コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
一目惚れだった。感情から行動が生まれるのは始めてだ。
金髪で少しふわふわとした空気を纏っていた貴方。
その姿に惹かれていきなり袖を掴んでしまった。
🎤)一緒にバンドやりませんか!
なにか口実が欲しかったので、咄嗟に出たのは熱中していたバンドのこと。
じっとこちらを見つめ返してくるように、俺の瞳を見ながら少し戸惑った表情で考えていた。
無理もないだろう。見知らぬ男に袖をいきなり掴まれて。
🎤)あ、ごめんなさ…
🎹)いいよ!バンドやろう
______
今となっては懐かしい話だ。
それでもファンの間ではちょくちょく話題になっているそう。
🎸)ほんと、出会うべくして出会った、って感じだよな~
🎹)エモくまとめりゃいいってもんじゃないの−!!
“一目惚れ”したのは、キーボードが不足していたからでも、派手髪が欲しかったからでもなかった。
本当は、ただただその雰囲気に包みこまれたくなるくらい楽器を弾く姿が素敵だったからだ。
そしてその、“一目惚れ”の意味は昔も今も変わらず、恋の気持ちを指すものであった。
🎤)ふふ、懐かしいねぇ
🎹)他人事にしてるけど!張本人でしょ!?
オーバーリアクション気味なところも大好きだ。
______
今まで、涼ちゃんは最年長のしっかり者キャラだったはず。
でも最近は涼ちゃんのかわいさが気づかれはじめていて寂しい。
エゴサすると毎回見かけていた
「もとぱ」
なんていう現実じゃありえないcp名も少なくなり、そのかわりに増えてきたのは
「りょつぱ」
だった。
涼ちゃんのことを1番に想って、1番愛していて…とにかく結ばれるべきは自分だと思っている。
自分の頭の中で想像していることと、ファンの思いが違いすぎてもどかしくなっている。
いっそ付き合って、俺のものだ、と主張したくなる。
自分なりにアピールはしてるつもりなのだが、なんせ鈍感の擬人化みたいな人物なのでとても気付かれそうにはない。
若井は多分気付いてる。
むしろ若井に相談した方が早いと思い、素早く連絡をいれてすぐに若井が居る場所まで直行した。
急ぎの用でもないけど。
____
🎤)若井~、急にごめんね
🎸)いや、ちょうど暇だったし
🎤)ちょっと相談、なんだけどさ…
🎸)あ~ね、?
🎤)え、なに、勘づいてんの??
🎸)だいたい、笑
意外とこの男は勘が鋭い。
侮るべき人物ではない。
🎸)涼ちゃんのことでしょ
🎤)やっぱ若井怖えぇ…
🎸)なんでだよ笑
− で、その相談とやらは…??
🎤)まぁ単刀直入に言うと、本心伝えちゃおっかなみたいな…
🎸)今まで片想い拗らせてきた元貴がついに!?
わざわざ鼻につく言い方をしてくるのはなんなんだ…。
🎤)アピールしても気づかないし、若井といちゃつくしで割とピキってんの!!
🎤)ほ−んと、りょつぱばっかり見かけるし
🎸)うそー??俺全然見ないけど
この無自覚な感じが更に苛つく。
🎤)も−とにかく!成功でも失敗でもいいから言うの!
🎸)そっか、頑張ってきなね~
🎸(これ相談っていうのか…??)
🎤)待って、俺絶対に一発はムリだわ。
− ここで練習してっていい?
🎸)いいけど…涼ちゃん来るかもしんないよ?大丈夫?笑
🎤)いや、今日は予定あるはずだから来ない!
🎸)スケジュールまで把握してんの!?
🎤)ちげぇよ!!たまたま、知ってた、だけだし、…
しどろもどろに言葉を紡ぐけど、どうでもよかったみたいだ。
🎸)ま、好きなようにやってれば?
− 俺はギター練習しなきゃだし
快く若井も認めてくれたことだし、早速プランを立てよう。
____
小さな部屋に響いてるのは、若井のギターと俺の声。
今回限りは歌声ではないが。
🎤)涼ちゃん好きです!付き合ってください
あまりにも在り来りすぎるか…など試行錯誤していた途中だった。
🎤)涼ちゃん、付き合って欲しい。
🎤)わか−い、今のよくね…
そう言ってドア付近に目をやると、
そこには気まずそうに苦笑いしている若井と 棒立ちの涼ちゃんが居た。
🎤)ちょ、!?若井言えよ…!
🎸)いや…ほんとに今来たもんね、笑
🎹)もとき、…?
引かれてる。絶対に終わった。
沈黙の数秒間、床を見つめることしかできなかった。
🎤)待って、涼ちゃん1回忘れて。
🎹)…忘れた!!汗
🎸)あっははwwwwwwその返し面白すぎるwww
🎤)戸惑わせてごめん…。
− あとで説明したいから俺ん家来て欲しい
🎹)え…わかった
涼ちゃんはなんともいえない表情をしている。
成功確率は五分五分、といいたいところだが実際は3割くらいだと思った。
______
このことを伝えてもし涼ちゃんが嫌がったら、なんてのは最初から想像できていなかった。
まさに灯台下暗し、盲点でしかなかった。
いや、本当は自分の中に少し自信があったのかもしれない。
緊張しているのに、心のどこかでは受け入れてくれると確信していたり。
そんな絡まった気持ちの中、告白は近づいている。
🎤)あ、の…涼ちゃん、驚かせてごめんね
🎹)うん、ゆっくりでいいからね
🎤)ありがとう、!
− …俺ね、最初涼ちゃんをバンドに誘ったときから恋愛的に好きだったの。いわゆる一目惚れってやつ。
🎹)そうだったんだ…
🎤)でも!付き合うのを強要したりはしたくなくって…取り敢えず本心をありのまま伝えたかった。
🎹)でもさっき、「涼ちゃん、付き合って欲しい。」って言ってたよね−!?
触れないで欲しくて話題に出さなかったのに。
🎤)そんなのほんとは付き合いたいに決まってるよ。
− でも涼ちゃんの人生巻き込んじゃったら申し訳ないからさ。
嘘。ほんとは好かれる自信がないだけ。
綺麗なことしか言えなくてもどかしい。
🎹)元貴は僕のどんなところに惚れたのさ
🎤)最初は雰囲気に惹かれた、けど見ていくうちにどんどん涼ちゃんらしさが出て余計好きになった。
🎹)僕に惚れる要素なんてある??
惚れる要素しかなかったから今こんなことになっているのに。
涼ちゃんは目をまんまるにしてきょとんとしている。どこまでも天然だ。
🎤)まず抜けてるところ、天然でかわいい
− 次に優しいところ、王道だけど当たり前にできることじゃないし人に合わせたりできてすごいなって…。
− フェスの繋ぎが上手なところ、とっても努力家なところ、とにかく挙げればキリがないくらい素敵なの、涼ちゃんは。
🎹)へ、ぇ…//
🎤)涼ちゃんから聞いたのに照れないでよ笑
🎹)や、僕も元貴のこと好きだし…
🎤)だ−か−ら!涼ちゃんの好きとは違うの!
期待なんてしていなかった。
ただ否定されないことだけが俺の願望であった。
🎹)僕だって元貴に…恋、してる、し…
🎹)あ−人生でいちばん恥ずかしいよ、//
🎤)え、ほんと?うそ?ほんと?
🎹)バグっちゃった笑笑
− ほんとだよ、何回も言わせないで…
🎤)俺めっちゃカッコ悪いじゃん…
最初から保険なんていらなかったみたい。
🎹)けじめとしてさっき練習してた台詞、僕に言ってよ笑
これは、大幅にミスった。
🎤)流石にそれは俺も人生でいちばん恥ずかしいよ、…
🎹)おそろいだね笑笑
小馬鹿にするように小さく笑ってはしゃいでいる涼ちゃん。
🎤)涼ちゃ…いや、涼架さん。俺と付き合って欲しい。
🎹)だめだ…元貴かっこいい…((目逸
🎤)返事は!!!?
🎹)こちらこそよろしくおねがいします、
やっと、やっと俺のものにできた…
ずっと我慢してきた分の嬉しさが込み上げてくる。
涼ちゃんに受け入れて貰いたかったという本心が見えてきて、安心しきった。
🎤)は~、うれしい…幸せすぎる
🎹)そんなに−?僕もうれしいけどさ
🎤)なっ、!?俺が何年片想いしてきたと…
🎹)僕も声かけられたときから “一目惚れ”
してたよ
🎤)…っえ−!?
______
🎤)ということで無事付き合えました、!
今日は若井に報告しに行った。
正直本当に感謝している。
🎸)おめでと−!
🎤)いやぁ、ほんと岩井クンには感謝してますヨ…。
🎸)棒読みやめろよ!w
🎤)見て、俺の彼女かわいいでしょ
🎹)僕が女の子側!?
🎸)かわいい、というか見慣れた顔だなぁって…
🎹)そりゃそうだわ笑
____
🎤)涼ちゃん…抱きしめて寝てもいい?
🎹)元貴、意外と寂しがりやさんだよねぇ
− いいよ、一緒に寝よ
こうやってハグするのも、口実なんていらない。
恋人になるってやっぱり大きなことだ。
今までの時間が馬鹿らしいほどに今が幸せでどうしようもなくなる。
この時間が一生続けばいいのに、とこんなにも心の底から思ったのは初めて。
涼ちゃんの体温を感じながら、幸せを噛み締めて眠りにつく。
_____
はい、どうでしたでしょうか…
口調、一人称、呼び方等、ご指摘ありましたら教えていただければ幸いです!!!🥹
初回でお見苦しいかもしれませんが自分なりにまた投稿していきますのでよろしくお願いします🙂↕️🫰🏻
シンプル恋、いいですよねぇ…
ではまた、さよーならー!!💝