イノギフ

まるでおもちゃみたいに人が死んで行く。

人生のドン底に立たされたコマ達は子供の遊びで命を落とす。

しかし、私が出会った人は違った。

正義感があり、優しく、人々を救おうとする。

＿＿『前回の優勝者』。

そう、このデスゲームには前回があるのだ。

そして、目の前にいる男、ソン・ギフンは命懸けの昔遊びを全て生き抜いた事があるという。

「次にチーム内で殺し合う場合は…」

「……」

今日も、人々を生存させるための作戦会議だ。

(人々が死ぬからこそゲームだ。)

(生き延びたら、借金をしてる人は得しないだろう…？)

(どうせ人は死んで行く。意味はないだろう。)

ここで何か言ったって、丸め込まれるだけだろう。ベッドが並ぶ会場に、ギフンさんの声が響く。

意味のない作戦会議に、なにをみんな了承して、納得するのだろう。 どうせ人は死ぬ。

ここに来ても、外にいても地獄。そして死ぬ。いくら若かろうと、生き延びようともがいても。

時は夜。この前みたいに、私の嘘を語れる人などいない。

そう、私は借金をしていなければ、妻もいない。

みんなみたいに怯える必要も無いし、死なない。

「…」

あちこちから寝息が聞こえる。私はギフンさんの顔をじっと見つめている。

(どれだけ正義感があっても、人は死んでいくんですよ。……)

そして、そっとギフンさんに手を伸ばす。

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初めましてー！おとです！初めてBLを書いてみました！イノギフです！すぐ完結させる予定です！よろしくお願いします！