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鷹槻れん

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鷹槻れん

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#恋愛
水無月 京
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#オフィスラブ
草原草原

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とある休日、傘を忘れたから碁会所まで迎えに来いと電話があったので足を運ぶと、祖父と倫治さんのそばに若い女性がいた。
「ジニアールの神谷社長……ですよね?」
俺はとまどいながらもコクリとうなずく。
先ほど倫治さんが『これは俺の孫の冴実だ』と紹介してくれたけれど、ふたりが血縁だった事実が衝撃すぎて頭の中が一気に混乱した。
しかし彼女がうちの社員だったことは祖父たちも気付いていなかったので、どうやらこれはまったくの偶然らしい。
倫治さんから彼女を甘味処に連れていくように頼まれた。
彼女は話の展開におろおろとしていたが、俺はふたりでゆっくり話す良い機会だと思って快く了承する。
「今まで忘れてましたけど、私、今日はスッピンでした。こんなときに限って服装も……」
案内されたテーブル席でメニュー表を手に取ろうとしたら、突然彼女がそう言って両手で自分の頬を覆い隠した。
今さらなにを、とおかしくて笑いが込み上げてくる。
服装はいたって普通で恥じる部分はないし、スッピンの彼女は普段とそんなに変わらず肌が綺麗で透明感がある。
なのに、こんな姿は見せられないとばかりにあわてる彼女が本当にかわいくて、その表情や仕草から目が離せなくなった。
やられた……そんな感覚だった。
恋に落ちる瞬間なんて誰にもわかりはしないだろうと斜めに見ていたけれど、本当にあるのかとこのとき思い知った。
「とりあえず注文しよう」などと口にして平静を装ったが、俺の胸は高鳴ったままだった。
「ジニアールで働いていると言っても私のことはご存知ありませんよね」
会話の途中で彼女がそんな言葉を口にした。
「知ってるよ。伊地知さんのお気に入りだから」
それもあるけれど、なんなら最終面接のときから覚えている。そう言えば彼女が余計に恐縮するのは目に見えているので口にするのは辞めておいた。
俺が会社で認識をしていると伝えただけでうれしそうな顔をする彼女に、さらにぐっと来た。
今日は傘がなくて困っている祖父を碁会所まで迎えに行っただけだった。
祖父は騙し討ちで見合いをさせるつもりで、俺はまんまと罠にかかったのだから祖父に対して文句を言うべきなのだが、相手が彼女なら話は別だ。
逆に、引き合わせてくれてありがとうという感謝の気持ちが湧いた。ふたりで話をして心の距離を縮めるきっかけになったし、彼女をどう思っているのか自分の気持ちを確認できた。
あとで祖父から「冴実ちゃんはどうだった?」とニヤニヤした顔で聞かれ、今まで見合い話をことごとく突っぱねてきた俺は、器用に態度を軟化できずに言葉に詰まってしまう。
「お前は本当にいつになったら結婚する気になるんだよ。冴実ちゃんはいい子じゃないか。なにが不満なんだ」
激しく俺に詰め寄ってくる祖父に対し、誤解だとばかりに俺は首を横に振った。別に彼女に対して不満なんかない。
「俺はちゃんと、冴実さんとの縁を大事にしたいと思ったよ。彼女は倫治さんの孫で、うちの社員なんだから」
俺の言葉を聞いた祖父が目を丸くして驚き、そのあとすぐにウンウンとうなずきながら満面の笑みを浮かべていた。
まだなにも進んではいないのに、まるでもう結婚でもするかのようにうれしそうだ。頼むから先走らないでほしいと伝えると、静かに見守ると祖父は約束してくれた。
会社では、前々から店舗運営部への転属願を出していた伊地知さんが香椎さんも一緒に連れていきたいと言いだした。
「私には香椎さんが必要なの!」
社長室まで来て俺と朔也に懇願する伊地知さんの言葉は、まるで愛の告白みたいだった。
香椎さんを気に入っているのは知っていたが、そこまで惚れ込んでいるなんてと驚かされた。
彼女はどこの部署でも通用する人材だ。実際、異動後も伊地知さんの評価は高かった。
「お疲れ。帰るのか?」
「ああ……本店に寄ってからな」
コメント
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タイトル「君との縁 ②」、第36話読んだよ〜!🌈✨ 偶然の再会から始まって、スッピンで慌てる冴実ちゃんの可愛さに主人公が「やられた…」ってなるのがもうエモすぎた😭💕 恋に落ちる瞬間って本当にあるんだねって思わされるシーンだったよ! 祖父とのやり取りもほっこりしたし、伊地知さんの「香椎さんが必要なの!」も愛の告白みたいで笑った😂 次も楽しみにしてるね〜!🌸