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注意書___。

・初心者の為下手です。

・全てフィクションです。

・思い付きながら書いておりますので変な所があります。

(何故か外国貴族系の人物になりました)

↓読む場合はご了承下さい。

























































「君に…手紙を書こうと思う」

風の吹く青い空の下、木陰に居る私にウィルはそんな言葉を放った。

「急にどうしたの?」

私が少し笑いながら彼に言うと、その問いに答える様に彼は口を開いた。

「何でかは…フェリに手紙をあげれば、寂しくは無いだろうと思ったんだ」

突然にウィルから出たその言葉に私は驚いた。

「手紙なら取っておけるし、読みたかったら読み返せるから、良いだろうと思った」

そう言って、

「まぁ、フェリの事だから読み返しはしないんだろうけどな」

私の愛称を口にしながら軽く笑い答える彼は多少ながら幼く見えた。

そんな姿は久し振りだったからか微笑ましい光景だなと思ってしまった。

それと同時に嬉しい感情とほんのりとした笑いが私の中に込み上げて来た。

「嬉しい、手紙楽しみにしてる」

答えると彼は多少目を閉じた後、私に一週間後に来る時、手紙を持ってくるよ、と言い残し去って行った。

私はそんなウィルの背を見ながら、どんな手紙をくれるのかと楽しみにしていた。





一週間後の早朝。

何時もの様に彼の姿が見えた私は、笑ってお早うと口にした。

するとウィルは、

「お早う、フェリ、良く眠れた?」

と返してくれた。

私は人より眠りが浅いのを知っているウィルに嫌味?それとも心配?と聞くと、大丈夫、心配だったから聞いただけだ、と答えた。

今日も数本の花を持って来て、私はその花を受け取る。

「今日も綺麗な花ね」

と言えば、

「今日は仕入れたばかりの花だそうだよ」

と返し、私の隣に座りウィルの一週間の間にあった事等を話し相槌を打つ。

その後天気の話だとか本の話だとかの他愛ない話をする、それは私の日常だ。

殂して今回はウィルが話を先に閉じ、別の話題を話し始めた。

「この前話した手紙、書いてきたよ」

そう言いながら手紙を渡してきた。

私は嬉しく内心では暴れていたのだが、それはウィルには内緒だ。

そんな中でウィルが話し始めた。

「その手紙は後から見てくれ、今は俺と話そう、と言うか目の前で読まれるのは少し恥ずかしい」

ウィルは照れ臭く楽しそうな顔で笑っている。

その後に続く様に、

「嗚呼、弄るのは御免だぞ?」

と少し嫌々ながら笑顔で笑っていた。

それを見た私も少し笑いながら言葉を吐いた。

「そうするわ、貴方を弄るのは少し気が引けるもの」

ある意味嫌みの様で笑い話の返答に聞こえるこの言葉にウィルは未だ少し笑っていた。

すると、ウィルは立って、

「そろそろ時間だから行くよ」

と言った。

何時もより少し早い時間に帰るものだからもうかと多少拗ねたが、まぁ又会えるのが分かっているから又ねとウィルに言った。

「又ね、フェリ」

そう言って彼は又私に背を向け帰っていった。

その後私は手紙が気になって開いてみると、積もり積もった別の話、友人の話、知り合いの話等、今日話した話も手紙に書いてあった。

最後に手紙を書くもう一つの理由として、此れなら忘れないだろう?、と書いてあった。

ウィルが笑いながらそれを言う姿が容易に想像出来たから不覚にも少し笑ってしまった。

此れから手紙を又貰えると思うと楽しみで堪らない。







来る日も来る日も彼は花束と共に一週間の出来事を話して、最後に手紙を渡してくれた。



私も何かしてあげたいが出来る事がない。

悩んでいると何時もより少し早くウィルが来た。

それに未だ一週間も経っていない。

どうしたのかと思い、声をかけるより先にフェリと呼んだ声がした。

「フェリ、今起きてる?」

と言う問いに私も疑問と共に答える。

「ええ、起きてるけど…どうしたの?、何時もより日は経ってないし時間も早い」

「何かあったの?」

そう言うと彼は花束と手紙を置いて、口を開いた。

「俺、小説家になろうと思うんだ」

突然そんな言葉を口にした。

驚いた、手紙の時よりも遥かに。

朝早くに来て前触れも予兆も無く小説家になると言われたのだ驚かない者は居ないと思う。

けどどうして突然…。

そう思った私を他所にウィルは話し始める。

「…フェリはずっと、小説家になりたいと言っていただろう?」

「君が諦めた夢を叶えてみようと思ったんだ」

最初は冗談かとも思ったがウィルは真面目な表情をして話して居たから、笑い話では無く本気だと直ぐに分かった。

夜明けの直前だったからか真面目な雰囲気がより一層漂っていた。

「其れにもし小説家になったら、手紙だって物語形式にして、飽きさせない様に出来るかなって思ったんだ」

と、笑いながら答えた。

その真面目な雰囲気を思いっきり壊したウィルは変わらず笑っている。

まぁ、少し尊敬出来るかなとほんの少しだけ思った。

そう思ってくれていたのが嬉しかったのに変わりはない、けどウィルのしたい事を無視して私のなりたい物を任せるのは気が引けるし罪悪感があった。

それを察したのか、私の返答を待たずに口を開いた。

「俺のやりたい事だ、フェリがなりたかった小説家になりたいと心から思った」

「フェリのやり残した事を組んでやる意思もある、フェリは少し罪悪感があるかもしれないけどね、此れはちゃんとした俺の意思だよ」

私は分からなかった、それが本心なのか…私のせいなのか…。

ただ私は私のせいでウィルの将来が変わって不幸になるのが嫌だった。

止めたい、でもウィルの本心だったら私は否定したくないし止めたくはない。

「其れじゃあ又来るね、フェリ」

そう言って立った彼は歩いて行ってしまう。

「待ってウィルッ」

ウィルの名を呼んだ私は彼を掴んで止めようとしても私の手はすり抜けた。

彼はそのまま行ってしまった。

もう少し話を聞いて答えて理解して…そうすれば良かったのに、私の選択は誤ってしまった。

少しばかりの後悔と寂しさが滲んで居た。

私が未だ…。

「私が”未だ”貴方と居られたらッ…」

ウィルの隣に居て直接話が出来て…、そしたらこうはなって居なかったかな…。





































フェリシア・ウェスター。

彼女はそう名乗った。

金髪で緑色の瞳を持つ彼女はウェスター公爵の令嬢だ。

俺よりも少し幼く、市民街に夜中一人で抜け出してきたらしい。

「私は身体が弱かったの、治っても外出の許可が出なくてね、時々抜け出してるの」

「あっ父さんに言うのは駄目、内緒ね」

そう言って令嬢とは思えない様な笑顔で笑った。

フェリシアは今まで見てきた令嬢の中では一番好印象だった。


数年の月日が経ち、俺とフェリは何度も話すようになった。

日常の話だとかなりたい物の話だとか笑い話だとか色々な話。

フェリは小説家になりたいらしい、自身の小説を見て欲しくてと言っていた。

だが親の都合でそれは断念したそうだ。


其れにその数年後、フェリは亡くなったのだから。

病を患い亡くなってしまったそうだ。

俺は市民だから中には入れない、最後は側に居てやれたら、その病を俺が変わりに貰ってやれていたらと後悔していた。

夜は不眠症になり、朝は食欲が無く、何時もフェリが読んでいた小説を何度も読み返した。

其れからずっと一週間毎にフェリの所(墓)へ通っている。

「お早うフェリ、良く眠れた?」

数本の花束と手紙を持って、早朝の朝早くフェリに会いに行く。

其処でも他愛ない話をした。

返事は返ってこないのは知ってる、其れに何時までも引き摺って、深く潜って何になるのかと言う事も…。

多分少し依存していたのかもしれない。

でも少し、日常に戻って、フェリが笑ってくれて居ると思った。

又、一方的な感情を押し付けてる様にも感じた。

「俺、小説家になろうと思うんだ」

小説家になりたいと思った一番の日に家族へ言うのを後にしてフェリへ報告にいった。

小説家になりたかったフェリの意思を継ぎたいと思った、小説家になりたいと思った一番の理由だ。

フェリは多分応援するより先に自身への罪悪感が勝ってしまうだろう。

自分のせいではないかと、だから俺がなりたい理由も考えて話した。

了承してくれているかは分からない。

でも、それでもフェリに伝えないとと思った。














数年後。

俺は今日も花束と手紙、そして一つの封筒を持ってフェリの所へ行っていた。

「フェリ、少し遅くなったよ、御免ね」

端から見れば一人で話している可笑しな人間、けどそんな事はどうでも良い。

フェリと話しているんだから、気にしなくて良い。

「今度、小説を出版する事になったよ」

「出版する前に、一番最初にフェリに見て欲しかったんだ」

そう言って俺は一つの封筒を置いた。

そして俺は、

「題名はフェリシア、君の名前を借りたよ」

「最初の本は俺の一作品目、記念だったからフェリの名前にしたかったんだ、」

俺一人だけ話している、だが合図ちを打つ様に静かな空間で微かな微風が吹いた。

「本の表紙、どうしようか」

「俺は君が好きなスイートピーの花と、俺の好きな金木犀にしようかなと思ってるんだ」

今日来たのは原稿を見せる為だけじゃない、表紙も一緒に選びたかったからだ。

フェリとの思い出を少しでも本に積めたかった、今此処に居る俺はフェリが居たからこそ居る、だから一緒に選びたかったんだ。

静かな空間で、微風が吹いて、海が近いから波の音がして、時間が刻一刻と差し掛かって居る。

「、フェリ、時間になったから行くね、その原稿は置いていくよ」

「実は既にコピー済でね、…其れじゃぁ、」

立ち上がり少しフェリの所から遠退くと、


「頑張ってね、ウィル___」


フェリの声がして振り返ると、幻覚と幻聴か…ほんの一瞬フェリが笑顔で笑って見送って居る姿が見えた。

幻覚と幻聴でも嬉しかった。

フェリが笑顔で、俺を呼んで、頑張れと応援してくれる声が…姿が嬉しかった。

だから俺は一つだけ口にだした。


「頑張るよ、行ってきますフェリシア」

ノベルで思い付いたらあげます(多分)

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コメント

8

ユーザー

ツァッ‼️‼️‼️‼️(訳、尊すぎる神) 雫さんの書くミステリアスな小説も大好物なんですが暖かく優しい小説も大好物です…‼️ 花関係って事は花言葉も…❓ 深すぎる最高だ…清い……悪い心が浄化されてゆく…

ユーザー

最高…零さんのかくミステリアスな小説も好きですが、温かくて優しい小説も大好きです!特に「傍から見ればひとりで話している可笑しな人間、けどそんな事はどうでも良い。」の所が素敵だなと思いました!金木犀とスイートピーは花言葉も関係があるのでしょうか、?スイートピーが「優しい思い出、私を忘れないで」あと門出を祝ったりする花、金木犀が「真実の愛」とか…違ってたらすみません😭神作ありがとうございました!

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