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pnsn『逢いたい』
sn視点
広い玄関の中は貴方と二人きり。
産休で休んでいた先生が冬休み明けから復帰する。
臨時の先生だった貴方は明日で終わり。
僕の隣にいてくれた、大事な人だった。
貴方が、「さようなら」と元気な声で伝えた瞬間。
僕の恋は終わった。
こんなにも、後悔で満ちた日が来るなんて、思っても居なかった。
いや、分かっていて、見ないふりをしたのは僕かもしれない。
精一杯、貴方に聞こえるような声で「ありがとう」と返す。
貴方はニコッと笑って、振り向いて歩いていった。
僕は、ただ貴方の後ろ姿を見つめているだけだった。
貴方が居なくなった空間は、何もない真っ暗な部屋のようで。
ここからずっとそこに閉じ込められるのだと考えると、嫌でも吐き気がしてくる。
そっと、目を閉じる。
…ふと、気づいた時、空はもうオレンジ色に染まっていた。
忙しなく過ぎていく人のなかに、貴方はいない。
明日から冬休みだと言うのに、僕の頭の中は貴方でいっぱいだった。
sn「会いたいよ、、」
sn「ぺいんとさん、、っ」
どうして、生徒×先生の恋はダメなんだろう。
年の差婚とか、現代でも沢山あるじゃないか。
自分がどうしようもなく惨めに思えて、涙が出る。
好きだと気づいたあの日から、僕はただの『カタオモイ』を続けていた。
ダメだとわかっていたのに、変に期待して、馬鹿みたいじゃないか。
やっぱり涙は止まらない。
ずっと、その場に立ち尽くすことしか出来なかった。
家に着くと会いたい気持ちが抑えられなくて、胸が痛くなる。
sn「どうしたら、いいんだろう、ッ」
貴方と会った時にしかないあのドキドキ感。
僕の名前を元気に呼ぶあの声。
頭から枕を被って目を瞑る。
明日、忘れ物をするしたふりをして会いに行こう。
担任から聞いた。明日まで貴方はいると。
深呼吸をして、深い、深い眠りについた。
翌朝
スマホをもって家を出る。
少しだけおしゃれして、普段歩いていた通学路を通る。
先生に会いたいという気持ちと迷惑ではないかという気持ちがごちゃまぜになっていた。
大きな建物が目いっぱいに広がった時、その端で目を見開く貴方がいた。
pn「しにがみ、?どうした、今日は学校じゃないよ?」
sn「ぺいんとさん、僕は貴方に会いに来たんです」
pn「えぇ?w今日で終わりだから?」
sn「はい、」
pn「待って、うれしい!ありがとな!」
いつもの眩しい笑顔を僕に向ける。
直視したらクラッとしてしまいそう。
ゆっくりとぺいんとさんは口を開いた。
pn「あのさ、これ教師が言うべきじゃないと思うんだけど、これから遊びに行かね?」
sn「…え!?」
ぺいんとさんの言葉に驚きの表情が隠せない。
sn「いやでも、バレたら、!」
pn「お前がバレないようにすんだよ、w」
sn「あぁ、!笑」
そういうと、ぺいんとさんは何処かへ行ってしまった。
数分後、戻ってきたぺいんとさんは車に案内してくれた。
姿を見ているだけで惚れてしまいそう。
…もう惚れているのだけれど。
好きな人が運転しながら歌を口ずさんでいる。
buck numberの『クリスマスソング』。
クリスマスから1日過ぎたこの歌は僕の為の歌なのか。もしくは知らない誰かの為の歌なのか。
そんなの、知りたくなんてなかった。
彼が連れてきてくれたのは海だった。
潮の香りがしていて、どことなく吹く風が心地よい。
pn「後から、またここに戻ってくるから」
pn「よし、どこ行きたい?」
sn「先生の家!!」
言った瞬間、やらかしたとおもった。
だって、先生の家に行くなんて普通じゃありえないこと。
ぺいんとさんのファンなんかに出会ったらまずいから外で遊ぶよりかはいいと思うけど。
pn「えぇ、良いよ?」
そうして僕らはぺいんとさんの家まで向かった。
今日は一日中心臓が痛い。
心臓に手を当ててみると大きく飛び跳ねていた。
数分、車を走らせて紹介された家は大きな一軒家だった。
お世辞でも、綺麗とは言えない家。
それでも貴方の家ってだけで特別を感じられた。
pn「わりぃ、ちょっと汚いけど」
pn「椅子でもいいしソファでもいいよ」
sn「ありがとうございます!」
そっからはお話したり、ゲームしたりであっという間に時間が過ぎていた。
pn「よし、行くぞ!」
sn「どこにですか?」
pn「夕方だから、海行こう」
pn「綺麗なんだぜ?」
そうして僕らはまたあの海へと戻った。
夕日に照らされた海はオレンジ色に染まっていた。
ここで、言うしかない。
僕の想いを伝えなきゃ、貴方を見るのはこれが最後かもしれないから。
sn「ぺいんとさん、あの、本当にこの数カ月ありがとうございました。」
sn「僕は、貴方が大好きでした。」
sn「笑い方も、声も、仕草も性格も全て。僕の目にはキラキラとした星が映っているようでした。」
sn「今でも貴方に惹かれています。」
sn「僕は、貴方にこれを伝えたくて今日学校に来ていました。」
sn「次の学校でも、!」ギュッ、
いつの間にか僕は貴方の腕のなかにいた。
暖かく、少しだけたくましい腕が僕をそっと包み込んでくれた。
pn「ストップ。そこで終わり。」
pn「ありがとう。しにがみ」
どうせ振られることも分かってて、気持ちを伝えた。だから、もう後悔なんてない。
pn「次の学校とか、想像させんな。俺はまだここにいるから。お前の傍にいるから。」
pn「確かに俺は、教師だから、」
pn「生徒と関係をもっちゃだめなんだ。」
pn「でも、俺もお前と同じ気持ちで過ごしてた。」
pn「好き。しにがみのこと。」
真っ直ぐで真剣なその瞳は僕だけを映していた。
ドキドキが止まらない。
心臓がバクバクと、飛び跳ねている。
彼はそっとかがみ、僕と目線を合わせてくれる。
ほんの少し、触れるだけのキスをした。
sn「せんせ、大好きだよ。」
sn「先生の傍にいたいけど、それは現実的にも無理って分かってる。」
pn「あのさぁ、お前がいいなら俺の家に住む?」
sn「へっ!?」
pn「しにがみと離れたくない。バレないように、付き合ってくれる?」
pn「関係もっちゃダメって知ってて言ってる。でも、ほんとにお前のこと好きだから。」
焦ったような顔をしながらダラダラと言葉を並べる彼に僕は言った。
sn「バレないようにね、せんせ!笑」
貴方は笑顔になって僕をもう一度抱きしめてくれる。
そして僕らは、もう一度触れるだけのキスをした。
報われる恋なんて、この世にいくつあるか分からない。
でも、諦めなければきっとそれを掴めるかもしれない。
僕は貴方に会いたい。会って抱きしめたかった。
この思いがずっと続きますように。