🧡side
めめが事故で阿部ちゃんの事だけ忘れて、阿部ちゃんは仕方ないよねって言うけどどんなに傷ついてるか。
俺は阿部ちゃんが気になって仕方なかったし、日本とタイの行き来の合間を縫って時間の許す限り阿部ちゃんに寄り添った。
阿部ちゃんさえ前みたいに笑ってくれるなら俺がしんどいかどうかなんてどうでも良かったし、少しでも気持ちを楽にしてやりたかった。
帰る度に食事に誘って、たまにお酒も飲んで。めめの話はしないで、とっておきの話題でたくさん笑わせた。
そんなある時のこと。
🧡「阿部ちゃん大丈夫か?」
💚「ん〜…ちょっと無理かも…」
帰り道、いきなり阿部ちゃんが酔って動けなくなった。
興味本位で頼んだやつが思いのほか強かったらしい。
🧡「タクシー乗ろか」
💚「やだ、今車乗りたくない」
そう言われても近くですぐ休める場所なんてホテルしかないけど、選んでられない。
肩を貸して何とか近くのホテルまで運んで、ベッドに寝かせた。
冷蔵庫に入ってた水を持っていくと、阿部ちゃんはもう寝てる。
1人にもしておけないし、隣に寝転ぶ。
真っ赤な顔をして小さく寝息を立てている阿部ちゃんは、そのうち長い睫毛に涙を浮かべて魘され始めた。
🧡「阿部ちゃん」
そっと揺すると目を覚まし、ぼやけた目でこっちを見る。
💚「康二」
🧡「せやで。唸ってたわ、大丈夫か?なんか怖い夢見たか?」
阿部ちゃんは首を横に振って、しばらく黙ってから『あのさ』と話し出した。
💚「めめがさ、このまま俺の事思い出さなかったらどうしよう。俺たち自然消滅しちゃうのかな」
🧡「阿部ちゃん…」
💚「けっこう辛いね、目の前にいるのに愛されないなんて」
まだ酔ったままふわふわと話すけど、涙がこぼれる。
🧡「しんどかったら俺頼って。何なら今俺の事めめって呼んでもええよ」
💚「それは…」
🧡「いい、いい。ちょっとだけめめごっこや」
酔いで動きの鈍い阿部ちゃんを少し強引に抱き寄せて丸い頭を撫でると、阿部ちゃんはぐずぐずと泣き出した。
💚「めめ、めめ…」
🧡「うん」
💚「俺の事思い出してよ、前みたいに優しい声で名前呼んでよ」
🧡「うん、うん」
💚「寂しいよ、俺死んじゃうよ……」
🧡「ん…ごめんな、でも死なんとって」
阿部ちゃんの悲痛な訴えを聞きながら、泣き疲れて眠るまでひたすら抱きしめて撫でた。
コメント
5件
やばいこーじの優しさやばいわ😭🧡💚
こじあべーーーーーー!!(絶叫