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僕はいつも2人でダンス練をしているあの公園へ走って行った。

あいつ、12月なのに薄着でレッスン室を飛び出したから今頃、寒さで泣いてるんじゃないかって思った。

あいつは悔しくて泣いたりとか寂しくて泣いたりとかする時、僕の家と圭人の家の間にあるあの公園に行く。

まだデビューするちょっと前に、お父さんの健一さんが圭人にこう言ったらしい。


健一「もうすぐデビューか。1つ、言っておくがお前はこれからずっと俺と比べられる。いい所まで行っても、”父親の健一より劣っている”と言われたりするだろう。優しさも大事だが、それに屈したりせず、頑張る強さも大事だ。だから、いつまでも2番手にならないように頑張りなさい」


俺が公園で1人サッカーをしてたら、泣きながら公園に入ってきたんだもん。覚えてる。


「2番手じゃなくて1番になりたい」って言いながら泣いてた。


それにしても、あの先生も言い過ぎだ。

「その状態じゃいつまでも2番手のまんまだって言われるぞ!」ってあながち間違いではないけど中学生に対してそれは酷い言い方な気がする。


涼介「やっぱりここに居た」

圭人「山ちゃん……グスッ……悔しいぃ……(泣)」

涼介「んな事は分かってるわ!それと薄着で外に出るんじゃないよ!ほら、これ!」

ジャンバーを着せる

圭人「山ちゃん……ありがとう……」

涼介「そんなとこでうずくまってたらまた言われんぞ。2番手は嫌なんだろ?」

圭人「うん……分かってるけど……俺、2番手で止まりそうで怖い……(泣)」

涼介「ぶふっ(笑)」

圭人「笑い事じゃないよ〜(泣)」

涼介「大丈夫だよ!圭人は絶対、1番になれる」

圭人「ほんとに……?」

涼介「じゃあ、すげー約束しようぜ!」

圭人「どんな?」

涼介「もし、悩み事や不安な事があれば、ここに来て、その事を話そ!嬉しかった事も悲しかった事もここで共有しよう!ま、覚えてたらだけど」

圭人「じゃあ、約束!」

涼介「おう!」


2人「ゆびきりげんまん嘘ついたら針千本飲ます指切った!」


ブーッブーッ

涼介「あ、薮くんからだ!もしもし!」

宏太「圭人見つかった?」

涼介「うん!見つかったよ!今から一緒に戻ろうと思う!」

宏太「お願い!急いで戻ってきて!5人のバース検査が来たみたい!」

涼介「分かった!」


レッスン室に戻ってきて……


圭人「急に出て行ってごめんなさい……」

先生「いや、私も言い過ぎたから、ごめんね」

宏太「先生、」

先生「あぁ、そうだったね。バース検査結果を社長が持ってきたから裕翔、侑李、龍太郎の3人にはもう渡してる。あとは涼介と圭人の分だけだから宏太、お願いしていい?」

宏太「はい。こっちが涼介でこっちが圭人の」

2人「ありがとう……」


この時には俺たちの運命が動いた瞬間だったのかもしれない。



この時、思いもしなかった……


俺たちの第2の性別が”普通”じゃなかった事を


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