*stxxx
*桃赤
*nmmn
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解散、と顧問の声。
汗の垂れる首筋をタオルで拭いながら、自身の鞄の中身をがさごそと漁る。
あれ、ノート忘れた。
テストも近いし家で勉強しようと思って詰めたはずのノートが無かった。
部活に急ぎすぎたのだろうか。
まだ完全下校まで二十分程ある、今行けばまだ間に合うだろう。
俺は一緒に帰ろう、と言う友達を断り教室へと走った。
上がった息を整えてから、教室の扉をがらがらと開けた。
すれば、見慣れた奴が目の前に広がって、一瞬体を震わせる。
「おー…まだ残ってたのか」
大きな瞳をくるりと揺らす莉犬と目が合う。
「…さとみ、部活終わったの?」
「おう、ノート忘れた」
俺は莉犬の肩を横に避け、自分の席に向かう。どさっと何札もの本を机の中から取り出し、お目当てのノートを探す。
ノートは付箋が沢山付いているため見つけやすかった。
乱暴に鞄に詰め込む。
俺は鞄を肩にかけ、莉犬の方を見た。
「俺、帰るけど莉犬も一緒に帰る?」
「ん、帰る」
汗が垂れる首筋を、もう一度肩にかかったタオルで拭った。
それから、静まり返った教室を二人で出た。
***
「りいぬさぁ、おれのこと好き?」
「…え?」
突然の言葉に間抜けな声が漏れた。
目をぱちくりと瞬かせ、俺はさとみに問う。
「好きってどうゆう好き?」
「は?そのまんま。おれの事好き?」
「いや…好きだけどさぁ…」
ふーん、なんてしょっぱい対応をするさとみを少し睨んだ。
どうせお前は俺がお前をどんだけ好きか知らないんだろ。
「このままがいいな」
「なに、急に」
「いやぁ…?」
もう、会わなければいいのに。
コメント
4件
最高です!
続き頑張ってください!😭