レオはずば抜けて顔がいい。そう思い始めたのはいつだろう。人と関わる事が無い人生を送ってきた俺は「このまま人と関わる事なんて無く終わるんだろうな〜」ぐらいに思っていた。でも違かった。レオが現れてから急に世界が180度変わってしまった。そんな中青い監獄でふと、レオがずば抜けて顔がいいことをしった。俺自身、イケメンの部類に入るという事も初めてそこで知ったのだけれど。だがそんなのと比べ物にならないくらいレオはずば抜けて顔がよかった。クラスメイトの半数の告白を一気に振った千切や街でスカウトされ絶大な人気を誇る雪宮と並んでも顔の良さは負けを劣らず、なんなら玲王の方が輝いてると言ってもいいほどレオはずば抜けて顔がよかった。長いまつ毛に白い肌。紫色の大きな瞳にパッチリとした二重幅。シュッとして小さな顎にどれもレオにしか無い美しさを放つ一つ一つのパーツ。上品かつ子供のような無邪気さを兼ね備えた笑顔に、目を瞑ってもレオだとわかる美声の持ち主。それが神様が愛した”御影玲王”だとわかった。レオの周りに人が集まる理由の5分の1ぐらいがこの全ての人を惹きつける笑顔だと心から思った。
そしていつからだろう。彼の宝石の様な瞳に俺だけを映して欲しいと思うようになったのは。そのこぼれ落ちてしまいそうな繊細で愛くるしい笑顔を俺にだけ向けて欲しいと思うようになったのは。こんなのただの”ビジネスパートナー”言う事じゃない事ぐらい俺にだって分かる。でも求めてしまったんだ。恋か愛か、欲望にまみれたただの依存か。そんなの誰にもわからない。でも、求めてしまったんだ。家柄とか人気だとか関係無しに、”レオ”自信を_____。
青い監獄をでてプロになり俺達は付き合う事になった。きっかけはレオが「海外は不安だろ?一緒に住もうぜ!」なんて言ってきたから同棲までするのにすれ違ったまま俺が我慢するだけなんて嫌だったから俺がレオに告白した。それをレオは耳までルビーより赤く一式に染まりながらOKした。そこでやっと”(ビジネス)パートナー”から”パートナー(恋人)“に変わった。やっと凍った太陽を溶かしてしまうような暖かく愛おしいほの眼差しを俺は手に入れることが出来たのだ。だが、問題があった。レオは俺に愛されていると言う自信がなかった。基本的に御影の名に恥じぬよう英才教育をされてきたレオは当然のように自己肯定感と自信が備えられていた。しかし、凪に対しては違った。1回青い監獄でのトラウマを通し「めんどくさい」と言われるのではないかと言う不安に襲われているのが俺からみてもわかった。だから俺は心からレオを愛し、それを言葉や行動に移して伝えるようにした。この宝物が俺の手から離れないように。宝石のようなこの繊細な温もりが壊れてしまわぬように。
しかし付き合って1ヶ月ぐらいらたった頃だった。スポンサーとの外食でどうしても0時をまわってしまった事があった。流石にやばいと思い失礼にならないよう食事を切り上げ、レオへのお土産を買ってすぐ様帰宅した。だが会食していた場所が遠かったからか着く頃には1時過ぎになってしまった。そんな中玄関のドアを開けると証明は消えていて部屋は暗闇に包まれていた。もうレオは寝てしまったのかと思い電気をつけリビングに移動するとそこにうずくまったレオが居た。部屋には毟られた歯ブラシが落ちていたりレオが飲んでいたであろう酒が置いてあった。1人でお酒なんて滅多に飲まないのに。俺が驚く間もなくレオが俺に気づいて駆け寄ってきた。だが、泣いたあとが分かるほどレオの瞳は濡れていて、宝石の様に輝く瞳は暗闇の中孤独を象徴するかのような暗く濃い紫色になっていた。そんな瞳をみて俺は______。
綺麗だと思ってしまった。
あんなに輝いている瞳をここまで暗くさせれると思うと毟られた歯ブラシも光の通っていない瞳も愛おしく思えた。そんな俺は末期だろう。それと同時に大切な恋人を悲しませてしまった絶望感が襲ってきてぎゅっと強くレオを愛を囁くように抱きしめた。綺麗だと思った瞳も恋人を悲しませるには勝らなかった。大切な恋人を傷つける代償にあの瞳を見るのなら、あの瞳は心の奥に閉まっておく方がいいと思った。そうしてレオに「ごめんねレオ。レオに言われたようにちゃんとスポンサーさん達と上手くやってきたよ。あっちが遅れてきて長引いちゃったけど、お詫びにレオの好きな駅前のスイーツの新作買ってきたんだ。だから大丈夫だよレオ。愛してる」そんな事を言うとレオはぎゅっと俺を抱きしめ返してきた。「凪に捨てられたかと思った。会食だって知ってても帰ってこないんじゃないかって、、、。ずっと怖くて苦しかった。こんな事言ったらめんどくさいの分かってるのに、、、」そんな事を言う恋人を愛おしく思いながらまた言葉を返す。「レオを捨てるはずないでしょ。俺はもうレオが居ないと生きられないんだから。ずっとずっと大好きだって言ってるじゃん。レオのすぐ落ち込んじゃう所もめんどくさい所も全部大好きだよ。」そう言って俺たちはシャワーも明日の朝にすることにして2人で抱きしめながら眠った。レオの顔は安らかになっていて頬にそっとキスをした。
レオをあんな顔に出来るのは俺だけが良いけど、レオをあんな顔にさせないようにしようと思った。結局、どれだけ愛していても、綺麗でも顔がずば抜けていても、レオの顔に一番似合うのは太陽なんかよりずっと眩しい、俺だけに見せる心からの笑顔らしい。
コメント
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主様語彙力と表現力が神だね、めっちゃ最高だった
早くみたいなぁ