京治ちゃんが木兎様の所にお迎えが決まってから1週間。今ウチはクラスメイトに絡まれています。
「ちょっと北さぁ、調子乗ってるよね」「そんなつもりは全然ないんやけど…」「どうやって金持ちに媚び売ったんだよ」「せやから……」「私たちよりも先に仕えることが決まるなんて信じらんない」「腕おろうよ!!」「いいね!」
腕……?え、そんな事したらウチ…捨てられん!?「やっ、辞めッ!!!!」「あはは笑!!」「やっと人っぽくなったねー」「機会人間みたいだもんねぇ」「いやや…お願い……やめぇ」「辞めるわけねぇじゃんばぁーか」「ヒッ」
その瞬間、辺りに鈍い音が響いたと同時に、ウチの右腕に信じられへんほどの痛みが襲ってきた。
その一部始終を先生が見ていたらしく、ウチを虐めていた同級生は全員処分されたらしい、ウチは全治1ヶ月の粉砕骨折。でも、綺麗に折れてたから…後遺症は残らないことが不幸中の幸いってやつやった。でも、こんな怪我したウチを侑は受け入れてくれるか……もしかしたら、何も出来ないウチを追い出してしまうかもしれへん…そう思うだけで、いままで楽しみだったお迎えの日が恐怖でしか無くなった。
「北さーん!」「あ…つむ、」侑が来た。怖い……嫌われるかも…もう良いって言われる??「え、北さん…その腕……」ウチはこれから言われる言葉を覚悟し、ぎゅっと目を瞑った。「北さんっ!!腕…!!どないしたんすか!?大丈夫ですか!?痛い??痛くないですか??」「……ぇ」侑はウチのことを軽蔑するんじゃなく、次々と心配の言葉をかけてくれた。「侑…ウチの事……軽蔑せぇへん??このままじゃ…ウチ、何もできへん……こんなウチでえぇ?」おずおず確かめるように問いかけると、「あったり前じゃないですか!!ほら、荷物運びますから!!」
なんて優しい人なんだろう。心からそう思った。
それから侑の家に着いてウチがやるはずだった仕事を、木兎様の提案で侑の家に来ていた京治ちゃんにやってもらった。久々の再会…でもないけどとても申し訳なかった。
少し落ち着き、やっと4人揃ってゆっくり話す中腕を折られた事情を話すと、「は?何そいつら…ムカつく……」「いつも酷いことしてると思ってたのですが…ついにそこまで…」と木兎様と京治ちゃん「……ちょっとそいつら絞めてくるわ」と侑が言うもんやから、「侑!!落ち着きぃ、そんな事しなくてえぇって!!」「やーだー!!俺の大事な北さん傷つけられて黙ってられるかぁ!!」「侑がここに居てくれるだけでほんまにえぇから!!」「➳ (⸝⸝⸝°◽︎°⸝⸝⸝=͟͟͞͞)♡」「な、ちょっと落ち着きぃ??」「はい。」どうにか侑を落ち着かせることに成功した…ウチの事でそんなに怒ってくれるとは思わへんかったから、ちょっと嬉しいような…恥ずかしいような……そんなウチを侑はぎゅっと抱き締めてくれて「腕…きちんと治しましょうね。それから、いっぱい俺の世話してくれればええですよ」と優しく言ってくれるから、普段は涙なんか出てこないのに、ボロボロと泣いてしもうてウチは京治ちゃんと侑に優しく抱きしめられながら弱音を吐いた。
気がついたら寝ていたようで、ウチは侑んとこのベットで目が覚めた。京治ちゃん達は帰ったようで、横を見ると侑が心配そうにウチんことを見ていた。「あ、つむ…」「あ、やっと北さん起きた笑寝顔もかわえぇんですね」「ふふ笑何言っとるん」「ほんまのことですよ」「何言っとるんだか笑」侑のとこにいるとどうも心が安らぐんよね、ウチ、どないしたんだろ。病気かな…
その後ウチは侑や他のメイドさん達にお世話になってる。ほんまに申し訳ない…せっかく侑んとこに来れたのに掃除も何もできへんし、利き手をおられてしもうたから、ご飯もまともに食べれへんし、こんな使えないならウチ…ここからでてったほうがいいんかな……なんて考えてると侑がウチの休んでる部屋に来た。「北さん、ごはんですよ」「侑…ごめんなぁ…ウチ、やっぱ何もできひん……せっかく侑んとこ来れたのに…」「気にしなくていいって言ったやないですか…もう笑笑」「でも…」「早く食べて、早く元気になってくれればそれでえぇんですよ。俺は」「…そぅ…か……」「はよ元気になってくださいね」「ありがとーな、侑…なんか元気でたわ!!」「笑笑」「じゃあ食べましょ」「はい、アーン」「あーん」侑が食べさせてくれる料理はいつもより美味しくて、幸せの味がした気がした。
コメント
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侑優しいな本当、きたさん可愛すぎる シニマシタ †┏┛ ᐛ ┗┓† ナムナム
やっぱ関西弁難しい〜(´;ω;`)