木兎さんのメイドになることになった私は本当なら1度学校に戻り、準備する期間がある中「あかーしぃ…一緒に帰ってくれないの??」というしょぼくれていた木兎さんの我儘を聞き、学校の了承を得てその日のうちに木兎家に行くことが決定しました。でも正直、北さんと離れてしまうのがすごく心苦しいです。木兎さんは私のことがとても気に入ってくれたようでずっと抱きついて離してくれませんでした。まぁ、嬉しいけど…他の18人の3年生の視線がとても痛かったです。そんな中私は北さんを探しました。大勢の人がいる中ずっと一緒にいたからか、私は北さんのことをすぐに見つけることが出来ました。金髪の男の方とお話をしていて、声をかけづらかったのですが、「ん?ツムツムだ!あかーしツムツムのところのメイドちゃんと話したいの??そういえばさっきも一緒にいた??」「え、あ…はい。ずっと一緒にいたので、最後に話がしたくて…」「ん!じゃあ行こ!!!」と元気に言って下さったので私が歩きだそうとすると、再び私の身体が中に浮きました。「ふぇっ!?ちょ、木兎さん!!!」「ん〜??」「///」「可愛い笑」「もぅ……///」木兎さんの専属メイドになる事が決まった時から、私は妙に木兎さんがかっこよく見えて仕方がありません…なんででしょう…ほんとにもうこのメイドたらしめ……///
「おーい!!!ツムツムーー!!!」「お!ぼっくん!!!どないしたん??お!さっきのかわえぇ子??めっちゃ顔真っ赤やん笑笑」「あかーしっていうの!!!可愛いでしょ〜!!!」「京治ちゃん!?どないした??なんかあった??」「い、いえ…」「ふふ笑京治ちゃんとってもかわえぇ顔してるよ」「なっ!?!?///」「も、木兎さん!!!下ろしてくださいっ!!!」「はいはい」どうやら木兎さんとツムツムさん??はお知り合いのようでした。話を聞くと、ツムツムさんのところに北さんもメイドとして仕えることになったそう…私たちが仲がいいことを知ると、「じゃあ毎日会いに行こーな!!!」と木兎さんが言ってくれました!正直こんな早くメイドとして雇ってもらえて、いろいろ不安なことがあった私にとって、北さんが会える距離にいる事実にとても安心しました。それも北さんは同じだったみたいで、2人して嬉しさで盛り上がり、ご主人様2人に恥ずかしくなるほど笑われました。
北さんはちゃんと1週間の準備期間を設けて貰うみたいなので、私の学校に置いてある荷物もお願いしました。その後、4人で沢山のお話をしました。こんなに楽しい時間は初めてで、とても良い思い出になりました。
「今までお世話になりました」「元気でね。赤葦さん」「はい!先生もお元気で」お披露目の会終わり、私は先生にお礼を言い、木兎さんの待っている車に乗り込みました。その車もいかにも高級車って感じのなんか…こんなの本当にあるんだって感じの車でした…笑
車に乗り込むとすぐに木兎さんに抱きしめられました。さっきまではたくさんの人がいたけど、今は薄暗い車の中に私と木兎さんの2人きり。なんだかとても恥ずかしい気持ちになりました。でも以外に何もされず、無事に家にたどり着きました。
木兎さんのお家は、予想はしていたけどものすごい大きく、立派なお家でした。私はここで暮らしていくんだって思うと、疲れていた足取りも軽かったです。
お家の中に入ると、数え切れないほどのメイドさんや執事さんがいました。「あらぁ!君が新人さん??かわいー!!!」「本当だ!なんて可愛らしい子なの??」「名前は??何歳??」と、私はすぐに囲まれて質問攻めされていましたが、「はいしゅーりょー!!!あかーしは疲れてんだから!!!後でにして!!!」と注意していました。しかし「えー、こんな子木兎お坊ちゃんに勿体ないじゃないですかぁ」「ねぇ、この後私の部屋に来ない??」「な、何!?!?あかーし行かないよな!!!俺といるよな!!!」と、逆にメイドさん達にからかわれる始末…、ご主人様とメイドさん達の上下関係が厳しくなく(むしろゆるすぎる…)私は安心しました。調子に乗って「メイドさん達が可愛らしいので、部屋に行ってもいいなって思います」と言ってしまったのはここだけの秘密。
その後すぐに木兎さんのお部屋に案内された私は今、何故か木兎さんと2人でお風呂に入っています。「あ、あの…木兎さん」「ん?」「なんで入ってきたんですか??」「え、ダメ??」「ダメじゃないですけど…」恥ずかしすぎて湯船から出られない…「あかーしの裸見たくて」「変態ですか」「ひどっ笑笑」「あ、すみませんつい本音が」「本音かい!!!!!!笑」なんてメイドとしては失格な(それどころではなかった)話をしていました。でも良く考えれば私まだ身体を洗っていないんです。お湯で身体を流した後、湯船に入ったあとすぐに木兎さんがガラッとまたまた大きな音をたてながら入ってきたからです。そろそろ暑くなってきましたが、ここで私が先にお風呂を出たらなんだか負けたような気がして意地を張って頑張って耐えていました。がそれは木兎さんも同じだったようで、「あかーし暑くないの??そろそろ身体洗ってきたら??」「のぼせてない??顔赤いよ」「お水飲みたくないの??そこにウォーターサーバーみたいなのあるから飲んできていーよ」など、様々な誘惑(??)で私のことをお風呂から出そうとしてきます。なんだか悔しくなってきて、私も「木兎さんも顔赤いですよ??」「さっき宿題するって言ってませんでした??」「木兎さんこそ、お水飲まないと熱中症になりますよ」など、反撃していましたが、「んんんんんん」「あちぃ!!!」「もう無理ぃ…!!!」と、言われてお風呂の暑さを余計実感したのか木兎さんはザバンッとお風呂から出ていきました。勝った!!…と思ったら私はザバッと音をたてながら垂直に上に浮きました「え、えっ??木兎さん??」「やっぱり!!!あかーし意地張ってたでしょ」「ぐっ…張ってません」「嘘だぁ」「だってこんなに顔真っ赤でふらふらだよ??」「お水飲も!!!」と言ってやっと足が床に着いた…と言うより、足が床に着いた時点でガクッと膝から崩れ落ちました。ここまでのぼせてたのか…これからは意地はりすぎないようにしよ、と反省しました。その後木兎さんが持ってきてくれたお水を飲みながら、立てなくなった私は木兎さんにされるがまま身体を洗われ、気がついたらベットに横になっていました。本当は私が木兎さんのお世話をするはずなのに痴態を晒してしまいました…なんという屈辱…っ!!!
さて、問題はまだまだ続きます。なんと、私が運ばれたベットは木兎さんのベットだったのです。ふかふかの枕や布団は木兎さんのいい匂いがして正直気が気出なかったですが、木兎さんは何もしないでそのまま私を抱きしめながら寝ました。
あれ、そういえば宿題してないじゃないですか。
しかし、今日はいろいろとありすぎてちょっと注意する気力もなく私も夢の世界に旅立ちました。
「あかーし…あかーし!!」「……」「ねぇ、起きて」「………」「起きてってば!!!」「グゥ……」「…けーじ朝だよ。起きる時間だよ」「…………!?!?」「は、はぃ!?!?」「あ、起きた笑おはよぉー」「お、おはよう…ございます」私が目を覚ますと、ニヤニヤしながらこっちを見てる木兎さんの姿がありました。あ…そっか、私……昨日木兎さんの布団で寝たんだっけ…
「じゃっ!!!学校行ってくるな!!!」「……え?」「なんで…もう?」「ん?だってもう7時40分だよ」「…え!?」なんと私はメイドとしての初仕事初日に寝坊をしてしまいました…なんで……いつもはちゃんと起きれるのに(´・ω・`)
私がそう呟いた時にはもう、木兎さんは学校に行っていました
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭
コメント
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続きめっちゃ気になるぅー!二人可愛い!この話好きだわ
神様(𐊭 ࿁ 𐊭ˋ)♡⃛ 神さまカヨ