暗い部屋に、あなたと私の肉が擦れ合う音が響く。
私の口から、小さい声が漏れる。
あなたは黙って私の奥をつく。
私はそれに反応し、快楽の声をあげる。
私が絶頂に達する。
あなたの顔に私の性液がかかる。
私は瞬時に謝罪した。
あなたは目を逸らし、今日はもう終わりだと言って部屋を後にした。
しっかり、いつも通り自分の持ってきた全ての荷物を持って。
あなたはシャワールームに入った。
私は止めない。
止めても意味はない。
そのまま、ただ何もせずベッドに身を投げている。
はだかの身体にどこからか冷たい風が当たった。
少し肌寒い。
そう感じても、私は動こうとしなかった。
シャワールームから水の音が聞こえてくる。
あなたが私を抱いたのは初めてではない。
今までも何度も私はあなたと、このラブホテルで行為した。
そしてあなたは私を抱いた後、身体を洗う。
まるで身体に付着した“汚いもの”を落とすように、時間をかけて。
私は自分の穴に指を入れた。
簡単に、2本の指が入った。
そのまま指を動かす。
でも、私の求めている快楽はやってこない。
今まで何度も突かれていた場所に指が届かない。
先程まで何度も当てられていたところなのに。
痛いくらい、突かれていたところなのに。
私は諦めて、穴から指を抜いた。
ベッドから立ち上がり、洗面所で手を洗う。
そのあとは服を着た。
いつだったか、あなたが私にプレゼントしてくれた服。
でもきっとあなたは忘れているのだろう。
あなたに抱かれる日、私はいつもこの服を着ている。
でもあなたは何も言わない。
気づいてない。
私は財布から紙幣を出し、ベッドの横の机に置いた。
ホテル代だ。
私はそのままホテルを出て、てきとうにタクシーを捕まえて帰路についた。