この作品はいかがでしたか?
14
この作品はいかがでしたか?
14
野球部の坊主って、なんか理由があるのだろうか。
ちっぽけでつまらないチームワークに、恋愛気質な少年ばかり。
いつも群れてばかりいるその姿にガキっぽさを感じていた。
あの人たちはなにが楽しく生きているの?
自分の好きなものをバカにされた怒りからか、込み上げてくるものがあった。
サッカー部のような通気性の良い服は着ていないし、髪の毛だってない。
そんなやつらが調子に乗るな…と、なぜか恋バナで怒りをぶつけていた。
「またそれ〜?今度はなにがあったの?」
話を聞いてくれる友人たちも、野球部のガキっぽさに苛立ちを感じていた。
とにかく彼女が欲しい人、とにかく家に連れ込みたい人、とにかくキスをして見たい人…
話を聞けば聞くほどクズだということもよくわかった。
バレエだけのために生きてきた私だからから、野球のためだけに生きなよと思ってしまうぐらい毎日が楽しそうな姿に腹が立った。
今日もバレエか…
時間になるまでは教室に待機して、そこから直接向かう。
髪の毛はまとめて固めてしまうから、野球部のようにシルエットは坊主だった。
「はぁ、見られたくない」
誰にも見られないようにギリギリまでヘアセットをしなかった。
そして誰にも会わないように、いつも走って移動していた。
今日もそのつもりだった。
いつも通りに走っていると、
「ぎゃー!」
勢いよく声を出して転んだ。
出会い頭に誰かとぶつかったようだ。
頭をぶつけて意識が遠のいていく…
見えるのは…血?
嘘…私血が出ているの?
余計に自分の意識を遠のかせてしまった。
私はその時の記憶を、ここで失っている。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!