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第30話 「あの日の真実」

「――ごゆっくりどうぞ」

料理を並べ終わった店員が満面の笑みでそう言うと、席を離れる。

「……」

「……」

この気まずい状況を前に笑顔を浮かべられるあの店員は、相当図太いらしい。

そんな中、篤彦が口を開いた。

「……あの日の夜って」

「高校のときのやつらと飲み会した日」

「……」

ものすごく後ろめたそうな顔をする篤彦の視線が少し泳ぐと、目の前に並べられた料理に落ちる。

メインのハンバーグがじゅうじゅう音を立て、近くにはこんもり乗ったポテト。

その隣には具だくさんのスープ。

温泉卵の乗ったシーザーサラダ。

料理を一(いち)瞥(べつ)して、京輔に視線が戻る。

さっきの圧力のかかった声とは裏腹に――篤彦を見据える京輔の顔つきは真剣そのものだ。

料理を奢ったのだから、という高圧的な雰囲気よりも――ただ、知りたいという意思が読み取れた。

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