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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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リクエストrdpn 後輩×先輩


なんて美味しいリクエストをいただいてしまったのか…ありがとうございます!!

ご期待に添えている自信はありませんが、私のパッションのまま書きました。

ご査収頂きたく思います!!


テンションフルマックスで書いたので大変なことになります。








神童というのはこの世に存在する。

断言しているということは、その神童っていうのを見ているからだ。この目で、現実的に。


何を隠そう、この俺がその誰しも認める神童っていうやつだからだ。

「さすがらっだぁだよな」

「お前ならやれるって思ってた」

「ほんとすごいわ、お前」


そうだろうそうだろう、謙遜も遠慮もしないぞ。わかりきっている事だから。

何をしても自分でも驚くほど結果を出せてしまう。飄々と過ごしてさして努力をしていなくても、誰しも結果を見て驚いてくれる。ひいては学校や組織のリーダーかと持て囃されては期待されるが、いかんせん俺は、他人に興味がない。俺以外の人間が、どうなろうと別にどうでもいいし、道に迷う子羊だとしても導くほど慈愛を待つわけでもない。

俺にそんな救いを求めてくる奴らは勝手に期待して勝手に失望して。こちらは至極どうでもいいというのに。こちらからも期待されても何もしないぞと言っていたのに。


嗚呼、馬鹿馬鹿しい。



その言葉を座右の銘にして、国内でも有数な名門高校から公立のごく普通の高校に、志望先を変えて進学した。


それでやっと、親も期待をしなくなってホッとした。




それから、新入生代表として渋々挨拶をしてから早半年。ようやく周りは新入生代表のすごいやつ、から時々面白い事をやるすごいやつ、という目で見てくれるようになった。

勉強しなくても成績を常に上位をキープできるし、素行も悪く無い。スポーツも満遍なくこなせるが、他人と馴れ合うことだけは苦手だ。

当たり障りなく話して場の空気を濁さない振る舞いはできるけれど、じゃあ休日に集まろうかとか、放課後遊ぼうとか、そういうのは思い切り避けてしまう。

塾だから、と一言言えば皆納得する。行ってないけれどな。


「あー……だりぃ……」


昼休みこそ一人になりたい時間はない。飯買ってくるフリして教室を出た後、誰も近寄らないような空き教室や倉庫を色々と探し歩いた先で見つけた穴場。もう使われなくなった空き教室の中から一つ、鍵が壊れた扉の奥の部屋。

ここが、今この学校での俺の城だ。


中には買い込んだ漫画本やらジュースにお菓子と隠して置いている。見つかればお説教だろうが…言い逃れようと思えばいくらでもできる。

今日はもうダルいから昼飯も無しに昼寝でもすっか、といつものように引き戸を開けて中に入る、が。


「あ」


「え?」


暗いはずの部屋の中に、やたら明るいものがそこにあった。


「え、あ?え?」

「あっ、……えーと?ん?一年生?ってことは、これ君の?」


明るい、と思ったのはその人物の髪色は光をよく受ける明るい茶色…もはやオレンジめいた色で、癖のある跳ね方をした髪型だった。

彼が手にしていた漫画本は自分のものだし、何故ここに自分以外の人間がいるのかという目の前の事に色々と情報整理をした。

というか、多分だが、らっだぁはその明るいやつの名前を知っている気がする。


「えー……と、確か、二年生の、ぺいんと…さん?」

「えっ!?オレのこと知ってんの!?すげ!」

「いや有名じゃないです?あんた」

「そうなの?そんなこと無いと思うんだけどなぁ…」


らっだぁ達一年生の間では有名な先輩達というのが何人か存在する。そのうちの一人が確かこの『ぺいんと先輩』だ。底抜けのお人好しで声がでかくて、面倒見のいい先輩だと彼に会ったことのある奴は口を揃えて言う。

ちょっと風紀に厳しいこの学校でやたら目立つ髪色は、生まれつきだと親に証明された事でもまた有名だとかで。

はー、この人かー、と失礼ながらちょっと観察させて頂く。他人に興味は無いけれど、人間観察は進んでやる。どこまで踏み込むか、踏み入られても平気かを測るために。


「ごめんごめん、勝手に読んで…ちょっとサボる場所探してたらここ見つけちゃって。先に君がいたんだなー」

「……たまたま見つけたんで。鍵壊れてますし」

「うん、いいとこ見つけたんじゃん!じゃあオレはこれで!」

「え」


漫画本を元あった棚の奥にちゃんと返してくれたあと、あっさり立ち上がって出て行こうとする。なんだろう、これまで出会ってきたどのタイプの人間とは何かが違う。


「あの、ちょっと」

「ん?なに?」

「漫画、まだ途中ですよね?別に読んでくれていいですよ?…元に戻すなら」


もう少しだけ観察させて欲しい。こういう人当たりのいいタイプは必ず裏があるんだとらっだぁは覚えてきた。だからそれを見抜きたいだけで。


「えっ!?マジほんと!?いいの!?」

「……センパイ声でかい」

「あっ、ごめ…それじゃさ、たまに昼休みここに来ていい?もしよかったらこれ、やる!」


そう言って差し出されたのは購買のカレーパンだ。なかなかの人気商品のはずだが、気前よく渡してくる。


「や、別にいらないですけど」

「そういうなって、先輩からの気持ち!あ、ねえ名前は?」

「………らっだぁです」

「?らっだぁ…?聞いたことあんな、まあいいか!よろしく!」


あれだけ騒がれた一年生代表で、何かと噂になるだろうらっだぁを知らないときたか。この人ますます面白い、とらっだぁは興味を持つ。


「最新刊まで揃えてるとかすげえな。……ごめんオレ読むの遅いから、長らくお世話になる」

「いえ、気にしないでください。俺も好きにしてますから」


それから昼休みの終わる予鈴まで、ぺいんとは黙々と静かに漫画を読み耽っていた。最初は新しいサボり場所を探すべきかと考えていたのだが、なんというか、初対面なのに自分の近くにいても全然気にならない雰囲気の人だった。こちらのことを気にするわけじゃなく、色々聞いてくるでもなく、教室から出る時に改めて御礼と漫画の感想を言われて明るく去ってしまった。

廊下を走っていく姿が、なんだか眩しく見えて、少しだけ名残惜しいなんて思えていた。



それから、二日に一度だったぺいんと先輩の訪問はいつのまにか毎日になり、18巻まであった漫画も19巻、20巻と買い足しても訪問は無くならず、ぽつぽつと会話もするようになった。

いつもは聞き流すクラスメイトの会話でも、ぺいんと先輩の話だと聞き耳を立ててしまうし、学校内で見かけたら「お、いるじゃん」と目でも追った。むこうは教室から見ているらっだぁに気付いていないが、らっだぁは色んな人間に囲まれているぺいんとを良く見つけた。

男女問わない輪の中にいて、結構いじられキャラなのだろう。彼がいるところでは笑いが絶えず、楽しそうだ。その中でも、吹奏楽部の部長と体育委員の二年生、別クラスにいる一年生の四人と連んでいるのに気づいた。中学校からの付き合いがあるらしい。それまでらっだぁは知らなかったが、その四人組は割と有名で、めちゃくちゃ仲が良いとアイドル的な目で見られているようだった。


なのに、彼は昼休みは一人でいようとする。



「センパイって、友達いないんすか?」


初めて出会った頃から季節が進んで、少し寒くなってきた頃。お互い膝掛けやら座布団など持ち込んでぬくぬくと漫画を読み進めていく。秘密基地と化したこの空き教室は、すっかり居心地の良い私室になっていた。

ついでに漫画の種類も増やして、万が一教師が入ってきても気付かれないようカモフラージュも欠かしてはいない。いつか聞こうと思っていた疑問をぺいんとに投げると、思いっきり噴き出された。


「えっ…wそれらっだぁが聞いちゃう?なんで?」

「色んな人と仲良いじゃないですか、センパイ。なのにずーっとここにいるから、なんでかなって」


漫画があるから、って言われるんだろーな、とドライに構えていたが、じっと推し黙るぺいんとは珍しくてつい顔を上げてしまった。

そこには、耳まで顔を赤くしたぺいんとが俯いて固まっている。


「は?」

「え、っ…だって、もうらっだぁ友達やん…?オレはそう思って、いるけど、どう?」

「都合いい漫画持ちの後輩、ではなく?」

「そんな酷いやつじゃないってwなんかさ、らっだぁとは気を遣わずに一緒に居れるというか…わかんないけど、すげえ落ち着くんだよな」


顔を赤くしたまま言うのはこちらも顔が熱くなる。今までそんなこと、言われたことがない。


「……おう…えと、良かったです」

「そんだけ?まあでも、改めて友達、よろしくな?」

「うん…」


なんて返せばいいかわからなくて、でもめちゃくちゃ嬉しいのと、はにかんだぺいんとの顔をまじまじと真正面から見ていたら「かわいい」と思えて、胸が苦しくなる。


その日から、余計に校内でぺいんとの存在を意識するようになってしまった。






昼休みの集まりは変わらず続いていたが、少しずつ変わったことがある。会話が増えていった。

他愛もない漫画の話からゲームの話、試験はどうだった、という学生らしい話もしていたがお互いの事を少しずつ話すようにはなった。


本当に仲が良いのは中学からの付き合いあるいつもの四人組ぐらいで、他はクラスメイトや顔馴染み、で済まされてしまう間柄に過ぎないこと。……教師たちからあまり評価はよく無いことなどだ。


「成績が悪いとか、素行が悪いってわけじゃないんだけど、髪色のせいかな。あと、不良グループとも普通に話すこともあるから……よく、勘違いされる」

「ああ、なるほど」

「まあでも、皆フォローしてくれるから平気。らっだぁは実はめっちゃすごいやつってのもしにがみから聞いたし」

「……あのちっこい人か」

「そうそう。トラゾーとクロノアさんもそう言ってた。今度皆でマックでもいく?」


ぺいんとの話だけだが、いつも仲の良い3人のこともわかってきた。校内で騒がれている四人の話は、正直ぺいんとしか興味なかったけれど、ぺいんととどの程度仲が良いのかと探る意味で色々聞いた。


「ん〜……気が向いたら」

「まあそうだよな、そのうち行こ。漫画のお礼で奢りたいし」

「二人じゃダメなん?」


思わずポロッと言ってしまった言葉に、らっだぁもぺいんともえっ、と驚いてしまった。


「二人でもいいなら全然いいけど、つまらなくない?オレと行っても」

「いや、俺は先輩となら全然」

「そっかぁ、じゃあさ明日行こう?今日の放課後はちょっと用事あるからさ」

「りょ」


素っ気なくオッケーしてしまったが、実はめちゃくちゃ嬉しかった。放課後に誰かと約束するなんて初めてすぎて舞い上がってるのもある。

それと同時に、放課後の用事ってなんだろうかとも気になって。




気になり過ぎて、放課後、いつもは速攻帰るところをあえて居残りしてしまう程度には。

それとなく校内をふらついてもぺいんとの姿はない。何もしていなくても目立つ彼は、あの大きな地声すら聞こえない。

もう帰ったのか、それとも校外での用事だったのかと最後2年生の下駄箱を見てから帰ろうと少々ストーカーじみた真似を試みた。

……ぺいんとの下駄箱にはまだ外履きのスニーカーが残されている。彼らしい明るい色のラインが入ったものだ。

まだいるんじゃん、ともう一度2年生のクラスに戻ってみると、人の話し声が聞こえた。


そっと覗き込むと、あの明るい髪色の彼は俯いていて、その周りを3人がじっと取り囲んで何やら話している。あれが仲のいいいつもの3人なのだろう。3人の真剣な顔は見えたが、俯くぺいんとの顔はわからない。

しかし、一年生で一番小さいと有名になったしにがみが不安そうな顔でぺいんとの顔を覗き込んでは背中や肩をさすったり、ジャージ姿の…おそらくトラゾーはティッシュを差し出しているあたり、まさかとは思うが泣いているのではと見えた。あのぺいんと先輩が泣いてる??と思うと急に胃が冷たくなる。笑っている顔しか覚えがないのに。


「……いよ、それは。ぺいんとさん、悪く無いから」

「……さすがに……だからさ……」

「……大丈夫、俺らみんな味方だから」

「うん……ごめ……ごめんっ……」


教室の外にいるらっだぁにも聞こえてくるほどぺいんとの泣き声が大きくなる。何があったんだろう、どうしたのか。教室に飛び込んで行こうかと思い悩んでいたら、残る一人、クロノアだろうその人が泣き崩れているぺいんとを優しく抱き込んでいく。


は?


宥める、にしてはずいぶんと大胆だが、それを残る二人は普通に見守っているし、ぺいんともそのままクロノアの胸を借りて泣き続けている。

え、まさかそういう?……と変な考えが過った瞬間、凄まじい不快感で吐き気がした。

そんなんじゃ無いんだと理性では理解している。だけど、何で俺じゃないんだ、という理不尽な怒り、焦り、哀しみが渦巻く。

見ていられなくて慌ててその場を離れて、家までほとんど走って帰った。

ぐちゃぐちゃな頭の中を落ち着かせられなくて、一体何がどうしてこんな自分は怒っているのかと冷静に自己分析をしようとしてもしばらく無理だった。


明かりもつけない部屋の中で、じっと考え続けて数時間して。やっと落ち着いた果てに紛れもない「嫉妬」からの怒りで、らっだぁはぺいんとに対して恋愛感情があるのだと結論着く。


「………そう、かぁ。そうだよな」


自分だけのぺいんとだと、思えていないとダメなのだと。









翌日、昼休みに現れたぺいんとはいつも通りだった。相変わらず明るくて、おもしろおかしく話をし、昼休みをあっという間に終わらせてしまう。


「じゃあさ、放課後下駄箱で待ち合わせな」

「……了解ッス」

「また後でな〜!」


そしていつも通りあっという間に去ってしまう。その背中を見離せずにしばらく立ち尽くした後、仕方なく受けた午後の授業は時間の流れが物凄く遅く感じた。




放課後、待ち合わせた下駄箱では色んな人に手を振るぺいんとがいた。これから昨日一晩かけて考えた言葉を言うのが途端怖くなって、足が重くなったせいで見たくないものを見てしまった。彼は、大勢の人の輪の中にいるぺいんとだと。


「らっだぁ!よし行こうぜ!腹減った〜!」

「…あの、先輩」

「うん?どうした」

「ちょっとだけ寄りたいところがあるんです。付き合って貰えますか」

「お?いいぞ!」


何の疑いもなく快諾する笑顔に、少しだけ罪悪感もあるがやはりぺいんとならそうだよなと読み通りで安心する。

そしてぺいんとを連れて来たのは、学校からほど近いところにあるマンションだった。


「あ、ここ俺の家です」

「うお、こんな近いのか!すげえいいなぁ」

「少しだけ上がってもらっていいですか。時間…取らせないので」

「いいよ〜」


ぺいんとを連れて、朝出たばかりの自宅に向かう。ぺいんとには色々知られてしまうが、それでもいい。明日にはもう話してもらえないかもしれないから。


「お邪魔します……あ、親は、仕事?」

「あまり、家に帰ってこないのでほぼ一人暮らしなんです」

「えっ!?そうなんだ?!」

「……前に言ったと思うんですが、ちょっと色々あって」


将来を有望視されていたらっだぁが、全て裏切るように公立の今の高校を決めた時から家族関係がおかしくなった。その詳しいことは話していないが、ほぼ一人暮らしと聞いて色々察する事もある。


「でも掃除とかちゃんとしてるんだな、えらい」

「まあ、それなりには」


褒められて悪い気はしない。ちょっと照れるのも隠してリビングに入ってもらい、一度荷物を部屋に置いて、一呼吸置く。言わなければ、聞かなければと自分を奮い立たせて。


「……センパイ」

「ん?どした」

「昨日、何があったんですか」

「………え」

「俺、昨日、見たんです。センパイが泣いてるところ」


あ、とぺいんとの顔から笑顔が消える。よくよく見るとまだぺいんとの目元が赤い。かなり泣いていたんじゃないかと、勝手に思う。


「そしていつもの三人と話しているところも、その時、あの、……慰められていたのも」

「え、…」

「頭じゃちゃんとわかってたんです。一番仲の良い友達なら励まして慰めるのも。だけど……だけ、ど」


心の底から言いたく無い言葉を言わなきゃならない時は、泣きそうになるなんて知らなかった。喉が詰まって目の前が潤む。緊張で頭がフラフラするほど血が上って、冷静さが消えてしまう。


「……クロノア先輩にいつもあんなことされてんですか…っ…」

「あんな…?……あっ」


抱き寄せて他人を慰めるなんて、家族や恋人でしかやらないんじゃないのかと。


「でも、別に友達ならっ…」

「わかってる、わかってんです」


友達なら、抱きしめて慰めるなんて泣き止んで欲しいと思う以上に意味はないのだとわかってもいる。だけれど。


「でも、俺、めちゃくちゃ嫌だったんです」


見た瞬間のあのショックは。なんと言えばいいのかまだ今もわからない。


「めちゃくちゃ腹立って、嫌になって、なんで、俺じゃないんだろうって馬鹿みたいな考えして」


ただ思いつくままでしか言葉が言えない。幼稚だと思うけど仕方ない。感情なんて、もう消えていると思ったのに。


「……センパイが好きで、誰にも渡したく無いってしか思えなくて」


いつも自分だけに笑ってくれるセンパイさえいればもう何もいらないと、思ってしまった。


「ごめん、センパイ」




「……そ、っかぁ」


顔を赤くしたぺいんとは、ちょっとしばらく黙っていたが、うん、と一人で頷いてらっだぁに向き直る。


「あのさ、じゃあ、ちょっとらっだぁ。抱きしめてみる?」

「えっ、」

「物は試しというか、本当にらっだぁはクロノアさんみたいにしたかったのかって…」

「え、いや全然喜んで」

「じゃあどう……うわっ!?」


ぺいんとが両手を広げてはい、とした瞬間に飛びついていた。勢いあり過ぎてソファーに倒れ込んだけど気にせずに思い切り。


抱きしめた瞬間、思うより細い体とか、いつも見ていた明るい髪はがめちゃくちゃ近いとか、もう色々考えて感じた。それより、思い切り抱きしめるあまりぺいんとが苦しいというほどに夢中だった。


「え、あ、ごめ」

「……っど、どう、なの」

「めちゃくちゃうれしい、しかない」

「声のトーンそんなに変わらないけど、嬉しいんだな?そうかぁ」

「あの、ほんと、センパイ好きなんです」

「………へ?」

「恋愛で、ガチで」

「やっぱ、そうなん?」

「おねがい…付き合ってください…」

「うっ…その頼み方ズルい」

「大事にします、一生養う、離さないから」

「重っ…けど、らっだぁなら、いいよ」


自分の下でされるがまま抱きしめられているぺいんとが、よしよし、と言わんばかりに背中を叩いてくれる。その行動も言葉も、何もかも予測と違ってて。


「うそ」


これは現実なのか??と信じられなかった。だって身勝手に告白したばかりだ。拒絶されると思っていたもので、つい口から本音が出ても仕方ない。


「自分が告ってきただろ?!」

「やっ………たぁ〜〜!!!」


初めて、その震える感情に任せて声が出てしまう。なんだこれ、めちゃくちゃ嬉しすぎる。


「え、そんな声も出せるん!?」

「めっちゃうれしい、よろしくお願いします!」


もう一度思いっきり抱きしめた拍子にまたソファーに押し倒してしまう。顔を真っ赤にしたぺいんとが可愛くて仕方ない。しばらく抱き心地を堪能して、いよいよ腹が減ったと立ち上がる手前で、どさくさに紛れてキスしたらマックに向かう道中一言も話してくれなかった。




終わり



甘酸っぱい青春にしたかった(遺言)

みどくり様から拝借いたしました、「学生パロで後輩×先輩なrdpn」でした。

すけべ書いていいのかわからず、とりあえずキス止まりでよろしくお願いします…

すんごいテンション上がるネタで「長編にしてしまう…このままじゃ…」と震えました。

書きたいところだけザクザク書かせて頂きましたが大丈夫でしょうか。リテイクお待ちしております。リクエストありがとうございました!!





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