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私の名前は、M.I.L.O.Y.A.R.E。
今日からよろしくね!
「…………」
俺の目の前にいる少女はそう言って満面の笑みを浮かべているのだが、俺は全く理解できないでいた。
そもそもなぜこんな状況になっているのかと言うと―――
***
俺はいつも通り大学の講義を受け終わった後、家に帰ろうとしていたのだけれど突然雨が降りだしたので近くのコンビニに避難した。傘を持っていないしこの程度の雨量だったら濡れて帰るかな……と思っていたのだが、そこで俺に声をかけてきた奴がいた。そいつは黒いパーカーを着てフードを深く被っていて顔はよく見えなかったが体格からして男性だという事は分かった。
「君、大丈夫?」
「えっと……」
「あぁごめんね、僕は怪しい人じゃないよ」
そう言って男性はフードを脱いだ。中からは茶髪の男性の顔が出てきた。年齢は20代後半ぐらいだろうか?
「実は僕、こういう者でさ」
と言って差し出された名刺を見るとそこには『探偵事務所 所長 佐藤和真』と書かれている。
「あの、なんですかこれ?」
「あれ? 知らない? 最近結構テレビとかに出てるんだけど」
最近見たような覚えはないけど、どこかで聞いたことある名前ではあった。「えーっと、それじゃあ、さっきの続きから……」
「はい!」
先生の声に合わせて、また授業が始まる。
ノートを開きながら、ふと思い出したその名前について考えてみる。
『エナ』
そういえばそんな名前の子が居た気がしないでもない。
だけど顔とか全然思い出せなかった。
あの子はどんな子だったんだろう? 少なくとも僕にとっては初対面だし、向こうにとってもそうなはずなのに……。
どうしてこんなにも、懐かしい