一覧ページ

朝鮮戦争・改

第36話 - 第36話

2024年09月12日

#歴史

#ゆうﾀﾞﾖｫ

#小説コンテスト

#ゆうのコンテスト

#ゆうﾀﾞﾖｫコンテスト

伊琉夏

伊吹丸の統治が始まって数年、平和と繁栄が倭各地に広がり、「爽流時代」と称されるようになった。戦乱の疲弊から立ち直り、風のように爽やかで流れる水のように穏やかな世を象徴するこの名称は、新たな秩序を体現していた。

「平和も、心で繋がなければ流れてしまう。我が統治は、戦いの時代から、和の時代へと変えねばならない。」

この新時代の象徴として、伊吹丸は首都をソウルに定めた。日本と朝鮮の統合の象徴であり、アジア全体の中心となるべくして選ばれた都市であった。

伊吹丸は統治効率を高めるため、拠点を設けた。首都ソウルの他、支部を江戸、京都、そして北京に配置し、広大な領土を管理する仕組みを整えた。これにより、遠い地域でも意思決定が可能となり、各地での反乱や紛争に即座に対応できる体制が築かれた。

ソウル：東洋一の都会

江戸：東洋一の武器倉庫

京都：東洋一の美術館

北京：東洋一の関所

伊吹丸は、戦士ではなく、統治者としての道を模索していた。戦による支配ではなく、文化や技術、学問を通じて民を導くことが理念であった。ソウルを中心に、学者や技術者が集い、研究が行われた。政策の一つに、異文化の融和と知識の交換があった。

「剣だけでは国を治められない。知恵と共に、未来を切り開く必要がある。」

京都では、学問や芸術の奨励が行われ、日本と朝鮮の伝統が融合し、東洋の文化がさらに進化していった。江戸では、商業や工業が盛んになり、経済の基盤が強化されていった。そして、明の首都では、軍事力と外交が強化され、東アジア全体を安定させるための防衛戦略が策定された。

爽流時代が平穏であるかのように見えたが、裏には未解決問題も存在していた。明の一部の貴族は、伊吹丸の統治に反発し、陰で反乱を企てていた。また、ローマや欧州のも徐々に強まりつつあり、世界規模での新たな対立の火種がくすぶり始めていた。

「この平和は脆いものだ。しかし、我々はそれを守り抜かなければならない。」

伊吹丸は剣を抜くことを避けるため、戦略的な外交や内政に尽力したが、強硬手段も辞さない覚悟を持っていた。

爽流時代の下、伊吹丸は文化、経済、政治を見事に融合させ、朝鮮、日本、明という広大な領土を統治していた。しかし、彼の心には常に世界全体を見据えた視野があった。次に訪れるであろう大きな戦いに備え、彼は慎重に計画を進めていた。

「この平和が、いつまでも続くものとは限らない。しかし、我が剣と知恵をもって、次の時代も守り抜くつもりだ。」

爽流時代の光と影は、これからも続く。伊吹丸の統治が未来をどのように形作るのか、それは彼の決断にかかっていた。

朝鮮戦争・改

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

伊琉夏

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。