〈リマン駅、到着です。〉
リマン駅に到着した瞬間、
車内はひんやりと、寒いくらいに冷え渡って行く
〈こちらの駅は、とても寒い駅となっております。〉
〈ですが、とても魅力的で楽しく、貴方達の旅路を彩ってくれる駅になるでしょう。〉
〈__そして、こちらの駅…リマン駅が、列車の旅の終点となります。〉
〈引き続き、汽笛が聞こえたら帰ってきて下さいね。〉
〈それでは!行ってらっしゃ〜い!〉
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
rd「さっむ〜…」
列車から出ると、途端に寒さが襲いかかる。
早くも薄く紅色に染まってしまった手に、
ほうっ、と優しく息を吹きかけて、
ぽふっ、とマフラーに顔をうずめる。
kyo「にしても、この駅は人が多いんやな…」
ru「キツ……」
co「がんばレウ〜……」
なーんて話しながら、
駅構内に入る。
中は小さな街のような造りになっており、
警察署や病院、市役所や飲食店__
そしてなぜか室内なのにも関わらず、
海や山も存在していた。
そして、そこには色々と個性的な人々が居た。
「あ?見ねぇ顔だなぁ〜、新入りか?」
「いや、お前、マヨイビトだな!!俺は分かるぜ!!」
rd「あー、どーも。」
目の前に立ちはだかってきたのは、
背が高く、派手な南国風の服を着ていて、
顔にはサングラスを模したお面をつけた男だった。
「折角だし、この駅について教えてやろう!」
「ここはリマン駅、行き場のない人々が辿り着く場所さ!!」
rd「…行き場のない人々って?」
「アァ?どうやってここから出るかァ??」
rd「いや違っ…w」
「ここから出るには“起きること”、これをしなくちゃだぜ!!」
「__あぁ、あと1ヶ月くらい、この駅は混んでるぜ!!起きれないからな!!」
md「オキレナイッテナニ?」
「あァ?んなこたァ俺も知らねぇぜ。」
md「エェ……」
「あぁ、お前こんな所に居たんだな。」
「アァ?あぁ、―――――さんじゃないすか」
「お前…呼び方他にねぇのかよ…ww」
そう言って南国服の男と話している男は、
水色のメイド服のような物を着ており、
南国服の男とはまた違い、
黒いサングラスを模したお面を付けている。
「ウチのヤツが迷惑かけたな、すまない。」
rd「あー…いや、全然。むしろ色々教えて貰ったくらいですよ。」
「ならいいか、100点だ。」
ピピッ
「…あぁ、丁度事件通知が入ってしまった。」
ru「事件通知…??」
「あ?俺ら、警察だぜ?」
「人呼んで南国刑事だ!!」
「おい、ーーーー、早く行くぞ、ダウン者が出る前に片付けよう。」
「了解っす〜、んじゃ、またな!!」
そう言って自称南国刑事と
メイド服刑事は走り去っていった。
そして、物陰から、入れ違うように違う人が出てくる。
「どーも。」
rd「…どーも。」
その人は、どこか只者ならない空気を纏っていて、
どことなく圧を感じる、平坦な声色をしていた。
髪は長めだが、男のようで、背は俺と同じくらいだ。
そして、顔には、黒にピンクの顔の模様が入ったお面を着けていた。
服には“POLICE”という文字が刻まれている。
おそらく、この人も警察なのだろう。
だが、警察のような見た目とは裏腹に、
肩には可愛らしいピンク色のうさぎが乗っていた。
「あー、この子可愛いでしょ〜」
ru「可愛い…です……」
「…この子はねぇ、俺は死ぬまで…いや、死んでも着けているつもり〜。」
そう言いながら、
その人は優しい手付きでうさぎを撫でる。
すると、駅の向かい側から、
同じくうさぎを肩に乗せた集団が、
松葉杖をつきながらゆったりと歩いてくる。
「あ、やべっ…w」
「ね、俺がここに居たこと、あの人達には秘密ね?」
rd「え?あー、分かりました。」
「よーし、いい子にはホットドッグあげちゃ〜う!w」
「じゃあ、またなぁ〜」
そう言ってホットドッグを俺に手渡し、
その人は、屈託のない笑顔で走り去っていった。
すると、先程のうさぎを肩に乗せた集団がこちらに来て、話しかけてきた
「コンニチハ。」
「こんにちは!」
「こんちわ〜〜」
メカメカしい口調の人は、
口調と同様に、メカメカしい仮面を被っていた。
明るい口調の人は、
可愛らしい兎の仮面を着けていた。
どこか面白い口調の人は、
ネオンのようなディテールの線で、
サングラスと髭を象った、
特徴的な仮面を着けていた。
そしてなにより、とても特徴的な髪色をしていた。
「モシ宜シケレバ、オ話ヲオ聞キシタイノデスガ__」
「あのさ、さっき誰かと話してた??」
「チョッ、会長……」
rd「ぇ?あー、いや…南国刑事さんとメイド服着た人と、喋りました。」
「…特殊刑事課ノ方々デスカ…少々避ケタイデスネ…今指名手配中デスシ…」
kyo「え”っ」
co「指名手配ぃ…!?ww」
「……ワスレテクダサイ。」
「あはは…」
そして、2人は俺の手に視線を移す。
「!……ホットドッグ、、デスカ。」
「しかも、マスタードだけのヤツ。」
「…先生の__いや、なんでもないです。」
少し複雑な感じになってしまった空気を入れ替えるように、
特徴的な仮面を着けた、赤と黄色の髪色の男が話し始める。
「あ、てかさ!」
「折角だし、俺らで駅の中案内しようぜ?」
「良いですね、そうしますか!」
「デハ、コチラデス、着イテキテクダサイ。」
rd「あ、はーい、ありがとうございまーす」
そこから、俺達は色々な建物を巡った。
釣り場や牧場、
カジノやホスト、
更には海上レストランや、
コンセプトカフェまで巡った。
そしてほとんどの施設を巡り尽くすと、
ぼわぁぁっ、と汽笛が鳴り響く。
「…今日は突然話しかけちゃってごめんなさい。また、会える日まで!」
「絶対また会おうな〜!?w」
「マタ、オ会イシマショウネ。…コレ、持ッテイテ下サイ。」
そう言って取り出したのは、
3人と警察の人が乗せている、
ピンク色のうさぎだった。
rd「…これ、俺が貰っていい物なんですか?」
「貴方ニ持ッテイテ欲シイノデス。」
「そうですよ、貴方だから良いんです。」
「そんじゃ……」
赤と黄色の髪色をしている人はくるりと向きを変えて、
俺らに背を向けた。
そしてピンッと人差し指を空に向かって立てて、
そこから人差し指に中指を交差させる。
そして、弧を描くように、
でも真っ直ぐ、腕を振り上げる。
「I’ll keep my fingers!!」
__プシュウ…
〈最後の駅はどうでしたか?〉
pn「なんかホストにならないかって勧誘された…」
gt「俺勧誘されてないんだが…???」
rd「やっぱ人を選んでんだろ」
gt「なにその言い方、まるで俺が選ばれん感じの人みたいな…」
pn「ぐちーつは単純に背が高いから話しかけづらいんでしょ…w」
gt「まぁ…それはそうだけどな!?」
rd「ところで車掌さん、」
rd「この駅が終点なら、次どこ行くん?」
〈__貴方達には、2つの選択肢があります。〉
少し間を置き、車掌さんは話し始める。
〈1つ目は、今まで巡ってきた駅に残ること。〉
〈2つ目は、“切符”を手に入れて、戻るべき場所へと進むこと。〉
〈貴方達は、どちらか選択しなくてはなりません。〉
gt「そりゃもちろん2つ目だろ。」
〈では……私や駅の住人の正体を見破り、切符を手に入れれたとして、〉
〈“大人”にならなくてはいけない、と言われても、同じことが言えますか?〉
pn「大…人、?」
〈あるとき、あるいは出来事を境に“大人”になる人もいれば、〉
〈徐々に“大人”になっていく人も色々いると思います。〉
〈ですがきっと、生きていればみんな“大人”の境界線を越えることになります。〉
〈超えたくなくても、いつか越えなければいけなくなるんです。〉
〈…その決断をする時が、今なんですよ。〉
各々心当たりがあるのか、
列車内は静まり返る。
〈もちろん、心の整理には時間が掛かると思います。ゆっくりと、進んでみてください。〉
〈__まずは、私の正体を見抜くことから始めてみてはいかがでしょうか。〉
コメント
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音鳴…かっこよ…決め台詞って意外と栄養になる…(? どんな結末になるかが楽しみすぎる…
車掌の正体が1番わからん メイド服ーキャップ 南国服ーつぼ浦 ホットドッグをくれた人)レダー ロボ声ーケイン