注意書__。
・初心者の為下手です。
・全てフィクションです。
・誤字脱字、変な部分が有ればすみません。
↓其れでも良い方はどうぞ。
「ねぇ、」
ある日、声を掛けられた。
その日は私の過ごしていた施設が大勢の青い服装をした人に襲撃された。
私達、子に専属で付けられた白衣の人が次々と青い服装をした人達に押さえ付けられ、連行されて行った。
他の子は又別の青い服装をした人達に連れていかれている。
見ていても何も思わない、何故なら接触した事が無く、必要最低限しか話さないからだ。
そんな中で一人だけ違う服装をした人が近付いて、声を掛けてきた。
「貴方の名前は?」
名前?、番号の事だろうか。
そう思った私は自身の番号を口にした。
「………LNー梦ー6042、」
この場所は名前と言うものが存在しない。
その変わりに番号で呼ばれる。
生まれた時からそうだった。
番号を答えるとその人は私に、
「名前が無いのね、番号で言うのだからそれで呼ばれて居たみたいだし」
と言った。
私は名前自体が余り分からなかった為、そうだと言う様に一度だけ頷いた。
「そう、なら貴方に名前を付けても良い?」
何故かと聞く前に察したであろう人が話し始める。
「人は番号では無く、名前で呼ばれるのよ」
「名前は番号より楽に呼べるし、分かりやすく覚えやすいの」
良いかと思い、良い、とは口にせず先程のように頷く。
するとその人は、有難うと口に出した。
「………LN、……A…E…、」
決まりそうなのかポツリポツリと口に出して居たのを止め、改めて口を開いた。
「なら貴方の名前は蘭(ラン)ね」
「蘭………」
自身の名前は蘭かと少し口に出す。
「えぇ、嫌なら改名しても構わないわ」
「、いや………特に嫌じゃない………」
そうだ、言葉の通り蘭の名前は気に入った。
初めてだったからだろうか、さっぱりだ。
「蘭、私と一緒に来ない?」
突如そんな事を言われ驚いた。
何せ今日会ったばかりの人に、名も年齢も素性も知らない人に言われたのだから、驚くのも無理はない気がする。
どちらにせよ此処はもう居れないとなると居場所が無い為、分かったと一言だけ発した。
「、なら私に付いてきて、先ずは此処を出ましょうか」
そう答える人に一つだけ質問をした。
「…あなたの名前は、」
真坂そう聞かれるとは思わなかったのか、少し目を見開いて居た。
その後少し笑ってから、答えた。
「私の名前は朱音、四宮朱音(シノミヤ アカネ)」
「此れから宜しくね、蘭」
その日から、朱音と過ごす事になった。
朱音と過ごして約十年が経った。
後に分かった事だが、私が居たあの場所は人体実験をしている法に反した場所だったらしい。
身体能力、思考速度、IQを合法的に高めると言う事を幼い子供を使い実験する。
そんな施設の場所が判明し、警察と共に襲撃したと言う。
子の多数が誘拐、小数は施設内で産まれた子で、私は後者の子だと朱音が答えてくれた。
それと過ごしている間に朱音の年齢は私より上の年齢だが、私と差程変わらない年齢らしい。
何故その年齢で警察と共に来たかは不明だが、今はそれで良いと思っている。
「蘭?どうかしたの?」
考えていると朱音が声を掛けてきた。
多分、何かを悩んでいるのかと思ったから声を掛けたんだと思う。
「いや、何でも無い」
そう言うと朱音は、なら良いけれど、と少し疑問そうに言葉を発した後に取り敢えずは納得したと言う様な表情を見せた。
一つ、知らない感情を覚えた。
その日は少し外の空気が吸いたかったから外出していた。
多少歩くと、向かいの道に朱音が居るのに気が付いた。
誰かと話しているようだが、何の話かは位置が離れている為分からない。
少しの間があった後、小走りで家に帰宅した。
何故そうしたか分からない。
だがあの場であの判断をしていなかったら危なかったと思った。
ただ私はその二人を見ていた。
其れだけだったんだ、其れだけで何故か不快感を覚えた。
誰だ、隣の奴は、消えろ、何の話だ、取るな、そんな言葉が頭の中を埋め尽くした。
前の私なら…施設に居た私ならこんな事は思わなかった。
愛情や嫉妬等の言葉だけでは収まらない、どろどろとした赤黒い何かが心の奥深くで沸き上がった。
前々から少し前兆はあった。
朱音と話して居るのを見れば多少苛立つ事があれば、朱音に近寄ろうとする知り合いを知らず知らずの内に威嚇し近寄らせない様にしていた事もあった。
予想だが、それが本格的に出始めたのだろうと思った。
何かは分からないが、朱音には言わないで置いた方が良い気がした為話す事を止めた。
そんな事もあれど平和だった。
日常が安定していた。
ただただ平和だった。
だがその日常の中に事件が起こった。
突然に、前触れも無く。
事件が起こる当日。
朱音の買い物に付き合わされ帰宅する為歩いていたその時、笑い声と銃声が耳に響く。
何かと思い、私は朱音に問うて見る。
「何かあったのか?大きな音がしたが、」
そう言いながら朱音の方を見るとほんの少し青ざめて居た。
銃声がしたからだろうかとも思っていると朱音の重い口が開く。
「………今直ぐ走って帰った方が良いかもしれないわ…、嫌な予感がする………」
そう言うと、私の手を取り突如走り始めた。
疑問しか思わなかったが、現状の朱音の表情と行動を見て後からの方が良いかと判断し従った。
朱音の嫌な予感は何時も当たってしまう、それは今回も例外では無かったのだ。
其処に居た人物が此方に気付いてしまった。
又其れに逸速く気付き、朱音が少し戸惑い焦った様に私に、
「蘭、走って警察に行きなさい、着いたらあった事全て伝えて、良いわね」
と言った。
だが朱音はどうなる、現状で見付かっているのに私が警察に行けば朱音一人だ。
そして目撃者一人逃がした為に酷い目に遭うだろう、朱音をそんな目に遭わせたくは無い。
「朱音はどうする、此処に残るとは言うなよ」
私が少し焦りながら言うと、朱音は笑って私を安心させるかの様に答えた。
「安心して、少し足止めしたら私も直ぐそっちに向かうからね」
見付かれば殺されそうなのにも関わらず笑って私を安心させようとして居る。
この人は強いなと心の底から思った。
「だから早く行きなさい」
そう口にした朱音を見て、私は悩みに悩み、置いて行く方を選択した。
私は朱音に、死ぬなよ、その一言だけ放ち、朱音を背に警察署へ走った。
「御免なさい」
そう聞こえた気がしたが、振り返らず走った。
初めて私と蘭が会ったあの日、私は蘭に興味が湧いた。
私の予想では襲撃した時に被験体が取る行動は白衣の研究員に逃げるか、警察官に保護されるか、外へ逃げるかの三択だった。
ただ一人、私の予想を裏切った被験体が居た。
名を聞くと、番号ーLNー梦ー6042と答える。
産まれてからずっと研究員の支配下にあるから指示がある迄動かないのかと思った。
年端も行かぬ子供が愛情も知らずに過ごして居る。
そんな姿を見て居ると、蘭の姿が過去の私の姿と重なった。
だから私は蘭に声を掛けた。
殂して蘭は了承してくれた。
過ごす様になって、手伝ってくれたり話したり質問してくれたりと、楽しかったし、頼ってくれる事が嬉しかった。
私と共に笑ってはくれなかったけれど、其れも彼の一面だったのだろう。
共に過ごした彼を…蘭を死なせたくない。
だから彼を警察署へ向かわせた。
私は戦闘経験は余り無いだが、私一人でも足止めくらい出来る。
絶対に蘭の元へ向かわせない。
(あっ銃が……___)
敵は壊滅した。
そして私も撃たれてしまった、致命傷の部分を撃たれてはもう無理だろう。
取り敢えず此れで蘭に危害は加えられない、私にしては特大点だと思った。
「!!、朱音 …!!」
途切れ途切れに聞こえる蘭の声。
意識が朦朧として居る中で、蘭が私の身体を抱えてくれた事が分かった。
端から見た私と蘭の人生は何処かの本のシナリオの様に見えるだろう。
嗚呼、死ぬなと言う言葉も守れなかった。
私が死んだら蘭はどうなるだろう、張と生きていけるだろうか。
このまま私が死んだら…、蘭は其れを悲しんでくれるだろうか………。
こんな事なら、一度くらい好きだとか愛してるだとか伝えれば良かった。
蘭は私の中でも最愛の人、一番思い入れのある人だから___
___蘭の腕の中で死ねるのなら本望で、何も悔いは無いと、断言出来る_____。
私が着いた頃、朱音が倒れて居た。
大量の血に、敵であろう人等が倒れ、武器も落ちていた。
正に夏の災害だろう。
直ぐ様駆け寄り名前を呼んでも返事は無い。
何時もよりも白い肌、先程傷付いたであろう傷、血の滲んだ服、生気の無い瞳。
(嗚呼、朱音は死んだのか、)
理解が早かった、研究所に居て思考速度が早くなっていたせいか、私が置いていったから死んでしまったと分かったせいか。
出来る事なら知りたく無かった、理解したく無かった、逃げ出したかった、今からでも現実から目を背けたい。
こんな事なら外出しなければ良かった。最初も最期も朱音に助けられてばかり、私が朱音を助ける事は出来なかった。
後悔した、今の今迄にした事が無いくらい。
私は悲しみに暮れ泣く事よりも、朱音を殺した人等と死んだ朱音への怒りが勝った。
本来なら悲しんで泣いて泣きまくれば良かったんだろう。
多分その時の私は朱音の死、私が思う中で最愛の人が亡くなった事で可笑しくなっていたのだと思う。
何故死んだ?死ぬなと言ったのに?あの時聞こえた御免なさいは死ぬと分かっていた?だから言ったのか?逃げる選択は?無理矢理にでも連れて行けば良かったのか?何故朱音はそんな選択をした?
こんな事なら先回りして殺しておけば良かった。
何て後悔と怒りが入り雑じった考えを朱音を抱えながら悶々と考えていた。
端で見て居た警察官達が怯えていたのが分かった。
多分殺気が漏れていたのだろう。
笑顔とか、愛してるの一つや二つ、朱音に言っておけば良かったのかもしれない。
気付けば警察官の制止を振り切って走って居た、行き先はビルの屋上。
風が強く吹く中で一番高い所に乗った。
迷惑だとかもう全て良い気がした。
最愛の人に会えるだろうか。
会えないのならば。
若しくは又此の世界の何処かで会いたい。
最期の最期迄、思いながら飛んだ___。
___✕✕年✕✕月✕✕日。
✕✕県の○○時に銃殺人事件発生。
組の殺人現場に居合わせた一般人男女二名が巻き込まれ、警察官が着いた時には何故か組側が壊滅していたそう。
死亡者は一般人女性。
四宮朱音(シノミヤ アカネ)さん。
意識不明者は一般人男性。
四宮蘭(シノミヤ ラン)さん。
コメント
14件
は?神すぎだろ 小説出しましょうか‼️そうしましょ‼️💪 お互いが抱いてる感情が美しいけど異質なの儚すぎる… いやまじで小説出しましょうよ⁉️ 買いますよ⁉️神すぎですウ…
最高です…神作すぎます…まず設定が神だし、お互いが抱いている感情もどこか異質で、でも美しくて、とにかく大好きです!!!!!!!(((終わり方も素晴らしいです、蘭さんは後追い出来たのか、でも意識不明となってるし…みたいな感じで本当に好きです!!神すぎる神作ありがとうございました՞߹ - ߹՞
ふあわわわわわわ ッ !!!!!!! 闇深すぎるますよぉぉおおおお!!! 最高ですっっっっ!!!!! 人体実験の男の子が助けてくれた ( ?? ) 女の人の事を言葉に出来ない以上に 、 異常なほどに愛してしまったてきなやつですよね!!!!???? ( ??? ) 最期の二人のおわり方最高ですぅぅううう!!!!! えがちでそういう小説書いてみたい(( ←気にしないでくだはい!!!!