目を覚ました彼は飛び起き、直ぐに警戒態勢に入った。 理由は分かるが、ずっと傍にいた人にそんな反応をされると場違いにも寂しく思う。
「っお前、!……誰だ」
先程の高くて落ち着いたふわふわとした声音は低く威嚇するような唸る声音になり、柔らかかった目元は吊り上がり鋭い眼光を宿している。
そんな彼を視界に収めては、目を眇め感情の読めない、けれど少し寂しさを纏った表情で叶は今度こそ口を開く。
「……ここは教会。僕は叶。この教会の神父をしてる。君に害を成すものじゃないから安心してほしい」
「…………俺は、人間じゃ、ない」
「わかってる」
彼が人間ではないことは既に分かっていた。その上で眠る彼を傍に置き、生活してきた。だから僕には、特別驚くことも怯えることもなにもなかった。
なにより、僕の思考はそれらの感情ではなく、彼に警戒を解いてもらう方法を探ることで手一杯だった。
どうしたら、警戒を解いてもらえるんだろうか。
完全に今、彼は僕のことを警戒している。
……けど、僕を認識し攻撃ではなく警戒に出たのはなぜだろう。攻撃するだけの力が無い、または回復しきっていないから?…あり得なくはない。
それに、此方への鋭い威嚇の気配は感じるけど、彼から仕掛けて来そうな攻撃的な気配自体は凄く薄い。
ということは、彼は自ら攻撃を仕掛ける気は恐らく無い。 きっと、反撃や防御にだけ力を奮うつもりなのだろう。 そうだとしたら、話し合いの余地はあるんじゃないか?
でも、一体そこまでどう持ち込めば………
・ ✿ ❀ ✿ ❀ ✿ ❀ ✿ ・
昨日は連絡もなく更新を休んでしまい申し訳ありませんでした🙇
色々バタバタしていて気が付いたら今日になっていて云々……(言い訳すみません)
今後こういうことが一切無いとは言い切れませんが無くすよう努め、もしあったとしても必ずその週のうちには投稿致しますので何卒これからもよろしくお願いします…。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!