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(……ここは、一体)
突如目を覚ましたイギリスは、見慣れない風景に、必死に寝起きの頭でここまでの経緯を辿る。
(……だめだ。全く考えが追いつかない)
起きあがろうと床に手をつくと、人工的で硬い質量に行手を阻まれた。
その時初めて、自分は手錠を付けられているのだと気づく。
あたりを見渡すと、薄暗い石造りの部屋であるようだ。
窓らしきものは見当たらない。ゆらゆらと揺れる壁掛けの一本のランプが心許ない。
ここは地下室か。ただ、通常と異なるのは、ここには目の前に見るのも恐ろしい拷問器具の山々があることだ。
状況が全く飲み込めない。しかし、頭はガンガンと警鐘を鳴らしている。
「チッ、早くここから逃げ出さねーと」
カン、カン、カン、カン…
規則正しい靴の音が部屋の外から聞こえてくる。
(誰かが……来る!!)
重い革靴の擦れる音。兵士か、それとも——
イギリスは咄嗟に体を強ばらせた。そして、これから起こりうることへの可能性を排除するように、目をきつく瞑る。
やがて音が止まった。扉の向こうで相手が息を整えて様子を伺う気配がする。
空気が張り詰める。
ガチャリ。
重々しい扉が開いた。