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ヒンメルの魂との対話を終えた後、ゼーリエは満足げに鼻を鳴らし、リムルを指差した。
「リムル。お前、さっきから『俺の国』と言っていたな。……そこに案内しろ。お前の持つその『理外の術式』、もっと近くで拝ませてもらうぞ」
「え、ゼーリエ様!? 協会はどうするんですか!」
驚愕するフェルンを余所に、ゼーリエはもう行く気満々だ。
「……面白そうだね。私も美味しいお菓子があるなら行こうかな」
フリーレンまで便乗し、結局、一行はリムルの『空間移動』で一瞬にして魔国連邦(テンペスト)へと降り立った。
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テンペストの街並みを見た瞬間、ゼーリエの黄金の瞳が激しく輝いた。
「な……なんだ、この街は! 建物の一つ一つに高度な結界と魔力回路が組み込まれている……。それに、あそこで道路を直しているハイ・オーク! 魔法を使わずに土の性質を書き換えたか!?」
「あぁ、あれはスキルだな。魔法とはちょっと違うんだ」
リムルが解説するが、ゼーリエはもう止まらない。
「素晴らしい……! 魔法の歴史が数千年停滞している間に、別の場所ではこんな革命が起きていたとは! リムル、あいつらを私の弟子に……いや、私があいつらの弟子になってもいい!」
「師匠、落ち着いて……。威厳が台無しだよ」
フリーレンがのんびりと団子を頬張りながら、呆れ顔で師匠を眺める。
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そこへ、警備責任者のベニマルがやってくる。
「リムル様、お帰りなさいませ。……そちらの小さなお客様は?」
「あ、ベニマル。こちらはゼーリエ。この世界で一番偉い魔法使いだ」
ゼーリエはベニマルを見るなり、杖を構えそうになった。
「……ほう。この赤髪の男、放っている魔力が異常だ。魔法ではないが、炎の根源そのものを手懐けているな。……おい、お前! 私と手合わせしろ! その力の仕組みを教えろ!」
「はぁ……? リムル様、この方は一体……」
流石のベニマルも、初対面で「戦え」と言い出すゼーリエの熱量に引き気味だ。
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結局、ゼーリエはテンペストの「魔導研究所」に居座ることに。
ガビルやバスターと一緒になって、「魔法とスキルの融合」について夜通し叫びながら議論している。
「リムル……。私の師匠、あんなに楽しそうなの、神話の時代以来だよ」
フリーレンが、リムルの隣で膝を抱えて呟く。
「……まぁ、あそこまで喜んでくれるなら案内した甲斐があったかな。でも、あの調子だと、この街の技術が全部ゼーリエに解析されちゃいそうだな」
「それはそれで面白いんじゃない? 新しい魔法が増えそうだし」
魔王の国にやってきた、最強の魔法オタク・ゼーリエ。
彼女がもたらす魔法の知識と、リムルの国の技術が合わさり、世界はさらにとんでもない方向へ進化し始めるのだった。