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ウさぎ
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森の中はとても静かでゆったりしていた、セリア曰く森を抜けるには早くて一週間かかるらしい。あくまで早くてなので、遅くて一ヶ月もしくは帰れない人もいるらしい。帰れなくなっている理由を冒険者協会が調べたらしいが、何の成果も得られなかったと言いながらセリアは二つの果実を手にこう訊いてきた。「同じ果実でも、中身が甘いものと食べられないくらい酸化したもの君はどちらを選ぶ?」甘いものに決まってるだろうと答えてみたら、笑顔でこう返された「そうだろう。だから、帰れない原因を私たちで見つけてそれを手土産に冒険者教会の門をたたくんだ。」一瞬何を言われたのか分からなかった。少ししてその意味を理解して、驚きと否定の声を上げようとした時にはもうセリアは後ろを振り返り、薪を集めながら周囲の状況の確認をし始めていた。
仕方なく自分もそれに倣い周囲の状況を確認することにした。とりあえず植物を観察してみることにして。食べれるものなら持ち帰ろうと採取をし始めることにした。すると、ある違和感を感じて手を止める。この植物はこんな気温や環境に咲くものだっただろうか?もっと奥深くにあるはずだが、ここまで種が届くわけがないのだ。だとするなら、誰かがここに運んだ?何のために?こんな入り口に?目的はなんだ?そんなことを考えていると、横から枝を踏む音が聞こえてきたため即座にそちらに顔を向けるとそこには二本足で立っているフォレスウスがいた。確かこいつは基本的には何もしてこないはず、対処法は姿の見えていない場合は大きな音・見えている場合はゆっくりと後ろに下がるだったか……。
相手を刺激せぬようゆっくりと下がっている中、ウスの口元を見てその対処法は無意味なんだと悟った。なぜなら、奴の口元に人間の血がついていたからだ。他の動物ではないと断定できたのは、その口から人の手首が見えたからだ。それに気づいたときこみ上げてくる吐き気をこらえながら、戦って勝つしかないのだと理解して絶望した。セリアならまだしも僕が奴に勝てるのか?セリアならきっと何も脅威に感じることなく普通の顔をしながら倒してしまうんだろうが、僕にはそんなことはできない。もしできたのなら……。そう考えているといつの間にかすぐ傍にいたそいつが腕を振り上げているのが視界に入り、慌てて体を横に逸らすことで避け転がるように逃げ回る。奴が攻撃した地面が削られるたびに直面する死に怯えて、足が思うように動かない。
何度もよけ続けて気が付いたら、壁際に追い詰められていた。奴が腕を振り上げる、もっといろいろやればと後悔しながらせめてもの抵抗で腕で顔を覆うようにした。本当は……死にたくない!!!そう思いながら少しの時間がたっても何も起きないことに気づいた、目を開けると奴は灰になっている所だった。セリアが倒したのか?そう思い周りを見ても彼女の姿はなく、刀が一本そこにあるだけだった。きっと他の誰かが刺していて、倒れる寸前だったのだろうと結論付けてその場を後にした。