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「na.na.na… na.na.na…♪」
隣で君が歌う。
という、追憶に溺れた。
あどけない二人が残ってる。
いや、一人か。
携帯が震える。
君からの電話だった。
「久しぶり」
「元気?」
「それなりに」
「ひとり?」
「あいにく」
…今も君の影を見てる
「君は?」
「それなりに」
「ひとり?」
「ちがうよ」
そんな他愛のない話をする。
今の彼氏と結ばれるの…?
そんな、気持ちが心を染めていく。
諦めたはずだったのに。諦めたつもりだったのに。
俺に向ける造花の花束の笑顔。
君がその気なら、
give you up.
そんな気持ちを込めた花束を。
君の未来にそっと贈るよ。
そして、いつの間にか君は結婚していた。
俺以外の人と。
君とは違い、俺はずっと忘れられずにいる。
あの日、一緒にデートしたところ。
あの時、あんなことを言って撮った写真を。
ずっと思い出しながら。
とうとう結婚式。
滲んで輝いたドレス。
すごく似合っていて、綺麗だ。
俺以外の男に可愛いって思われたくてした格好。
ほんとに、そろそろしないと。
give you up.
白く眩く
涙に染まる。
フリをしている。
偽りの祝福で、幸せを願うから。
つい昨日の事みたいだよ。
手を繋いで歩いてた。
日々が残酷なすれ違いの夜。
何故だろう、素直になれなくて。
君から聞かれた言葉に、素直に答えられなくて、いつも曖昧に答えていた。
「愛してる?」
と聞かれた時には
「それなりに」
と、言ってしまう。
「いつも?」
と、聞かれたら。
「たぶんね」
…幼すぎた強がりだよな。
「君は?」
逆に自分が聞く立場になれば、彼女はしっかり答えてくれてたな。
「愛してる」
ウザがらずに、しっかり目を見て、本心を伝えてくれてた。
「いつも?」
俺は、質問してくれた彼女に、あんな態度を取っていたにも関わらず。
「もちろん」
今なら強く抱きしめたいのに
未熟な蕾だった僕ら。
蒼さを残し、無邪気に枯れた。
大好きだった、優しく咲いていた笑顔。
最後まで守れないまま。
彼女の笑顔も守れないのに、俺なんか結婚出来る資格なんてない。
他の人と結婚してよかった。
心底そう思う。
でも、やっぱり俺のものにしたかった。
そうも思う。
涙に染めた。
偽れない想いは、胸の奥にしまうから。
胸を焦がす綺麗な横顔。
ベール越しに目と目が合った瞬間。
動けなかった。
巡り巡る思い出。
数センチの距離が遠く感じて涙溢れた。
「I’m pretender… I’m pretender…」
そう、自分に言い聞かせながら。
さよなら。
あどけない季節見たこともない。
微笑みの君。
無常な時の流れが僕の胸を貫き。
笑顔で泣いた。
今度は俺が、造花の花束の笑顔を君の未来にそっと贈るよ
滲んで輝いたドレス。
白く眩く、涙に染まる。
偽りの祝福で、幸せを願うから。
優しい嘘を纏い、
幸せを願うから。
どうか、俺を忘れて…(忘れないで…)