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〚Part 2 おはよう、〛




少し前までクラピカの目覚ましといえばスマホのアラームか、組からの要件電話か・・・悪夢でうなされて飛び起きるかのいずれかだった


”にゃ~ん、にゃ~ん”


それが今はおなかを空かせた猫の朝ごはん要求の鳴き声でようやく目を覚ます


「あさ、か」


今日は雨が降っているせいかずいぶん身体が重い感じがする


”わかったって、俺はクラピカの様子見てくるからおふくろにもらってくれ”


階下からレオリオの声がして階段を上がってくる足音が聞こえてきた


「お、やっと起きたか?珍しくぐっすり寝てたな」


時計を見るとクラピカは自分でも想定より寝ていたことに驚いた


「あぁ・・・」


寝起きのクラピカの様子を観察しただけでレオリオは今日はあまり調子が良くなさそうだなと直感し、毎朝のメディカルチェックを行うために体温計と聴診器などを机備え付けの引き出しから取り出した


「クラピカ、熱あるか?」


体温計を挟ませている間にレオリオはクラピカの額に手を置いて直接体温を確認する


「すこし、身体がだるいかんじがする」


聴診器で心音を聴いた後、瞳の検査をするためにライトを取り出して目の状態を見ていく


「少し熱があるな。クラピカ、念のために俺の能力でも身体を確認させてくれ」


レオリオは目を閉じてクラピカの胸部に手を当てると身体の内部、特に念の刃が刺さっている心臓を中心に診ていった


「特に異変はないな。一応俺のオーラ入れておくか?」


B.W号でオーラを生命維持の極限まで使い果たしてしまったクラピカは緊急的にレオリオから生命エネルギーをもらい命を繋いだ経験があった、そのため自らのオーラだけではなく定期的にレオリオのエネルギーを直接もらうことで不安定な体調を安定させている


「レオリオ、頼む」


オーラを直接的に注入する方法、つまり口付けを交わしてレオリオのオーラをわけてもらう


元々の相性がいいのかレオリオのオーラは誰よりもクラピカにとって安心するものだった、だからこそ一時期は頼ってしまわないように一切の連絡を無視して距離を置いていた


(クラピカ、頼むから生きてくれ!)


あの時も命の灯が消えかかっていた自分にレオリオは必死に声をかけてオーラを注入してくれていたことを今でも鮮明に覚えている


「とりあえず今日はゆっくり寝てろよ。ちょっとチードルには報告入れるわ」


レオリオに優しく撫でられるとポスンっとベッドに新しい重みを感じた、猫だ


「クラピカは具合よくないからな、下で遊んでてくれ」


クラピカの側で丸まろうとした猫をレオリオは抱き上げてベッドから降ろそうとした、がクラピカはなぜか心細くてレオリオの部屋着の裾をギュッと掴んでみる


「ネコ・・・」


レオリオは少し間をおいたあとに「ほら、ご指名だぞ」と優しく腕の中の猫を再びベッドに降ろしてくれた。猫はクラピカの顔のすぐ横を行ったり来たりすると頭の横に居場所を落ち着けた


「ちゃんとクラピカを寝かしつけるんだぞ、ちゃんと出来たらおやつあげるからな」


レオリオはチードルに連絡を入れるためだろう、スマホを手に取って階下へと降りて行った


”にゃぉ”


猫はクラピカの頬に鼻先をくっつけて喉をならしている、その喉を指先で優しくくすぐってやる。センリツからのメールに猫の喉音にはヒーリング効果があるからしっかり癒されるといいと書いてあったがたしかにその通りだ


「君の拾い主は私にはもったいないくらいの男なのだよ・・・」


医師になるための勉強だって忙しいのだから、自分のことなんてあのまま病院に入れておけばよかったのに”コイツは元々が森育ちだから自然豊かな環境とかのほうが療養になる”なんて言ってわざわざ手厚く面倒を見る


「こんなにしてもらっても、オレは何も返すことなどできないというのに」


猫がもぞもぞと動くと布団の中に入りたそうに顔を突っ込んでいたので、入り口を少しめくってやると中に入ってきてそのまま猫は眠ってしまった。その喉音を聞きながらクラピカも目を閉じた



レオリオは問題集を解きながら時々横で猫と眠るクラピカの様子をみてやる、熱にうなされる様子はなくスヤスヤと猫と眠っている


スマホが通知を知らせたので確認すると階下の母親からリンゴを煮詰めたのでクラピカの食欲がありそうな時に食べさせるようにとメッセージが入っていた


「急に天気が崩れたからな、身体がびっくりしたか?」


猫を保護したときも雨が降りそうな空が暗い色をした朝だった、夜勤明けのアルバイト帰りに歩いていたら道路の端に見慣れないものが落ちていた。近づいてみると1匹の子猫が怪我をしてうずくまっていたので着ていたパーカーに包んでやると急いで家に戻り、まだ眠っていた母親を叩き起こして清潔なタオルを用意してもらい、救急のある動物病院へ連れて行った


弱っていた子猫にミルクやふやかしたフードを手ずから与えて懸命に面倒を見た。母親が以前に猫を飼っていた経験があったおかげでアドバイスを貰えたこともあり数日もすると子猫はレオリオの後ろをついて回るくらい元気になった


猫が意外にもクラピカに初対面から懐いてくれたおかげで、実家に来てからのクラピカはハンター試験で見たような純粋な笑顔の表情になることが増えていった。4次試験でサルを従わせた時も「猿山のボスか!」とクラピカがプンプンするくらいサルと親しくなっていたので動物は好きなのだろう


友人を病で亡くしているレオリオにとってクラピカは絶対に二度と失いたくない友人で愛おしい大切な存在だ


そのためにもしっかり勉学に励もうとレオリオは自分の頬を軽く叩くと再び問題集に向き合った



どれほど時間がたっただろうか、ベッドでゴソゴソと物音がしたと思ったらクラピカが身を起こした


「起きたか、クラピカ」


レオリオは問題集を閉じるとクラピカの検温をする、朝とは違い平熱に近い体温に戻っていた


「おなかがすいたな・・・」


「クラピカ、ちょっと待っててくれ」


レオリオはリビングに降りると母親の煮てくれたリンゴとホットミルクを用意することにした


「あいつもミルク欲しがるだろうな」


猫用の小さいミルク皿にも冷蔵庫から取り出したミルクを注いで、クラピカ用のミルクを温めた後にすべてをお盆に載せて自室へと戻る


「おふくろがリンゴ煮てくれたから食べれそうか?ホットミルクも持ってきたぞ」


「ああ、いただこう」


ハチミツとシナモンで味付けした煮リンゴはクラピカの舌にとても合う


「クルタの村にも似た料理があった、とても懐かしい味がするのだよ・・・おいしい」



ミルクの匂いを嗅ぎつけたのか猫がベッドから降りたので部屋の飲み水置き場の横にミルク皿をおいてやると嬉しそうにペロペロ飲んでいる


「クラピカ、お前もホットミルク飲むか?」


マグカップを手渡してやると森育ちには舌馴染みがいいらしくこちらも嬉しそうに飲んでいる


”にゃぉっ”


ミルクを飲み終えた猫がレオリオの膝の上に乗ってきて甘えるように顔を擦り付けてきた


「ハイハイ、お前ったらクラピカにばっか甘えるじゃねーか」


ついでにお前の健康もチェックしてやろうか?なんて言いながらレオリオは獣医師ごっこをして猫とじゃれ合っている


「ふふっ」


なんとも穏やかな光景にクラピカは優しく微笑んだ


雨も収まってきた昼下がり、レオリオはベッドに寝転んだままうたた寝をしてしまい、猫はその横で丸くなった


「いつもありがとう、レオリオ」


クラピカはそっと頬にキスをすると、食器を洗うべきリビングへと降りて行った



(税金対策に寄付をどこかにしようと思っていたところだったが、信頼

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