。まだ学校の中にいるかもしれないので、探しましょう。」
「はい。」
校内捜索。隅々まで捜した。でも、いない。捜しても、捜しても、本当に…いなかった。
合流する。
「いた?」
皆、首を振る。
「そっか…」
「……気になったことがある…」
「何?」
「玄関が、オートロックで、鍵を差す場所がなかった。つまり、カードキーになっていた。」
「え??」
「機能の一部が変化している…?」
「もしかして…もしかしてだけど……3人が消えたのではなく、俺達が…別世界に来たんじゃ…?」
「どういうこと…?」
「パラレルワールドって知ってるか?」
「知らない…」
「この世界は、様々な部分で分岐している。木の枝のように。その世界は、全て、少しづつ違うんだ。」
「違う世界…」
「この世界は、あの3人がいない世界。もともといた世界は、6人一緒の世界だった。」
「つまり、あの3人が消えたんじゃない。私達が別世界に移動したってことだね。」
「そうだ。」
「原因は、やっぱり…」
「夜の…学校」
この学校には、何かがある気がする……。