テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「今日ね。お母さんが泣いてたの。」
――そっか。どうして?
「お母さんの背中をどれだけ抱き締めてもなにも言ってくれなかった。」
――うん。みてたよ。
「なんでなんだろうね。お父さんはどうしてどっか行っちゃったのかな。」
――本当にね。
「なんとか言ったらどうなの?ねぇ。
――お父さん。」
――ごめん。
父親の仏壇の前でいつもいってきますと言う。そうすればいつか帰ってくるって思えるから。
「お父さん。いってきます。」
――うん。いってらっしゃい。
今日もお父さんの声はしなかった。
コメント
1件
なんだこれ……めっちゃ胸にきたわ。 「お父さんっていってきます」の習慣、グッと来た。帰ってくるって信じ続けるって、すごく強いし、それでいて切ない。 お母さんが泣いてた理由を子供が理解しようとしてる描写も、リアルで心がぎゅっとなった。 1話なのにこの空気感、すごいよとーとさん。続きも読ませてください。