──ふたりのヒミツ 4──
「え、?」
──レオナひとりで食べるのかと思っていたイデアだが、
ひとつイデアに差し上げた。
意外に気遣いが出来てることに驚きイデアは目を見開く──
「、要らねぇの?」
「い、要ります」
「ならさっさと食え。
腹減ってるだろ」
──確かにお腹は空いていた。
特にガッツリ系はあまり食べない事を知っていたらしく、軽い且つヘルシーでお腹が満たされる食べ物を買ってきてくれた。
レオナからソレを受け取り口へと運ぶ──
「美味いかよ?」
「あ、うん。」
…………。
気まずい……。
──この気まずさを切り離すようにレオナが口を開く──
「なぁ、アレ。
何やってんの?」
「あー。アレ?
今日の夕方までに提出しなきゃいけないやつ。
ただの新作ゲームでござる」
──顎で指示され其方を見るとイデアが頑張って作り上げた新作ゲームの提出だった。
疑問に持たれたので提出するやつと答えた。
レオナ側から聞いておいて”ふーん”と興味無さそうな返事が返ってきた──
「興味無いなら聞かないでくだされ。」
「確かに興味は全くねぇ。
けどなんのゲームか気になっただけだ」
──学生の頃はゲームなんて興味無さそうにしていたレオナ。
当時、イデアがオススメしてもあまり興味は無さそうだったが
“レオナ氏にぴったりなゲーム”
そう述べた時には少し、期待していたような顔をしていた気がする。
感想は
“どこが俺様にピッタリだよ”
とキレて居たような──
「…シューティングゲーム。
って言ったら簡単そうに聞こえるけど、もっと言うなら戦闘系。
最近、学生で戦闘系のゲームをやってる人が多いらしい。」
「へー。」
──そう。
イデアは学生の頃、ゲームを創る側ではなくやる側だった為、製作者がどのような気持ちで創ってるかだなんて思ってもいなかった。
だが、今は創る側。
やる側の気持ちを考えて作らなければならない。例えば今創っている戦闘ゲーム。
何をどうすれば楽しくできて、ストレス発散出来るのか。且つ面白みのあるゲームを創らなければいけないのでとても大変だ──
「あ、もしこの今提出しているゲームが大繁盛したら、
僕舞台に立つことになる。
大繁盛は嬉しいけど、舞台に立つのだけは無理……。」
「相変わらず人前に立つの嫌いなのな?」
「陰キャで引きこもりの僕に人前に立たせること自体が頭おかしい。
リモートで良いでしょ…。」
──学生の頃みたいに、タブレットで会話したい。──
(ま、到底無理な話か。)
(イデアが舞台に…しかも人前で、?
その中にコイツを狙ってるやつが居たら──?)
「レオナ氏、何顔顰めてるの。」
「いや、何もねぇ。」
(変なこと考えてんな、俺。
やりすぎて頭おかしくなっちまったか、?)
──そうこうしている間に夕方になっていた。
イデアの提出はと言うと、ちゃんと期限までに提出されていた──
「…良かった。」
──安心したのかイデアの表情筋が緩み口角が上がる──
「…っ、」
(あぁ、喰いてぇ。その顔も身体もメチャクチャにしたい。
欲しい。イデア、お前が───欲しい。)
コメント
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ご馳走様です(???)