「ん……こーじ?」
「しょっぴー、起きた?」
「こーじ」
俺の顔を瞳に映した瞬間に眉が下がる
(そろそろ言うてくれるやろか?)
「しょっぴー、言える?」
「…………………」
口付けを落として顔を覗き込む
「大丈夫やから。言うてみ?」
腕を回して抱きしめて、背中を撫でる
「……………っ………そのうち、見放されるんじゃないかって」
「……言われたん?誰かに」
「……………俺が、こーじが好き好き言ってくるの、あしらってるから、最近はあんまり言われなくなってるって」
「そりゃ、プライベートで言えるようになったからな、流石に俺だって落ち着くわ」
「その分、他のメンバーの方に行ってるって。だから、俺はそのうち、もっと、言われなくなるんじゃないかって。それで……」
「なんなんそれ。めちゃ失礼やん、そいつ」
「ん………俺も頭ではわかってる。そんなのを真に受けることないって。そもそも付き合ってなくても、こーじはそんなやつじゃないし、ちゃんと俺のこと好きで大事にしてくれてるって」
「おん」
「でもなんか、言われた後にメンバーのみんなと仲良くしてるの見てたら、不安になって」
「ん、そうか。そういう時もあるよな」
「ごめん」
「なんで謝るの?」
「こーじのこと、信じてないみたいで」
「そんな風に思わへんよ。不安になる時くらい誰だってあるもん」
「こ〜じぃ〜」
頭を撫でればボロボロと涙が溢れ出る
「よしよし。悲しかったんやな」
「う〜〜」
「ほらもう、泣かへんの。可愛いおめめが溶けて無くなってまうで?」
「やだぁ〜〜」
「ぎゅってしたるから」
「ん〜〜」
回していた両腕に力を入れれば、幼子のようにしがみついてくる
「ちゅーもするか?」
「ん、する」
抱き締めて啄むようなキスを繰り返しながら、しょっぴーの今日の情緒不安定の理由がわかって、胸を撫で下ろす
(結構、自信ないもんなぁ)
不安になって、でも不安になること自体を申し訳なく思って、自分の中だけで気持ちを満たして無かったことにしようと思った解決策が、今日のお仕置きだったのだろう
ちょっと思考回路がズレているのが、おもろくて可愛いし、あんまりお仕置きにはなってなかったけど
そしたら俺から思わぬ反撃を喰らって、混乱というか、びっくりして、蓋をしようとしていた不安が溢れ出たのだろう
おふざけで返して気持ちが晴れてくれればくらいに思ってたけど、結果的にしょっぴーの不安が知れてよかった
しょっぴーが恥ずかしがるから、外でいちゃつきに行くのは、付き合ってからは控えてたけど、外野の声に不安になるくらいなら、それもしばらくはやめよう
多少しょっぴーに怒られようが、それで安心してくれるなら、なんてことない
落ち着いたしょっぴーは、俺にしなだれかかって、頭を撫でられる気持ちよさに浸っている
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💙💙💙良かったねぇ💙💙💙
