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うわぁぁぁ😭😭語りちゃんの小説って世界の宝だね!(?
どうも語り部です!
イベント事とか行事の時はこちらで番外編として投稿させていただくことにしました。
まぁ学パロでは無く会パロなんですけどね。
では今回のお話です
今回のあらすじ
ハロウィンなのに仕事でお菓子が貰えず、次の日を迎えてしまった日本。
それでもお菓子欲しさに仮装をするが…?
注意事項
・会社パロディ(会パロ)
・日本愛され要素あり
・フラ日要素強め?
・今作品には、政治的意図、戦争賛美、特定の国、人の誹謗中傷意図はございません。
深夜まで続いた仕事で鉛のように重い体を引き摺るように歩く家路。
昨日がハロウィンだった事が嘘だったかのように静まり返った街をただ一人寂しく歩を進める。
「結局お菓子食べれなかったなぁ…」
昨日の後悔をぽつり。
早く終わらせたはずの仕事は、彼の上司によって呆気なく増やされていた。
今からコンビニへ向かい、お菓子を買う。そんな気分ではなかったし、睡魔が嘲笑うように押し寄せている。
朝にカレンダーを見た時の煌めく瞳は、今は悲しそうな色をうかべていた。
朝のアラームが鳴り響き、ぱちりと目を開ける。
いつも通り小鳥の囀る声が聞こえ、カーテンを開けると思わず目をつぶるくらい眩しい光。
…だが、いつも通り出ないことがひとつ。
「…仮装、しますか!」
…そう、彼は吹っ切れていた。
お菓子を食べれなかった後悔も、上司への憤怒の感情も。全てなかった事のように。
昨日できなかった楽しみを、思う存分楽しめるように。
いつもではありえないワクワクとした表情で、会社の準備を進めた。
会社に着き、日本の部署と同じ階にある更衣室へ真っ先に向かう。
ハロウィンの1週間前からせっせと進めて、クローゼットに仕舞っていた衣装を鞄から取りだし、まじまじと見つめた。
ハンドメイドや裁縫が昔から好きだった事を思い出し、久しぶりに布から用意して作った魔女の仮装。
久しぶりとは思えないほど精巧に作られた上着や魔女帽に、我ながら、感嘆の声を漏らしそうになる日本。
袖口に手を通してみて、上着も着て…最後に、トレードマークの魔女帽子。
スカートはどこか恥ずかしくて、ズボンで代用した。
完全に着替え終わると、壁際に置いてある鏡の前に立ち、少しヒラヒラしている上着を確かめるようにくるりと回って見せた。
うん、なんだかいい感じだ。
嬉しくなって、ルンルンとした足取りで部署に向かい、部署内で話し声が聞こえることに、ニコリと、企んだような顔。
ガチャリという軽快な開閉音に、お決まりのセリフ。
「トリックオアトリート!お菓子くれなきゃいたずらしちゃいますよ〜!」
突然の事に、ポカンとした顔を浮かべるのを一瞥し、ニコニコしている日本。
いつも真面目に仕事をこなすであろう人が、スーツを着ていないこと自体がおかしいのに、そこに加えて突然のセリフ、驚くのも尚更だろう。
そこでもう1人の真面目が口を開いた。
🇩🇪「日本…?どうした、頭でも打ったか?」
心配そうに瞳を揺らすドイツに、日本は思わず被りを振った。
🇯🇵「あっ!いえ、そうではなく…」
🇯🇵「昨日ハロウィンだったのにまともにお祝いとか出来なかったなぁって思ったので…」
🇮🇹「…それでその格好?」
🇯🇵「えへ、すみません。ずっと楽しみにしていたものですから…」
少し俯き加減になる日本に周りは咎める所かゴクリと固唾を飲んだ。
その時だけだろう。全員の考えが一致したのは。
(((((日本が可愛すぎる!!!)))))
日本という国自体が、イベント事や行事等を慮り、大切にし、楽しむ。そんな傾向が強いことは知っていたが…
昨日お祝い出来なかったからと今日楽しもうとする姿…
なんだか、そそられるものがある。
🇯🇵「あ、えっと…すみません、すぐ着替えてきます…」
周りがみんな黙ってしまったのを見て、まずいと思ったのか。はたまた後から来た羞恥心か。
日本は急に頭を下げると、扉へと歩を進める。
(まずい、このままではあの姿が見れなくなってしまう!!)
そう思って止めようとするが、もうその手には取っ手が握られていて…
そう思ったと同時か、日本の意志関係なく開いたドアに、バランスを崩して、ふらりと倒れた。
🇯🇵(まずい、地面にぶつかる…!?)
そう思ってギュッと目を瞑ったが、いつまで経っても衝撃が来なかった。
恐る恐る目を開けると、そこにはアメリカが。
🇯🇵「あ、アメリカさん!」
🇺🇸「よ!Japan!」
日本が思わず声を上げるとニカッと歯を見せるアメリカ。
それを見て、転ばずに済んだ日本にほっと一息を吐いたドイツたちを他所に、アメリカも服の違いに気がついた。
🇺🇸「というかJapan!その服どうしたんだ?」
🇯🇵「あっ、えっと、これは…」
🇯🇵「ハロウィンの仮装ですよ。昨日楽しめなかったから…」
🇺🇸「理由可愛すぎないか?」
日本が理由を話している途中で遮り、爆弾発言を堂々と投下するアメリカ。
🇯🇵「え、あ?……可愛い!?」
🇺🇸「yes!すっごいcuteだ!」
そんな言葉を聞いて段々と赤くなっていく日本の頬。まるでリンゴみたいだ。
すぐ赤くなるところとか、やっぱり可愛いなあと考えが頭を埋め尽くすが…
…ってそうじゃない!
このままではまずいと思ったドイツたちが、やっと口を開いた。
🇬🇧「アメリカ。日本さんから離れなさい。」
🇺🇸「はっ、嫉妬ご苦労サマっ!別にJapanは嫌がってないからいいだろ?」
軽口を叩く、と言うか、今出来る最大限の煽りにピキっという音が聞こえた気がした。
…これは、イギリスがめちゃくちゃ怒ってるのがわかる。
🇩🇪「いや、それとは別件だ」
同じくらい怒っているドイツ、ニコニコとはしているが、目は笑っていなそうだ。
🇩🇪「お前、堂々と登場したが…遅刻だぞ?」
それを聞いて、ハッと青ざめるアメリカ。
ギ、ギ、ギと音が付きそうなぎこちない動きで時計を見やると…
始業時間から15分以上経っている時間が示し出されていた。
🇺🇸「っあ〜…これは…違くて、だな?」
焦っているのが丸わかりな動揺の仕方に、いくら鈍感な日本でも直ぐに理解していた。
🇩🇪「…着いてこい」
にこっと笑ったドイツとイギリスに連行され、断末魔を上げながらフェーズアウトするアメリカに、ポツンと残された日本。
🇮🇹「……アメリカ、ご愁傷様…」
↑(いつもは遅刻常習犯)
日本が仮装していることに慣れてきた昼下がり、フランスが後ろからぎゅっとハグをした。
所謂バックハグだ。
🇫🇷「にーほん!」
🇯🇵「ぅわっ!?」
ビクッと肩が揺れる日本、思わず声の主へ顔を向ける。
🇯🇵「も、もう!急はやめてくださいっていつも言ってるじゃないですか…」
フランスを咎める姿も、可愛らしい。
なんだか子供が怒っているようだと、自然と笑みが零れた。
🇫🇷「ごめんごめん!ついいつもの癖で!」
🇯🇵「まぁ、いいですけど…」
🇯🇵「それで、どうしたんですか?」
半ば諦めているのか、呆れているのか。
ぱっと話を切りかえ、こてんっと首を傾げている。
🇫🇷「かーわいっ、じゃなくて、」
🇫🇷「今日来た時にトリックオアトリートって言ってたでしょ?」
🇯🇵「確かに言いましたね…?」
🇫🇷「もう1回言ってよ!」
一瞬漏れ出た本音に気づかなかったフリをして、本題に入ったフランスの話を聞く。
が、それは予想だにしないもので、えっ?と聞き返してしまった。
🇫🇷「だって〜、日本、お菓子欲しいでしょ?」
🇯🇵「!もしかしてあるんですか✨」
思わず目を輝かせると、くすっと笑われ、子供らしいことをしたと自覚し、少し顔を赤らめた。
🇯🇵「あ、すみません…//」
🇫🇷「ふふ、全然いいよ?」
🇫🇷「それで、言うの?言わないの?」
🇯🇵「もちろん言います!」
食い気味に答え、お菓子を貰えるワクワクで跳ねる心臓を抑えつつ、あの言葉を口にした。
🇯🇵「トリックオアトリート!お菓子くれなきゃいたずらしますよ!」
🇫🇷「お菓子ないからトリックで。」
🇯🇵「…ふえ?」
予想していた返答とは違うものが耳を通り抜けた。跳ねていた心臓は急に落ち着きを取り戻し、聞き返すような形で、間抜けな声が漏れる。
🇫🇷「別に、あるなんて言ってないしね?」
🇯🇵「うぅ…ひどいです……ふらんすさんのおたんこなす!」
🇫🇷「(悪口のつもりなのかな?)ごめんごめん!でもトリック出来るからさ?」
🇯🇵「…じゃあまた今度お菓子作ってください」
🇫🇷「わかった!じゃあ”また”家にお邪魔するね!」
🇯🇵「えへへ!やったあ!」
その言葉を聞いて、ずっと聞き耳を立てていた奴らがピクっと反応したのを、フランスは目ざとく見逃さなかった。
🇫🇷(…丁度いいし…このまま牽制しちゃお!)
🇫🇷「ねぇ、日本?」
🇯🇵「はい?」
🇫🇷「Trick or Treat!」
🇯🇵「え…と?」
🇫🇷「僕に言ったって事は、お菓子用意してあるんだよね?」
🇯🇵「そ、そんなのありですか!?」
🇫🇷「もちろん!僕もお菓子欲しいからね!」
流石にまずいと思ったのだろうか。
盗み聞きしてた奴らが声を上げた。
🇬🇧「フランス。それはルール違反なんじゃないですか?」
🇫🇷「なんで?僕は日本くんと同じことをしただけだけど?」
🇨🇳「…まぁ、一理あるあるな。」
🇷🇺「お前誰の味方だよ」
🇨🇳「…別に。誰の味方でもないある。」
🇫🇷「こんな野次馬は置いといて、日本はお菓子あるの?」
🇯🇵「あ、う、ない、です…」
その言葉を聞いて、勝った…と勝利の笑みをこぼした。周りが監視するように見てきてはいるが、そんなの気にしない。
そんな余裕そうな表情で、フランスはこう告げた。
🇫🇷「じゃあ、キスするね?」
🇯🇵「え???」
🇫🇷「ほら、おいで?」
日本や野次馬が放心しているのをいい事に腰を軽く抱き、眼前まで頭を近づけた。
一つ一つの指の形を確かめるように、ゆっくりと指を絡めていく。
それだけで、顔が染まるものだから、とても可愛い。
🇺🇸「おいフランス…?誰の許可得てそんなことやってんだ?」
そんな甘々な空気をぶち壊すかのように、地を這うような低音に、思わず舌打ちをした。
🇫🇷「あのさぁ…?いい雰囲気が分からないわけ?」
🇺🇸「俺には無理矢理やってるようにしか見えなかったけどな…?」
正に一触即発の状況。
その中でも、未だ腰を抱かれ続けている日本は、もう限界だった。
ばっとフランスの顔を自身に向けさせ、口に羽のように軽いキスをやってのけた。
フランスの手が緩んだのを見て、ばっと跳ね退く。
初めて自身からキスをしたものだから、顔が今までにないくらい赤い。
その様子を見て、その場にいる全員が放心していた。
いつもスキンシップを拒む彼が、自分から。しかもキスをしたのだ。
…羨ましい。
そう思った時には遅かった。
🇮🇹「に、日本!僕!僕にもやって!」
🇩🇪「…俺からやってやるからこっち来てくれ。」
🇨🇳「…勝手にしろある」
🇷🇺「日本、俺としたいだろ?」
🇺🇸「日本…俺以外の奴と…(ブツブツ)」
🇬🇧「紳士として、エスコートしますから、私とやりましょう?」
怒涛の如く続いた言葉にあたふたする日本、その瞳は困惑の色をうかべているものの、昨日のように煌めいていた。
この騒ぎは、カナダが会議から帰ってくるまで続いたそうな…
はい!終わりです!
1日遅れで禿げそうです…👴🏻
最後雑だし、カナちゃん登場させるの忘れてましたし。次からもっとクオリティあげたいですね…
ちなみに当日の深夜に気づいて書き始めたのでほぼ一日で仕上げました。
頑張った…()
ではまた次のお話で。
おまけ