テラーノベル
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俺は勇斗の肩にもたれたままポソポソと話し出す。
「…俺、勇斗の気持ち聞いてから、ずっと考えてた」
「うん、」
「好きってなんだろう、友情と愛情の違いってなんだろうって」
勇斗は静かに俺の声に耳を傾ける。
「勇斗のことは好きだし、普通の友達以上なんだけど、それは勇斗が俺に伝えてくれた好きとは違うような気がして…」
「……うん」
「でも、違うって言いきるのもまた違う気がしてた。…それで、悩んでるとき、あの出来事が、…っ」
あの出来事、と口に出した瞬間
嫌な記憶がフラッシュバックしてきて、自分の意思とは関係なく身体が震え始める。
勇斗は肩にもたれる俺の頭を撫でてくれる。その手にまた安心する。
「…はぁ…、それで、あの出来事が起きて………。助けて、ほしいって思った時に…思い浮かんだ…のは勇斗で…、」
俺はつっかえながらも気持ちを言葉にしていく。
「あの時、勇斗が来てくれて本当に助かったし、すごく…嬉しかった。その後も、ずっと、勇斗のことばっか考えてる。怖いって、いやだって思った時、勇斗にそばにいてほしくて、勇斗の傍だと安心できる。」
勇斗は俺の頭を撫でながら、小さく相槌をうつ。
「…俺、……時々、あいつに触られたことを思い出して、無性に気持ち悪くなる。無理矢理、キス…されたのとか、その…身体を触られたのとか…」
無理に話さなくていいと、心配そうに言う勇斗に大丈夫と言って話を続ける。
「そんな時に浮かんでくるのも、勇斗なの。…俺に、触れたのが、…キスをしたのが…勇斗だったら良かったのにって。」
「えっ」
「……勇斗なら、いい。…勇斗が、いい。」
「じん、と…」
「そんなこと思うの、友達を越えてるじゃんね……。」
そう言って笑うと、勇斗の身体がピクリと動く。
「…俺、勇斗が…好き、みたい。」
そう告げた瞬間、身体を抱き寄せられ、ぎゅうっと包まれる。
そのまま勇斗の身体にすっぽり包まれていると耳元で鼻をすする音が聞こえる。
「…グスッ…」
「…勇斗、泣いてる?」
「…泣いてないっ」
「いや、絶対泣いてるでしょ(笑)」
ポンポンと勇斗の背中を優しく叩く。
「……じんと、………好き。」
耳元で聞こえるそんな勇斗の声に、ドキリとする。
「俺も、好きだよ」
「恋人になってくれる…?」
「うん、これから…よろしくね」
勇斗からの好きと言う言葉。
前に聞いた時とは違う胸の高鳴り。
ドキドキしながら、しばらく抱擁を続ける。
「……ねぇ、勇斗?」
「…うん?」
「お願いが、ある」
「お願い?」
「うん、………その…、上書きして…ほしい」
……恥ずかしいな。恥ずかしいんだけど、でも、あの気持ち悪い感覚を勇斗に上書きしてほしい。そんな思いで言葉を紡ぐ。
「…うわがき…?」
抱き締めてた身体を離し、俺の顔を見つめる勇斗。その視線に、顔が熱くなっていく。
「……ん、嫌だったこと、全部忘れたい。だから、…勇斗のキスで…上書き、して…?」
……多分、俺の顔は真っ赤だろう。
恥ずかしすぎて涙がでてきそう。
「ぐっ…」
勇斗から謎の呻き声が聞こえる
「勇斗…?」
「…それ、無自覚なの…?」
「んぇ…?」
無自覚って何が?
「(あまりにも可愛すぎる…)」
勇斗がボソッとなにか言ったが聞こえない。頭に?を浮かべてると、またぎゅうぎゅうと抱き締められる。
「??」
「…仁人」
「うん?」
「…ちょっとでも嫌だとか怖いって思ったら言って。」
真剣な表情でそう言ってくる
緊張してちょっと身体に力が入る。
「…勇斗なら、大丈夫」
そう告げると、勇斗が天を仰いでなにかをこらえるような顔をしたが、すぐ俺を見つめる。
「…ほんとに、…するからね?」
「う、うん」
ドキドキしながら、俺はぎゅっと目をとじる。すると、ふわりと勇斗の香水が香り、唇にふにっとした感触がする。すぐ離れていったそれに、目を開き勇斗をみる。
「…嫌じゃない?」
そう、心配そうに俺に問いかける勇斗。
なんだかそれがおかしくなってくる。
「ふふ…っ」
「なんで笑うの」
「……好きだなって思って」
「おまっ…じんちゃん、それは反則でしょお……」
耳まで真っ赤にした勇斗が顔を手で覆いへにゃっと笑う。
「……勇斗とのキスは嫌じゃない、…だから、」
もっとして
そう言った俺の言葉は呑み込まれ、また唇を塞がれる。
勇斗とのキスは、無理矢理されたあの気持ち悪いものとは違う。なんか、すごく幸せな気分になる。
ちゅっちゅと角度を変え、沢山キスをされる。とじた唇をノックするように遠慮がちに舌でつつかれ、俺は唇を少し開くと、するっと舌が入ってきた。
丁寧に、ゆっくり歯列や上顎を舐められ、勇斗の舌で口腔全体をまさぐられていく。
「…ん…ぅ…ふっ…ンン…」
無意識に鼻にかかった声がもれる。
舌を絡めとられ、唾液が混ざり合い水音をたてる…息が間に合わなくなってきて勇斗の手をきゅっと握ると唇が離れていく。
「ふぁ…ぁ…っ……」
「…ハッ…っ…」
離した唇が銀の糸で繋がる。
キスだけでこんなに気持ちいいことあるんだ…。ぼんやりとそんなことを考える。
「はやと……、」
「ん?」
「…キスだけじゃなくて、もっと…触られたとこ…全部、上書きして…?」
「……っっ!!!」
俺の言葉に勇斗は息を詰める。
俺の言うままに手を出していいのか葛藤してるらしい。俺が傷付くんじゃないか、恐怖を思い出すんじゃないかっていろいろ思考してるんだろう。
ほんとバカ真面目で、優しいやつ。
「おねがい。」
「……わかった。」
怖いと思ったらすぐやめると言って、俺をひょいっと持ち上げる。
「うわぁ!?え、」
「寝室いくよ」
耳元でボソッと呟かれ、顔に熱が集まる。あれ、待って、俺、良く考えたらすごいこと言った??
「あ、歩ける!歩けるから!」
恥ずかしさにそう言ってみるが、勇斗は俺を抱えたままスタスタと寝室まで歩いていき、ベッドの上に優しく下ろされた。
どうしよう、俺どうしてたらいいんだ?上書きはしてほしいけど、耐えられるのか?てか、自分でいっておいてあれだけど上書きってどうするの?
そうぐるぐると考えてると勇斗がふっと笑う。
「安心して、仁人が嫌なことはしない。仁人が上書きしてほしいところだけ、俺に触れさせて?」
甘い声でそう告げる。…ずるい。
こくりと頷くと、微笑んで目蓋やおでこにキスをしてくる。無意識に入ってた身体の力が抜けていく。
Tシャツの裾からするっと手が入ってきて、ビクリと身体が揺れる。
「…平気?」
「だいじょうぶ」
勇斗は頷き、俺の服を捲っていく。全然怖くはないけど、めちゃくちゃ恥ずかしい。
「少し、赤くなってる…?」
捲りあげられ、露になった俺の肌を見て勇斗がそう呟く。
「あ…たぶん、いっぱい洗ったから…」
あいつに触られた感触を思い出して嫌で嫌で沢山洗ったところが少し擦れて赤くなってるんだろう。痛みはないけど。
そう言うと、勇斗は一瞬痛そうな顔をする。
「全部、上書きするから…、嫌なことは忘れて」
そう言ってまたキスをしてくれる。
俺が微笑みながらこくりと頷くと、首もとに唇が降りてくる。
吐息を感じてくすぐったい。リップ音を立ててキスをされる。
脇腹を触れるか触れないかくらいで撫でられ、小さく声が漏れる。
「っ…ぁ、」
そんな自分にビックリして捲りあげられたTシャツの裾を持って顔を隠す。
あいつに触れられた時はただ気持ち悪いだけだったけど、勇斗に触れられると熱くて、恥ずかしくて、気持ち良くて…触れる人が違うとこんなに違うのかと思う。
勇斗は俺の様子を伺いながらも、身体中にキスの雨を降り注いでいく。その度にじれったいような快感が身体を巡っていく。
「っ…ぁ、……ッ、はやとっ」
「仁人、すきだよ、だいすき」
「ぁ、…ん…っおれも好き」
勇斗にたくさん触れられ、舐められ、撫でられ、あの忌々しい感触は全て拭い去られる。
「怖くなったら、俺のこと思い出して」
「ん、勇斗しか、考えない…も、大丈夫だから」
そう言って抱き締め合う。
…上書きは、終わり…。
なんだけど、下半身のそれが熱を持ってしまった。上半身触られただけなのに…まじか…これ、どうしよう…。
俺はもじもじと足を閉じる。
そんな俺に勇斗が気付く。
「…それ、…どうしたい…?」
どうしたい、とは。
1人で抜くか、…勇斗にしてもらうかってこと…?
俺を怖がらせないように選択肢をくれてるんだろうけど、どっちにしても恥ずかしい。
………けど、
「…触って、ほしい。」
「わかった」
そう言うと、勇斗が俺のものにズボン越しに触れる。
「っ、…っ」
ピクッと腰が跳ねてしまう。
すると、俺のズボンに手を入れ直接触られる。
「んぁっ…!?…ッ…」
先ほどまでのじれったい淡い快感と違い、あまりにもダイレクトな快感に声が出てしまい手で口を塞ぐ
「じんと、可愛い」
「…ゃ、可愛くない…っ…ンンッ、アッ…」
シュッシュッと上下にしごかれる。
自分でするのとは違う気持ち良さにくらくらする。
「ぅ、…ん、ぁ…っ、…ねぇ…」
「ん?」
「はやとの、それも…」
勇斗のも勃ってる。
「…………俺は、あとで抜いてくる」
ズボンを押し上げるそれば痛いほどだと思うんだけど、俺だけを気持ち良くさせようとする。
「ァッ…ンン…や、はやともっ…」
俺がそう言って勇斗の服を掴むと、勇斗の動きが止まる…。
「……可愛すぎる……俺を殺す気…?」
「ぁ、…?…なに…いってんの…」
「俺は今日は我慢しようと思ってたのに…もう…」
そう言うと俺の身体を起こし、自分の上に座らせる。力が抜けてた俺は勇斗の首に手をかけ抱きつくような形なる。
勇斗は自身のそれを取り出し、俺のと合わせて握り込む。
「ひ、ん!…ぁっ」
「っ…ふ…」
ぐちゅぐちゅと音を鳴らしながら、しごかれる。
「アッ…ん…きもちぃ…ぅ、ンン…」
「…、ッ…」
勇斗のそれが俺のに擦れて初めて感じる気持ち良さに頭が沸騰しそうだ。
そろそろ限界が近い。
「ゃ、も…でるっ…ン、アッ…!」
「おれ、も…っ…」
「アッ…アァ…ッンンン…ぃ…っ!!!」
「……く、…ンッ…」
同じタイミングで果てた俺達はベッドに倒れ込む。
「……はやと、……すき」
「俺も、大好き、愛してる」
コメント
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うわあ、6話でここまで来たか……! 「上書きして」って仁人が自分から言い出したシーン、切なくて可愛くて胸がぎゅっとなりました。あの嫌な記憶を勇斗の優しさで塗り替えたいっていう心理描写がすごくリアルで、読んでるこっちまで涙が出そうになりました。二人の「好き」がようやく重なって本当に良かった。これからどうなるんだろう、続きが気になります。
tsts
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