「……めめ、……また……っ」
康二の脚が震えて、ベッドの上で擦れる。
容赦なく、康二がイきそうになる寸前で手を止めた。
「んー……まだダメ」
「……なんで……っ、もう……っ……っイきたい……のに……」
くしゃくしゃの顔で涙を滲ませて、康二が懇願する。
「イかせてっ……お願い……っ、もぉ、むりぃ……っ」
甘い声が喉の奥から漏れて、縋るような目で見上げてくるその顔が、たまらなく愛おしい。
「泣いてんの、かわいい。……」
そう囁いて、ようやく許しを与えるように指先を動かした。
「あっ……あっ、や、やば……っ」
一気に波が押し寄せて、康二の背が弓なりに反る。
「めめ、ぁ……っ!!」
声にならない叫びとともに、果てたその瞬間。
康二の表情が、とろんと蕩ける。
何も考えられない、気持ちよさだけに包まれた顔。
口元は緩んで、涙の跡が頬を伝って、胸が上下している。
「……やば……」
思わずそう呟き、指で康二の頬をなぞった。
けれど──康二は反応しない。
視線は宙をさまよい、焦点がどこにも合っていない。
全身から力が抜けて、放心したまま、ただぽわぽわと微かに笑っている。
「……トんじゃったな」
その様子すら、愛しくて仕方がない。
「……ぜんぶ、すきだよ。康二」
髪を撫で、額にキスを落とす。
どんな表情も、どんな声も、どんな姿も──全部、自分だけのもの。
康二が微かに笑ったまま、目を閉じた。
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