テラーノベル
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ゼーリエとの激闘を終えた夜、リムルはフリーレンのどこか寂しげな横顔を見て、一つの提案をした。
「……フリーレン。あんたが『魂の眠る地(オレオール)』を目指しているのは知ってる。でも、そこまで行かなくても、今の俺とゼーリエなら、少しの間だけ彼を呼べるかもしれないぞ」
「……えっ?」
フリーレンの瞳が、かつてないほど大きく揺れた。
「ふん、不遜なことを言う。だが……」
ゼーリエが古い魔導書を開き、冷たく、でもどこか期待を込めた目でリムルを見る。
「私の持つ『死者との対話』の術式に、お前の『魂を繋ぎ止める権能』を上乗せすれば、不可能ではないかもしれん」
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月明かりが差し込む静かな広場で、儀式が始まった。
ゼーリエが黄金の魔法陣を展開し、過去の記憶からヒンメルの魂の波長を呼び起こす。
「ラファエルさん、頼む!」
『了解。究極能力(アルティメットスキル)――**『魂の回生』および『反魂の儀』**を並列起動します』
リムルの体から溢れ出す、温かくも強大な蒼い光。それがゼーリエの魔法と混ざり合い、空中に一人の男のシルエットを形作っていく。
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光の中から現れたのは、あの頃と変わらない、青い瞳をした美しい勇者――ヒンメルだった。
「……やぁ、フリーレン。久しぶりだね。相変わらず、少し抜けた顔をしている」
「……ヒンメル」
フリーレンの目から、一筋の涙がこぼれ落ちる。彼女は震える足で一歩ずつ、幻ではない「本物」の彼に歩み寄った。
「……信じられない。私、君に伝えたいことがたくさんあったんだ」
「分かっているよ。僕は君の旅をずっと見ていたからね。フェルンもシュタルクも、良い仲間を持ったじゃないか」
ヒンメルは優しく笑い、フリーレンの頭をそっと撫でた。
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ヒンメルは、光を維持し続けているリムルに視線を向けた。
「君が、彼女の新しい友人かい? ……ありがとう、スライムの君。君のおかげで、最後に言いたかった言葉を伝えられる」
「……礼には及ばないよ。あんたがあんまりイケメンなもんだから、少し手伝いたくなっただけだ」
リムルが鼻をこすって照れ隠しをする。
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夜明けの光が差し込み、ヒンメルの体が薄くなっていく。
「フリーレン。君との旅は、僕の人生で一番の宝物だった。……さあ、顔を上げて。君の旅は、まだ始まったばかりだ」
「……うん。またね、ヒンメル」
ヒンメルが完全に光に溶けて消えた後、そこには清々しい表情のフリーレンと、少し疲れた様子のリムル、そして「ふん、魔法の無駄遣いだ」と毒づきながらも満足げなゼーリエが残された。
「……リムル。私、やっぱり旅を続けるよ。君も、一緒に来てくれる?」
「ああ。あんたたちがどんな魔法を見つけるのか、最後まで特等席で見せてもらうよ!」
こうして、伝説の勇者との再会を果たした一行は、さらなる魔法の深淵と、新しい絆を求めて歩き出すのだった。
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