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:みっち視点:
今日の外は雷雨だった。
「雨、ひどいね。」
俺はそうマイキーに話した。
マイキーは「そうだね」とうなずくだけだった。
「ただいまー、ったく、雨やべぇな。」
服びしょびしょだし、と言いながら春千夜くんは奥へと引っ込んでいった。
俺は何気なくカレンダーを見る。
あと数日。
「一ヶ月、早かったね。」
俺はそう言ってマイキーの方を向く。
マイキーは、ただうなずくだけだった。
「…何が一番心に残った?」
「んー、だいぶ前にあった俺がさらわれたやつ。あれは結構印象に残ったかな。」
「ああ、あれか。」
俺はそう言って手を叩く。
「実は、あの後斑目くんにドラケンくんと三ツ谷くんのこと言われたけど、特に意味なかったなぁ。」
「今となったらな。」
俺らはそう言って少し笑う。
「…明日は夜中にここを出て、あの廃教会に行くんだよな?」
「そそ。そこは時間になったら鐘がなるから、それがマイキーの最期だね。」
俺は自分で言って泣きそうになった。
…それが”約束”だから仕方がないのだが。
また俺らは黙り込む。
そして、ゆっくりと目を合わせた。
マイキーの眼は、一番初めに会った時より輝いていた。
…最期に幸せになれたのかな。
答えは本人しか知らないのだが、俺はその答えを聞こうと思わなかった。
だって、聞いたところでどうにもならないから。
少し辛かったが、それも仕方のない事だってわかっていた。
――なのに、俺は、まだ望んでいる。
本当に仕方のないやつだ。
俺はマイキーに笑いかけて言った。
「こんだけ俺が頑張ったんだから、来世は絶対幸せに生きてくださいね!」
マイキーは笑いながら「まだ死なねーよバーカ。」と言った。
…俺も、涙をごまかすために笑った。
多分ぎこちなかったが、それはそれ、これはこれだ。
ただ、そこには幸せな空間が流れていた。
マイキー殺害まで あと