「とある一家の御茶会議」
「…ん?」
僕が目を覚ましたのは病院のベッドの上。
看護師があちらこちらと動いている。
「なんで…ここに…?」
頬を 汗が伝った。気分が良いとはとても言えないな。
「あ」
アプリコットティーが心配してくれるようだ。
「大丈夫だよ、もう誰も彼も傷つけたりだなんてしないから」
僕は角砂糖三つを紅茶に入れてくるくる廻した。
…僕は安心した。今日も世界は廻っていると。
「俺─」
『ケーキも大好き、君も大好きです! 』
アプリコットティーはそう言って銀のさじでソーサーを叩いた。
すると古代魚と海の底の遺跡へタイムスリップした。
「…!凄い、凄いね!」
僕は目を丸くした。
「…ねえ、アプリコットティー。」
「なんですか?」
「僕のこと…嫌いになった?」
「…」
僕はそういうと、アプリコットティーは僕の頭を撫でた。
『とある一家の御茶会議』
次回⇨レモンキャンディー