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ゴトン。

馬車が止まる。

馬車から降りると、視界に、大きな建物が入ってきた。ここは、娼館。

「はぁ。」

まさか、自分がここで働くようになるとは。

娼館の中に入ると、美しい30代くらいの女性が出迎えてくれた。彼女はここのオーナーで、ソロアというそうだ。ソロアは、仕事について教えてくれ、避妊魔法もかけてくれた。早速お客が来ているらしい。

ソロアは、ある部屋に案内してくれると、

「気をつけるんだよ。」

といって去っていった。

私は、ドキドキしながら、ドアをあけた。

部屋は、大きいベットとシャワー室があるだけで、意外と質素だった。

「…え!?」

ベットには、男が座っていた。そこまでは問題ないのだが…

「レオナルド小公爵閣下!?」

漆黒の髪にアメジスト色の瞳をして、高価そうな服をきた美しいその男は、同じく王国三大貴族のマーシャル家長男、レオナルド・マーシャル・ハリクスといい、私の幼なじみだ。とある理由で、今はレオナルド小公爵閣下と呼んでいるが、昔は愛称で呼んでいたものだ。

だが、何が気に入らないのか、不機嫌そうな顔をしながら、

「遅かったな」

といってそっぽを向いてしまった。

「申し訳ございません」

と謝ると、閣下は、

「来い」

と手招きをした。

言われるがまま、おずおずと隣に座る。

「…」

「…」

(気まずい…)

そう思い、

「あの、閣下…」

「レオ」

言葉が遮られる。

「え?」

「俺のことはレオとよべ。」

「で、ですが…」

「敬語もやめろ。」

またもや言葉が遮られる。

どうしてそんなに親しくしようとするのか。

疑問に思いながらも、ずっと聞きたかったことを聞く。

「か…レオはどうしてこんな所にいるの?」

そう聞くと、レオは、不思議そうな顔をして、

「お前を抱くために決まっているじゃないか」

と、さも当たり前のように言った。

婚約破棄された公爵令嬢は、幼なじみの氷狼公爵に溺愛される

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