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『友達以上、恋人未満』
第4話「なんか、気になる」
翌日の昼休み。
「悠真、一緒に食べよーぜ!」
クラスメイトに誘われた悠真は、いつものように笑って答えた。
「おう!」
その少し離れたところで、湊は一人で弁当を開いていた。
別に気にしているわけじゃない。
……そう思っていた。
でも、なぜか視線は何度も悠真のほうへ向いてしまう。
「湊、さっきから悠真見すぎじゃね?」
「……見てない」
「いや、見てたって」
「見てない」
「はいはい」
湊はため息をついて、弁当に目を戻した。
そのとき――
「湊!」
突然、悠真が目の前に座った。
「え?」
「こっちで食おうぜ!」
「……友達と食べてたんじゃないの?」
「ん? まあいいじゃん!」
悠真は当たり前みたいに笑う。
「……うん」
湊は少しだけ笑った。
***
放課後。
「今日、一緒に帰れる?」
「え?」
湊が聞き返す。
「いや、いつも一緒に帰ってるじゃん」
「……そうだけど」
「じゃ、決まり!」
悠真は先に教室を出ていく。
湊もその後を追った。
廊下を歩きながら、悠真がふと口を開く。
「なあ湊」
「ん?」
「俺さ、湊といるとなんか楽なんだよな」
「……そう?」
「うん。なんていうか……」
悠真は少し考える。
「他のやつといるのも楽しいけど、湊といると落ち着く」
湊は何も言えなかった。
「……俺も」
小さく返す。
「え?」
「俺も、悠真といると落ち着く」
「そっか!」
悠真は嬉しそうに笑った。
その笑顔を見て、湊も少し笑う。
二人はいつも通り並んで帰る。
だけど悠真は、歩きながらふと思った。
――なんで俺、湊が他のやつといるとちょっと気になるんだろ。
そして湊も同じことを考えていた。
――なんで俺、悠真のことばっかり考えてるんだろ。
まだ二人とも、その答えには気づいていない。
ただ――
「明日も一緒に帰ろうな!」
「……うん」
その約束だけは、二人にとって何より大切だった。
コメント
1件
悠真が湊に「落ち着く」って言ったシーン、すごくよかったです。普段は明るくて誰とでも仲良くできる悠真が、湊には特別な安心感を感じてるんだなって伝わってきました。お互いが「気になる」のに自覚してないもどかしさが、『友達以上恋人未満』のタイトル通りで胸がきゅっとなりました。続きが気になります!