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その日はまるっきり雨だった
憂鬱になり空に文句を言っても
聞く耳を持たなく、容赦なくザーザーと音を立て、降り続いている。
まひと「あー、雨なんて無くなれば良いのになあ〜」
そうま「そう?俺は結構好すきだけどな」
と、誰がなんといおうとイケメンな男そうま。流石イケメン、清々しい顔をしていてムカついたので無意識に顔をしかめる
ばぁう「でもさ、こんな大雨だと流石に鬱陶しいよな」
しゆん「それな、てか寒いし腹減った誰か一緒にコンビニ行かね?」
自由気ままな二人が気だるそうに言う。
ばぁうはマイペースで今にでも問題を起こしそう
しゆんは基本自由人でとても美人。
結んだ長い髪をゆらゆらと揺らしながら缶ジュースを飲んでいる。
そうま「じゃ俺行くわ」
ばぁう「えー、じゃあ俺も」
ここは話に乗って「僕も行く」と言うのが筋だが、今日は父さんと母さんの墓参りに行く日。
母さんは昔から体が弱く、僕を産んで羊水塞栓症で亡くなってしまって、
父さんは、母が亡くなったショックで、自殺してしまった。
今は、親戚の家で暮らしている。
数分歩き続け、
少し雨が止んだだろうと、思ったが
やはり、また降り出した
(ふーっ、寒っ時間あるし、自販機でなんか暖かいジュースでも買お、)
まだ時間があまっていたので、自販機で何か飲みものを買うことにした。
財布の中を漁る
「あっ、」
100円玉がチャリンチャリンと音を立て、転がってゆく、
「もぉー、今日はホントについてないよ」
しばらく探っていたら、
小銭らしき、銀色に輝く物体が転がっていた
きっとあれだと確信する。
「あれ、これ、小銭じゃなくてネジ…?」
転がっていたのは、小銭ではなく機械部品だった。
また、どこだどこだと探すが、流石にもう見つからないので、新しい小銭で買おうとした瞬間、
見覚えのない路地裏があった。
「えぇ、そう遠くへは行ってないよなあ 」
だが、回りを見渡すと、何百回も通り覚えのある市街地だ
僕は、好奇心に負け、路地裏に通ってみることにした。
しばらく歩いていたら、人のようなものが倒れていた。
「なんだろ…マネキン…、かな」
そう近づく。
「ひっ….、」
思わず、腰が抜ける。
自分と同い年くらいの少年が倒れていた。
なんだか見覚えのあるような、ないような
「よし……、」
このまま放っておく訳にもいかないので
抱っこをして、家まで送る。
___触れる体温は冷たく、少しも動かず、人形のようだった。
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